「やや微妙な点もあるものの、映画の成り立ち的に多くは引けない」ドラキュラ デメテル号最期の航海 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
やや微妙な点もあるものの、映画の成り立ち的に多くは引けない
今年305本目(合計955本目/今月(2023年9月度)15本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
本作はカテゴリー的には「ホラー映画」という扱いを受けると思いますが、その(終了後)1時間15分差で見に行った「禁じられた遊び」が極端にアレなのはここでは知る由もなく…。
多くの方が書かれているように、原作小説の映画化という事情、および、「ちょっと前」の時代背景であるため、どうしてもそれに準じる必要があること(換言すれば、パソコンだのスマホだのは出てこない)、またここから派生する問題として、航海する船舶である以上、犯人やからくりがある程度絞られてしまう(いきなり宇宙人が現れたとかという展開は突飛すぎる)という事情があり、メタ読みの是非はさておき、「ある程度展開が読めてしまう」という映画そのものの難はあります。
また、こちらのほうが致命的であろうと思うのですが、結局これも原作小説通りといえばそりゃ仕方がないのですが、タイトルにいうドラキュラの出現が極端に遅く、ほぼ8割程度は船舶上で飢えがどうだの水分補給がどうだのといった話題(ただ、この段階でも「何か怪しい」ということは描写される)に尽きてしまい、「見所が少ない」という点はどうしても言えます。
同じく今週の「禁じられた遊び」が極端にアレなので、相対的に評価があがってしまうのもある程度理解はでき、「原作小説を忠実に映画化しました」という限りにおいて、そこそこ減点の幅は少ないです。
採点に関しては以下を考慮しています。
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(減点0.2/映画の「醍醐味」といえる「見所」がかなり後半に偏る)
多くの方が書かれている点で多言を要しませんが、どうしても「娯楽」として見る場合、ここはマイナスになるのではなかろうか…と思えます。
ただ、原作小説に従う必要はあるし、ドラキュラの登場時期を早めすぎると(小説に従う限り)あとの時間は何をするのか(あるいは、時間を削るのか)という「映画の作成とは関係のない問題点」も同時にあるので、ここは減点幅は限定的です。
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まぁ、多少難はあるとはしても、「禁じられた遊び」がどうなのか…と思って1時間15分差で映画館に行くと、そこで地獄(というか、意味不明ワールド)を見ることになるのですが、それはそちらで。
原作はあって無いようなもので、私はあの原作の中のほんの一部分をよくここまで広げたなぁ~と、感心しました。
原作は船長が書いた日誌で、船長がヤツの姿を見るのは最後の最後なので、それまでは船員の誰かが原因だと思われてます。
こらだと、8割程度どころか9割9分9厘過ぎないと出てこないってことになっちゃいますね(笑)