「まとめて養ってやる」スラムドッグス なつさんの映画レビュー(感想・評価)
まとめて養ってやる
大人の人間が結構ひどい目にあうのはよほどでない限り心は動かされないが、動物が痛い目にあうのは少しでも心がかなり痛む少々曲がった性癖を持つ人間なんでかなり刺さった。
あと、下ネタ平気なのも強かったのかな。
襲うのはサメとかワニとかピラニアとかナマケモノでなく、犬。もう楽しい。
そもそも愛玩動物という名前も好きでなく、彼らは家族。
ダグがクソミソすぎてそのダグを心から信頼するレジーが痛々しくて観るのがかなりしんどかった。レジーがやらなきゃ私が切り落としてた。
なので、バグに出会ってくれて良かったな〜と。
純真すぎるレジーに世間の生き方と人間がどこまでアホかと教えるバグ。
そうそう!世間でいじめられる全ての動物達は人間を蔑めばええやん。
しかし、ノームは…ないな
いろいろな事情で人間に対して不満を持つ犬達。
事情を持つ勝ち気な野良犬バグ
警察犬になれなくカラーをつけられ、イキった小型犬にも言い返せない弱弱セラピー犬ハンター
着せ替え小型犬の存在にあまり飼い主に愛されなくなった美人犬マギー
その3匹との出会い。
そして、レジーのデグの大事な股間を噛むという復讐に3匹の不満は一気に火が灯る。
途中の4匹の珍道中が面白い。
習性などは完全に犬のそれなので、あぁ、そんな仕草するよね、とかウンウン言いながら視聴。
また表情がいいのよ。すごく表情豊か。
その旅の途中がずっと笑いっぱなしにしてくれる。
久々にお腹抱えて笑った。これは劇場で観たら笑いが止まらない作品だな〜と。
1番死ぬほど笑ったのがナレーション犬とヤバいキノコ。
ここは考えた方は神かと思った。
ちょいちょい他作品のオマージュとかあって良かったし、ハンターとマギーの恋愛模様や友情のかけション、さまざまなピンチにもそれぞれの特性を活かして逆境に立ち向かう。そしてお約束の仲間割れ。
最後の脱出の際、テニスボールを咥えるレジー。
デグへの気持ちが蘇る。
僕が悪い子なんだ…いやいや、レジー…それは放置子のそれなのよ…
デグへの思いとバグの心に少し揺れながらもデグの家に帰り着くレジー。
何日振りかの我が家。
デグはいない。思い出すのはデグの罵倒の数々。
レジーは穴を掘る、気持ちを掘り起こし、そのたった1つの楽しかった思い出のボールを埋める為。
その穴に己のバカだった気持ちを葬る。
ピンチにかけつけたのはシッコ友!!!
3匹の連携プレーでデグを引き倒し、さぁ!噛みつけ!!
熱い!胸熱!特にずっとエリザベスカラーをつけられてイマイチ決まってなかったハンターがカラーを捨ててガゥゥゥゥゥ!!ってするところが良かった。
倒されたデグを3匹が押さえつけ噛みつくレジー
その背景が燃え盛る炎なのが復讐感があってカタルシス煽りまくり。
最後デグの顔には肛門が…
逆境を越えて待っているのは人間も犬も同じこと。
彼らも少しだけ人間の見方も変わり、背景も良くなる。
ここは本当に平和で、良かったね〜良かったね〜ってなる。
もしこのままの元の不満だらけの状態に戻っていたならこの子をうちの子にするわ!って人々が押しかけるだろうなぁ。
1番人間と確執のあったバグが幸せになって本当に良かった。彼の心を溶かす優しい子供達に出会えて良かった〜
バグの生き方を引き継ぎ、野良犬のまま捨てられ犬達の自由な生き方を教えるレジー。
かつての自分のように蔑む言葉が名前だと信じて疑わない子達の良き先輩になって欲しい。
バグとは親友。
ずっとずっと欲しかった言葉「グッドボーイ」
最後の最後で幸せな涙を流させてくれたわ…
クソ気分を味合わさせたり、犬達の旅のピンチにゲラゲラ笑わせてくれ最後に幸せな気持ちにしてくれるハッピーなワンワン物語の下品版。
願わくば、虐げられる動物達が1匹でもいなくなりますように。