劇場公開日 2023年8月4日

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「こんな学校だったら愉しくってしょうがないよね!」夢みる校長先生 しのぶさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0こんな学校だったら愉しくってしょうがないよね!

2023年11月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

オオタヴィンさんは自分の作品を「ポエタリー・ドキュメンタリー」呼びます。ドキュメンタリ映画なんだけどちょっと詩的な語り口だからとのこと。うん、確かに!と思ったりもする。
「いただきます1 みそをつくるこどもたち」「いただきます2 ここは、発酵の楽園」「夢みる小学校」に続いての本作品。オオタさんの作品に登場するこどもたちはとにかく元気で目がキラッキラと輝いているし、関わる大人たちはいつも精一杯に子どもたちと向き合っています。
本作品の校長先生たちの本気度が凄いです。生徒たちがこれから何が有っても生き抜いていける力をつけるために必要なものは何か?何が子供たちにとってベストなのか?生徒たちが自主的に考え行動できるように教師たちは生徒を信頼し伴走しています。
校長は大統領のようなものであらゆる権限を持っているので、どんなにでも今あるものを変えて行くことは出来ると力強く話されています。そうなんだ、校則も制服も宿題も通知表も・・絶対に必要なものでは無いと聞いて驚きました。
年々学校に行くことを拒否している子どもたちが増えている。これこそ多くの学校が教師が病んでいる証拠なのでは?先生たちも心を病んで休職している数も増えていますよね。映画に出てきた生徒たちの中から、このすばらしい教育を受け継いだ教育者になって現場に返ってきてくれたらと思いました。すぐには変わらないだろけれど少しだけ明るい気持ちにもなります。
このような取り組みをしている学校は全国の学校数からすれば、極々わずかでゼロに等しいとは思うけれど、無いわけではない。少しずつで良いので拡がって行ってくれることを願います。そして教育関係者の皆さんには一人でも多くの方に観ていただきたい作品です。

しのぶ