火の鳥 エデンの花のレビュー・感想・評価
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手塚治虫は偉大だ
火の鳥は十代の頃に初めて読んで、そのストーリーの壮大さとテーマの深さに打ちのめされて夢中になって繰り返し読んだ。それから火の鳥からは離れていたのだけど、今回暫くぶりにその世界に触れることになった。
やっぱりすごい世界観で手塚治虫の偉大さを痛感するのだけど、自分が当時からかなり変化したせいで、もうこの世界に共鳴することはなくなっていた。
火の鳥の世界観は、人間の業や欲望を悲観的に描くことが多くて、それが壮大なドラマとしてカタルシスを生むのだけど、その苦悩や悲しみが、自分ではもうお腹いっぱいでお代わりいらないという感じ。自分の中で、デストピア的な世界観や人間の非情さ愚かさみたいなのは、もう過去のもの。
今は、とても楽観的な世界に住んでいる。
人は愚かで哀しい
それでも生きていく。
生命をつないでいく。
主人公の声を宮沢りえがしてるのを知っていて観ていたが、宮沢りえってわからない。ロミそのものだ。
アニメの吹き替えを俳優がするのに批判的な声もありますが、私は賛成派です。(下手な人もいますが)
三人揃ったシティボーイズにちょっと感動。(観ている時は気づかなかったけど)
手塚治虫は「ブラック・ジャック」や「どろろ」は全巻揃えてたほど好きだったけど、「三つ目が通る」や「火の鳥」は子どもには難しくて読んでいない。
「火の鳥」は映像作品も草刈正雄の映画くらいしか観たことがなかった。
久しぶりに手塚作品に触れて、さすが手塚治虫先生だなと思いました。(火の鳥はあまり絡んでませんでしたね)
声優はちゃんとした人を選んでくれよ…
手塚治虫の
悠久の時を超え、銀河も越えた壮大な物語は、とても感動的!宮沢りえ、吉田帆乃華の名演が光る
手塚治虫のライフワーク「火の鳥」のうちの、「望郷編」初の映像化.
自分もほんの一部(朝日ソノラマ「マンガ少年」)しか読んでない上に全く覚えていない。
原作のあらすじを見たら、確かに映像化が難しいであろう点がありますが、その点は改変してあります。
大きな話は同じでも、消えた部分は、非常にシリアスで今回の話でも当然そうなるだろうなと思った部分。
その深刻な”業”・”罪”の部分を背負うか背負わないかは、非常に大きな違いではあると思った。
しかし、全体的には、人間の愚かさと罪悪と、悠久の時を超え、銀河も越えた壮大な物語は、とても感動的でした。
声の出演では、主演の宮沢りえの大きな包容力のある優しさ、少年コム役の吉田帆乃華の純粋な想い、二人の名演が光っていました。
しかし、窪塚洋介の第一声は、あまりにひどかった。さらに、自分は大好きなんだけれどシティーボーイズの声も合ってなかった。
声優以外を使う場合の演出は、本当に最新のちゅいを払ってほしい。
キャラクターたちは、手塚キャラそのままでなくとも、そう感じさせる少し前の時代の温かみのあるデザインが良かった。
あの有名な「火の鳥」のデザインが変わっているのは違和感がありましたが。
そして、エンディングの歌、音楽も素晴らしかった。
壮大で、悲劇的で、虚しくて…でもどこか救いがあり、生きる力を与えてくれる
美しい映像と作り手の熱!
望郷の先の絶望
未来への希望
忘れた頃に映像化される、大好きな作品
火の鳥は大好きな作品。若い人に認知されなくなった頃に映像化され、その度に心打たれる。今作もそんなタイミングで、とても期待していた。映像化してくれたことに感謝。
前回はNHKのアニメだったかな。
火の鳥の描写はとても美しく、冒頭から心をつかまれる。
時間のスケールの大きさと、ロマンと、人間の感情、ロボット、あらゆるSFと社会性を兼ね備えた作品。
いつみても、人間の業の深さ、環境、地球のかけがえなさを、すっと感じさせてくれる。
話自体は入れ代わり立ち代わり、という感じで、ポンポン進んでいくのでテンポはよいが、深くグッとくるとまではいかない。
ただ90分あまりで世界観がまとまっており、全体としては満足である。
キャラクターはCGぽくなっていることで、手塚治虫らしさは少しなくなっている。また、ジョージの声にはさすがに違和感があったので、登場が序盤だけでホッとした。
エンディングもよかった。
2023年劇場鑑賞104本目
毒抜きされた「望郷編」であるが、実にバランスが良い!
前置きしますと、古くからの「手塚治虫先生のファン」です。
ただ、手塚先生の作品のうち、「人間が生きるとは何か?」の様なあまりにテーマが幅広く深く扱うテーマがは時に刺激的で最後は投げっぱなしでとことん読者に深傷を負わす一連の「火の鳥シリーズ」は正直敬遠しておりました(笑)。
私にとっては「ブラック・ジャック」や、「ブッダ」、ギリで「アドルフに告ぐ」くらいが理解して楽しめる許容範囲です。
望郷編は中学時代に勧められて一度読んだか読まないかのレベルで当時(昭和後期)の倫理観(近親生殖など)でもかなり過激、むしろ拒否反応が強いくらいでした。
それが今回初めて劇場アニメ化、しかも定評のある4℃さん制作とあれば、これは観ないわけにはいかず・・ちょっと遠出までして鑑賞した次第です(近くの映画館でやってなかったため)。
気になる過激な冒頭の部分が大胆なシナリオ改変でしっかり「毒抜き」されており、とはいえ手塚治虫のテイストはキャラデザ含めて残っておりましたので、全年齢に劇場版としては許容できる・・・というよりもむしろ改良されて受け入れ性がアップしたことを高く評価したいと思います。
人間に本来備わっている原初の欲求が「強い欲望」に変わる過程はさまざまで、それが破滅に向かうことは必然・・・しかし、愛情など人や故郷を想う気持ちは清らかで永遠だよなあ、と実感できてとても素晴らしい体験でした。
ぜひ、劇場でご鑑賞ください。
うーん・・・期待したほどでは
手塚治虫の火の鳥・望郷編をアニメ映画化したとの事。
地球から逃亡し、エデン17に降り立ったロミと恋人のジョージだが、未開の惑星での生活は厳しく、そして、ジョージは事故で命を落としてしまった。ロミは1人息子との子供を作るためにに自分の命を引き延ばそうとコールドスリープに入るが、13年の予定が機械の故障で1300年間も眠り続けてしまうことになった。ようやく目覚めたロミは、ロミの息子と火の鳥に連れてこられた新人類の子孫が築いたエデン17の女王となった。ある日、ロミの地球への望郷の思いを知った少年コムは、ロミとともに地球を目指すべく岩船に乗り宇宙へと旅に出た。さてどうなる、という話。
コミックで望郷編は既読なのだが、こんなにあっさりしてたっけ、って感じた。
時間の関係で省略した部分は多いと思うが、火の鳥全体に漂うゾクゾクした感じが無かった。
コム役の吉田帆乃華は良かったと思うが・・・
エンディング曲、は良かった。
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