「単なる英雄譚ではない。狂気の時代が生んだ皇帝の話。」ナポレオン moon-yokoさんの映画レビュー(感想・評価)
単なる英雄譚ではない。狂気の時代が生んだ皇帝の話。
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私は春秋戦国時代、漢楚の戦い、三国志が好きで、
軍師、将軍、謀臣、そういう類のことを話すのが
とても好きだ。韓信、楽毅の話を何度見たことか。
フランスの歴史は全然知らず、
軽騎兵を上手く使ったと言われてるナポレオンの戦術に
興味があり、映画館に足を運んだわけだが、
鑑賞後、とても、そんな話をする気になれなかった。
騎兵を活かすために、歩兵で壁を作り。
ある程度、射撃させ、歩兵同士が接敵してからの突撃。
歩兵は大砲、射撃、狙撃をもろに受け、
小枝のように折れ、破壊される。
それでも、太鼓が止むまで前進を続ける。
それが軍律であり、絶対だから。
両者、大量の屍の山を築いても、
トップがワインを飲み交わし、
笑いながら次の戦争を考え、
さらに戦いへと国民を引っ張っていく。
途中、吐きそうになった。
なぜ、命がこんなにも軽く扱われるのか、
貴族とは、王族とは、軍の上層部とは、
そんなにも尊いのか?国民を何だとおもってるのか?
最後の最後まで、戦いに導くこの人たちは
本当に英雄なのだろうか。
何に対して万歳してるだ、この人たちは。
勝利って何なんだ。。。
戦争が命の奪い合いであることや、
狂気に満ちた時代のリアルな描写は
私に色々なことを考えさせてくれた。
また、韓の張良のように鮮やかに去ることが、
どれほど難しいことか、人の引き際の
大事さのようなものを、改めて考えさせてくれた。
ナポレオンの最後の言葉も、印象的だった。
彼は何を夢見たのだろう。それは得られたのだろうか。
そして、伴侶というのは偉大な存在と言わざるを得ない。
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