「ベートーヴェンに共感し、大奥を想う」ナポレオン LittleTitanさんの映画レビュー(感想・評価)
ベートーヴェンに共感し、大奥を想う
個々の出来事は聞き齧っていても、基本世界史に疎いので、時系列が整理されて良かった。ただ描かれた心情は、ジョセフィーヌへの想いばかりで、戦禍を広げ続けた動機はよく分からなかった。気になった2点を別記する。
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1. ベートーヴェンの落胆を追体験
ナポレオンが出世したのは、1797年に王党派を大砲で鎮圧した事。ベートーヴェンは主権を市民に奪還したナポレオンを称え、1805年に交響曲第3番「英雄」を完成させる。しかし1805年、ナポレオンは世襲が約束された「皇帝」、つまり実質的なフランス国王を名乗る。この知らせに対するベートーヴェンの落胆と怒りは計り知れない。結局、独裁を武力で倒しても、新たな独裁が生まれるだけ。市民の力で革命を起こしたフランスでさえ、皇帝の誕生は防げなかった。
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2. 離婚せずに済む後宮(大奥)の利便性
ジョセフィーヌと離婚せねばならない葛藤が描かれるが、「大奥」や「薬屋のひとりごと」を観すぎて若干キョトン。愛人でええやん、妾作りゃええやんって、後宮(大奥)ドラマに毒されて、嘗てのモルモン教徒っぽくなってる自分に愕然。
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