劇場公開日 2023年11月25日

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ほかげのレビュー・感想・評価

全83件中、41~60件目を表示

4.0救いがないのに

2023年12月29日
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鑑賞方法:映画館

以前「野火」を見て衝撃を受け、機会があれば塚本晋也監督の作品を見たいと思っていました。予想どおり常に破局の予感を覚えながらの鑑賞となりました。徹頭徹尾救いのない話ですが、見終えたときになぜか救いというかカタルシスを感じました。

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むっち

4.0戦争が奪った日常と愛情

2023年12月29日
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前半の居酒屋での仄かな幸せも、後半の得体の知れない道中も、ほんの少しのバランスですぐにも崩れそうな不安感が付き纏う。そんなか細い今をみんなが生きていたのか。
戦争を知らない世代だからこそ、少年の五感を通じて戦争の跡を感じた。

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ななな

4.5”『ゴジラ-1.0』とはまた異なった視点で終戦直後の日本を描いた一作

2023年12月28日
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鑑賞方法:映画館

「ほかげ」のタイトルが現れるまでの描写が非常に秀逸で、終戦直後の日本における、不穏と絶望、人ならざる者と化したような人の哀しみを、小料理屋の荒んだ様子と主人公の女性(趣里)の佇まいだけで一気に描いて見せます。

どうしても塚本監督の『野火』(2014)とのつながりを感じずにはいられない復員兵(河野宏紀)の、もはや心が死んでしまった有様は、『ゴジラ-1.0』の敷島(神木隆之介)がその鬱屈を割と素直に表現していたことと比較して、内にため込んで狂気の域にまで煮えたぎった苦しみに押しつぶされた末路であって、もはや人ではないのではないかと思ってしまうほどに屈みこんだ姿には得も言えぬ凄味があります。そんな復員兵を、ガラス越しのぼんやりとした光に映し出されるシルエットだけで表現してしまうすごさ。

小料理屋の内部だけで展開する、現実と幽界が溶け込んだ感のある前半部は、その先行きの見えなさと恐ろしいまでに執拗な生活描写に引き込まれますが、語り手の視点が変わる中盤以降は、物語の筋をなぞるような展開にやや傾きがち。ではあるけど、『野火』から続く「戦後の捉えなおし」という課題に一定の決着を付けた、塚本監督の語り手としての誠実さが伝わってきました。

今年後半は『ゴジラ-1.0』、『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』、そして本作と、偶然にも「あの戦争は何だったのか」を問い直す作品群が登場しましたが、本作はその語りのリレーの一つの到達点となっています。決して楽しい気分になる映画ではないけど、これはぜひ劇場で観たい一作。

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yui

2.0視点が古くて申し訳ないが…

2023年12月27日
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悲しい

怖い

寝られる

NHK朝ドラ「ブギウギ」ヒロインとして大活躍中の趣里。僕もドラマは見ている。彼女の演技力その他は評価している。
本作、この映画がブギウギ出演決定より前に撮られたのかどうかは知らないが、塚本監督含めて、彼女にいろいろ気を使った末にできた映画なのか…という感想を持った。
終戦後の、日本の各地であったような話である。
女は、家も夫も失い、生きるために体を売る。
男は、戦場で上官の非道の末にけがを負い復員するが、強い怨念を抱き続ける。
そうした設定は悪くない。趣里、復員兵の森山未來の芝居の熱量は十分あったし、ある意味主役ともいえるかっぱらいの少年を演じた子役の存在もよかった。

しかし…である。
趣里の両親が芸能界の超ビッグネームだからか? それとももろもろうるさいコンプライアンスという時代に忖度したのか?
本来なら、趣里が「体当たり」の演技をしてもいいところなのに、「出し惜しみ」しているのはいかがなものか。
利重剛の情けないのに、性欲は十分ある男のやらかしぶりに、応えていないのだ、趣里が。

今の時代、「裸」はテレビからすっかり消えてしまったし、映画でも女優の裸は必要性があったとしても避ける傾向にある…と見るべきなのか。
本人がやりたいと思っても、周りが「それはなくてもいいや」という方に流れたのか…。

内情はまったく分からないが、そうした、女優としての「体当たり」ぶりがなかった点で、この映画全体の熱気が落ちているのである。

昭和人間の視点からの感想である。

【パンフレットについて】
過去の映画評でも、時々パンフレットについて触れているが、本作は映画への評かもイマイチで、劇場売店でパンフレットの中身を確かめたら、写真とつまらない解説ばかりで、時代背景や作品のねらいを含めての踏み込んだ内容もなかったので買わなかった。1000円の価値はまったくなし。

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町谷東光

2.0ひとことReview!

2023年12月26日
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悲しい

怖い

知的

先の大戦による影響に苦しみながら、そこから立ち直ろうとする姿に心を揺さぶられるが、全体的に作りがグダグダだった。主演の趣里と子役の塚尾桜雅くんの名演技が台無し。

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極東新天地

4.5低予算ながら素晴らしい出来映え

2023年12月26日
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悲しい

終戦直後の焦土の中、闇市を舞台に孤独な女性と孤児とが出会う。そして復員兵が町に溢れる混沌とした中、ストーリーが展開していく。

それぞれの役者たちの演技が光り、それにダイナミズムを加える際立った演出と撮影。戦争の理不尽さ、その闇を描き切っており、深く胸に突き刺さる作品。

趣里、森山未來、河野宏紀など、それぞれの役者たちの演技の凄さを感じるとともに、少年役の塚尾桜雅の鬼気迫る演技、その眼差しに打ちのめされる。

エンドロールまで圧倒されっ放しの作品。撮影まで手がける塚本晋也監督の才能に満ちた作品。制作費はかけずとも、素晴らしい作品は作れるという証。

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Toru

5.0伸ばされる腕

2023年12月23日
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悲しい

知的

戦火の影響を強く感じさせる燃えるような色の部屋は、女性の内面世界ともとれました。
女性の眼差しや佇まいからひしひしと伝わる絶望感。
拳銃を求める男にも、明るさの裏から絶望感が垣間見えます。

女性役の趣里、男役の森山未來、絶望や希望を切実に体現する迫力の演技がとても素晴らしかったです。
客の男の戦地の過酷さを想像させる体つきや不穏さ、少年の真っ直ぐな眼差し、俳優陣の演技は皆良かったと思います。

絶望や希望、不穏さが滲み出てくるような映像や音楽も良かったです。
何かを掴もうとするかのように伸ばされる腕、女性の中に広がる光景など、とても印象的でした。

戦争がもたらす心の傷を見せつけながらも、やはり少年の未来、現実の次世代の子供たちの未来に対する希望の想いも強く響いてくる、素晴らしい作品だと思います。

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nakadakan

4.0猛烈な戦争への批判

2023年12月21日
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半分以上は、主人公の女(趣里)が住む居酒屋が舞台で、室内劇。
内容的には、塚本監督作『野火』の延長上にあり、戦後のバラック&闇市の中で、生き延びた人間も復員兵もPTSDに苦しみ、心の中の戦争が終わらない苦悩を描いていて。
その中で見出した一筋の希望が、戦災孤児となった子どもっていうのが切ない話でした。

擬似家族を形成するのが、奇しくも構造的に『ゴジラ-1.0』と相似形で、時代の表と裏のような作劇だったなと。
二作とも「これで戦争が終わる」というセリフがあったし。

戦後すぐの頃には、生きるのが辛く闇に包まれた側面と、(闇市を代表とした)これから復興するんだという明るくパーっと盛り上がる側面と、明暗両面があったわけで。
本作の闇のみを写す作り方は、猛烈な戦争への批判が込められていて、あの惨劇を繰り返してはならないという警鐘となっていました。

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コージィ日本犬

1.5いまひとつ

2023年12月20日
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単純

知的

寝られる

塚本晋也監督、古くは鉄男、そして野火など大好きな作品が多く期待して鑑賞したのですが、素晴らしい俳優陣たちのお芝居ながらも、ずっと舞台が同じで単調で暗い。ストーリーの展開が少なく自分には残念ながらところどころ睡魔と戦いながら鑑賞してました。

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tomクルー

4.0趣里さんが強烈なインパクトを刻んだ

2023年12月19日
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2014年の「野火」で戦場の極限状態に置かれた人間を描いた塚本晋也監督。今作では終戦直後の絶望的な状況の中で生きる人々を描いた。

焼け残った居酒屋に一人住み、体を売りながら呆然と生きる女(趣里さん)、そして戦地で心身ともに深い傷を負い、卑劣な行為を強いた上官に復讐せんとする男(森山未來さん)。

空襲で孤児となった少年(塚尾桜雅くん)が偶然二人と出会い心を通わせた。

空襲で生き残った者、戦地で生き残った者。戦争の後の傷をえぐるような厳しい作品だった。

「生きてるだけで、愛。」の趣里さん、今作でも強いインパクトを残した。

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エロくそチキン2

4.0壮絶な戦後の生々しさ

2023年12月19日
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「ゴジラ-1」の典子になれなかった女性と「鬼太郎の誕生」の水木になれなかった男たち、そして、それを見つめる少年の物語。
ごくミニマムな舞台ながらも、戦争が生み出すモノを観客に強烈に突きつける。
同じ様な事が、現在も世界のどこかで起こっているのだろう。
塚本晋也監督の描く生々しさと、じっと見つめる視線は健在だ!

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naichin

3.5「あれは戦地のことだから」ー     「これで戦争が終わった」

2023年12月18日
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泣ける

悲しい

上野駅の銀座線地下鉄改札口へ緩やかにくだる通路は今はとてもきれいだ。その緩やかなスロープは雨露しのげて暖かいからか、昔、沢山の男の人達や子どもが通路の端に座っていた。もわっとした匂いがした。私はまだとても子どもだったけれど大人の男の人達は兵隊さんの格好であったり包帯して足が半分ない人も居たから、それが戦争と関係あることはわかっていた。今もそこを通ると匂いと共にその人達が見える気がする。皆、辛くて痛くて怒りと恐怖と飢えにまみれていたんだろうか、それとも希望が見えてきた頃だったんだろうか。

登場人物は誰もが口数少ない。だから森本未来の最後の言葉は饒舌で、正確に戦地でのことを覚えていて、それだけに如何に怒りと悲しみから解き放たれていなかったかが強く伝わった。

塚本監督の映画を見たのは今回が初めて。映像と音響が良かった。今度は「野火」を見よう。

おまけ
趣里は成長していい俳優になっていってると思った。初めて見たのは、舞台「クライムス・オブ・ザ・ハート」地人会新社(2015)。趣里はガリガリといっていいほどスリムで、三人姉妹の(大変なことをしでかした)末娘役をキュートに(いっぱいいっぱいで)演じていた。次がTVドラマ「ブラック・ペアン」(2018)の看護師役。クールで有能でよく眠る猫みたいな役。ここまでの趣里の顔は同じ感じ。そして今回の映画。大切な家族を失い孤独の中、坊やに会えて光が見えて、最後の希望を坊やに託した女をよく演じていたと思う。声、そして目。柔らかで深みのある大人の顔になっていた。朝ドラ見てないので、ブギウギのまとめを年末に見たい。

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talisman

3.5戦後の闇市

2023年12月17日
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監督で俳優でもある塚本晋也さんの、トークショーとサイン会の付いた上映に行ってきました。

塚本監督といえば『鉄男』

そのイメージが強く、シリーズ全て観てますが、

他で観たのは、中村達也さんが出てたから観た『バレット・バレエ』です。

上映後のトークショーで、おっしゃってましたが、

最近、戦争モノばかり作っているのは、戦争が再び起きそうな気配を感じ、危機感を持っているからそうです。

観終わってから聞いたのですが、そんな話を聞くと、この作品の重さも変わります。

映画の内容は戦後の闇市を描いていて、ずっと前から闇市を描きたかったとの事。

ホラーにも通じるような、不穏な雰囲気、張りつめた空気、緊張感、が漂っています。

戦争の後遺症に苦しむ人々、色々と考えさせられますね…

監督は、とても、お優しそうな方でした(笑)

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RAIN DOG

4.0戦争孤児

2023年12月13日
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私は子供にやられました…

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まる

5.0終わらない悪夢のその果てに。

2023年12月13日
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戦後間もない日本。焼け残った居酒屋で体を売る女、盗んで生きる戦争孤児、元教師の復員兵、何かを成し遂げようとする謎の男。戦争が終わったからといってすぐそこに未来や希望がある訳ではない。皆今日食べるものすらない。

戦争で心まで焼かれた人間の痛みや、恐怖や、執念が小さな炎に照らし出される。その禍々しさ。その残酷さにスクリーンに釘付けになった。あんなに幼い子供が1人で生きていかなくてはならない。きっと優しかった先生が痩せ衰え虚ろな目で朽ちてゆく。そして闇市の喧騒をつんざく破裂音に絶望を見る。

これで自分の戦争がやっと終わったと空に手を伸ばし呟く。それでもきっと悪夢からは逃れられない。そして何度でも繰り返される。

前半と後半の異なるエピソードを少年が繋ぐ構成が見事だった。4人の圧倒的な演技も必見。戦争の映画は絶対この世から失くしてはならない。どうか作り続けて下さい。

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はるたろう

3.5恐ろしい子役

2023年12月12日
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強い瞳に全てもってかれました。

趣里さんも朝ドラの数倍の当たり役
森山さんの役は監督自分でやりたかったでしょうね

なにはともあれ、
あの子がいなかったら成り立たなかった映画であり、
見つけた時点でもう出来上がっていたかもしれず。
あの年齢で、何を思ってあの演技をしたのか、
オソロシア子役でした。

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ジャム太

4.5生きるため。

2023年12月12日
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少年が事実上の主人公ですね。戦後の混乱期孤児が生きるためにはたとえ狂気に堕ちた大人達でも絡むしかない。そんな少年の生きざまが見事に描かれています。

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あらじん

3.0おから寿司

2023年12月11日
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単純

萌える

非常に丁寧な作り、でも我々おじさん世代にとっては刺激が少ないと感じました。
戦後ってこんなにマイルドなの?
決して戦争を正しく描いているわけではないですが、「はだしのゲン」や「ゆきゆきて神軍」を観てきたものからするとめちゃめちゃ優しい世界でした。
でも、趣里の演技は素晴らしく。趣里を愛でるだけでも観る価値あり。作り込みも丁寧で、限られた予算の中で塚本監督らしいこだわりは理解できました。
森山未來さんのエピソード後半は全く蛇足。
終盤の闇市のシーンのおから寿司の張り紙は水木しげる先生のオマージュかな?
全体的には観てよかったと思います。

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濁河さかな

5.0闇市を描いた「ほかげ」

2023年12月11日
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泣ける

悲しい

怖い

ほかげ
神戸市内にある映画館「シネ・リーブル神戸」にて鑑賞 2023年12月6日
パンフレット入手
「ほかげ」とは何か?パンフレットから引用します。
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「火と、その揺れに合わせて姿を変える影。
その影の中に生きる人々を見つめ、耳をすませます。

終戦と銘うって準備撮影をすすめた『ほかげ』

世界の動きが怪しくなってきた今、どうしても作らずにはおられなかった。
祈りの映画になります。」
塚本晋也
(ほかげパンフレット12ページ目より)
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「闇市」を描きたいというのが映画監督の思い

終戦後、残暑厳しい時か 女は暑い暑いと言っていた
電気、ガスなどインフラが復旧していないのでしょう。

女は半焼けになった小さな居酒屋で一人暮らし。体を売ったりしてその日暮らしをしていた。
空襲で家族を失った子は、闇市で果物などを盗んで暮らしていたが、女の居酒屋で入りびたりするようになりなる。
若い兵士が客として居酒屋へ行くが、入りびたりするようになる。三人はまるで家族のような状態になる。
若い兵士はおかしい状態となり去ってしまい、ふたりはお互い親密になっていくが、こどもは闇市にいる男と旅に出てしまう。

こどもはいろいろと経験をし、女のもとに戻ってくるのだが、拳銃を所持していたことがわかり、女はこどもから拳銃を取り上げ、缶のような容器にいれて保管する

また旅に出てはこどもが戻ってくる。
女はこどもを「坊や」と呼ぶようになる
そんなある日、拳銃は子供からやさしそうな男に渡ってしまう。
正体は元兵士だったようで戦争の時に、強い恨み、怨念を抱いていたのだろう。
男は拳銃を復讐のために使うことになった。
兵士の名前を叫び、銃を一発ずつ放つ。最後のトドメの一発は放たず、殺さない状態にしておく

こどもは女の居酒屋に戻るが、感染症なのか会えないことに。女は坊や、坊やと優しくもかなしく語りかける。
こどもはもう会えないことを確信した。別れの時となった 女は坊や、坊やと・・・

闇市にこどもの姿、無断で皿洗いをやっているが怒られてしまう。理解されたようで子供はわずかな収入を得ている。
そのあとこどもは闇市の中へとすすんでいき、姿が見えなくなる。
映画は終了・・・このレビュー書いてたら涙

女優の趣里 迫真の演技力に感激します。

坊や、坊や・・・

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大岸弦

5.0終戦当時、多くの人に起こった悲劇。今残しておかなければ、観ておかなければいけない。

2023年12月11日
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終戦直後、空襲の焼け跡に残った一人の女が暮らす一軒の居酒屋。 そこに戦争孤児の少年と復員兵が居つくようになる。
ある日、見知らぬ男から仕事をもらい、少年は旅に出た。
趣里の演技、佇まいが凄い。 始めは他人と突き放し行動にもあまり口は出さなかったが、情がわいてきて、口やかましくなっていく。
三人でほんの一瞬だけ見た幸福を胸に生きる。
復員兵の若い男の、かすかな希望の光も飲み込まれていく。
当時生きた沢山の人々、一人一人に重い悲劇が、無数にあったことを、つい数十年前に、ここで起きていたこと。
監督が言われるように、まさに、今、作って残しておかなければ、観て置かなければいけない映画です。

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ITOYA