劇場公開日 2023年10月6日

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「物足りなさに卍固めしたい」アントニオ猪木をさがして 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0物足りなさに卍固めしたい

2023年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

昨年他界したアントニオ猪木の伝記的ドキュメンタリー映画でした。往年の猪木ファンとして結構期待していたのですが、正直残念な結果でした。というのも、ドキュメンタリーとしての芯がなく、時系列も前後していたし、猪木を語る人もバラバラで収拾が付いていない感じだったからです。

まず気になったのが、架空の猪木ファンの半生記みたいな寸劇の存在。作中この寸劇が何回も出て来ましたが、内容的にも構成的にも不要だったんじゃないかと思います。

また、くりーむしちゅーの有田と講談師の伯山先生を起用したのも疑問。勿論お二人とも猪木ファンでらっしゃるのは分かるけど、同じ芸人系から2人も出しては、ファン層が偏っているみたいじゃないですか。猪木ファンは各界にいるんだから、ファン代表を出すんなら、もっと幅広い人選をした方が良かったのではないかと思います。

逆にプロレスラーの人選は、明らかに物足りない感じ。現役世代の棚橋やオカダカズチカらは勿論いいし、最も猪木の近くにいた藤原や藤波が出て来たのも良かったけど、猪木を突き上げた前田や長州、猪木が生み出した不世出の天才タイガーマスク(佐山)、さらには盟友・坂口征二あたりは最低限押さえて欲しかった。出来れば裏方として新日本プロレスの全盛時代を支えた新間寿あたりも見たかった(ってお元気なのかな?)。さらにはプロレスマスコミの記者とか、引退試合の実況を担当した古舘伊知郎とか、素人が考えたって外せない人はいくらでもいたように思ったんですが、実に残念でした。まあ予算の都合もあったのかも知れませんが。。。

まあ文句ばっかり言ってもあれなので、良かった点を挙げれば、猪木の延髄切りはやはり打点も高く美しかったということを再確認。また、猪木と闘ったアンドレやベイダーって、身体がデカいだけでなく、動きも含めて天才的だったことをこれまた再確認。ベイダーがムーンサルトプレスって、凄すぎ!

こうやって往年の名勝負のシーンを観るにつけ、結局ファンの半生記とか、巌流島の講談とかの替わりに、猪木が闘うシーンをつなぎ合わせるだけで良かったんじゃないかという結論に至りました。

そんな訳で評価は★2とします。

鶏
さんのコメント
2023年10月18日

kazzさん、コメントありがとうございます。
仰る通り、実際あったことの再現ドラマならまだ良かったように思いますね。

鶏
kazzさんのコメント
2023年10月18日

白山が講談調に語る巌流島決戦のドキュメンタリー…だったら良かったかもと、今思いました。

kazz