劇場公開日 2024年5月17日

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「ただのレゲエのおじさんじゃなかった」ボブ・マーリー ONE LOVE カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ただのレゲエのおじさんじゃなかった

2024年5月25日
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鑑賞方法:映画館

ボブ・マーレーのことはほとんど知らなかった。36歳の若さで悪性黒色腫で死んだことも。
エリック·クラプトンが1974年にカバーして大ヒットした I shot Sheriff の作者のジャマイカのレゲエミュージシャンとしか。あとジャマイカで知ってるのはオリンピックのボブスレー。映画にもなった。
ただのレゲエのおじさんだと思っていた(笑)
西田敏行が釣りバカ日誌で岩手の釜石で社長に間違えられ、スーさんの代わりに市民講演したときの晩のレゲエ・ミュージックの宴会芸(裸踊り)
🎵 カマイシ、カマイシ、カマイシ、カマイシ、🎵カマイシ、ナンバーワ〜ン
のほうがよっぽど印象に残っているアリサマ。

1945年生まれ。クラプトンと同い年。
ミュージシャンデビューは1960年だが、アイランドレコードでのメジャーデビューは1973年。クラプトンのヤードバーズデビューが1963年だから約10年遅れ。
ボブの父親はイギリス海軍の軍人で当時60歳。アフリカ系の母親は16歳でボブを産んいるが、0歳の時に離婚。奇しくもクラプトンの母親も16歳で彼を産んだ。クラプトンの父親もカナダの軍人。出征後カナダに帰ったきり戻って来なかった。

妻のリタは一つ年下。女性3人のレゲエグループ、アイ・スリーズとしてボブがマネージメントして、ウェイラーズのバックコーラスもさせていた。1966年に結婚。離婚はしなかったからけども、ホブの婚外子はすごく沢山。一夫多妻制。ある意味ライオンキングですな。
ラスタファリ運動でジャーの化身とされた最後のエチオピア皇帝のハイレ・セラシエ1世を同一視していたのだろう。スマイル・ジャマイカ・コンサートの直後にロンドンに高飛びするボブだが、ハイレ・セラシエ1世もムッソリーニに攻められ、ロンドンに亡命している。イギリス人の父親には複雑な思いがあって、ラスタファリ運動に積極的に参加することで心のバランスを取っていたのだと思う。
リタを演じたラシャーナ・リンチはジャマイカ系イギリス人。女性007実現するか?
ドレッドヘアが銃弾から彼女を救ったというエピソード。なんならオレもやろうと思ったけど、圧倒的に地毛が足りないし、柔らかくなってしまった。
オリビア・コールマン主演のサム・メンデスの2022年の映画エンパイア·オブ・ライトで彼女の若い恋人役のマイケル・ウォードもジャマイカ出身。母親役もイギリスに渡ってきて、女一人で息子を育てていたシングルマザーだったのを思い出した。
レゲエミュージシャンとしてだけでなく時代に翻弄されながらジャマイカのために尽力したことが知れた。ラスタファリのジャーだった。
36歳の生涯は太く短かったが、DNAは充分残した。
1977年に病気の診断がなされ、1979年には日本公演で来日もしている。しかし、1981年5月にマイアミで母親と妻に看取られて亡くなった。
ミュージシャンとして、メジャーになって活躍した期間はほんとに短かった。
映画のハイライトはロンドンでのEXODUSとJammingだったと思う。
主演のキングズリー・ベン=アディルは時折、若い頃のイーサン・ホークにみえてしまった。普段はフォークギター弾いて作曲たりしてたんだとか。
若い頃のボブとリタもよかった。
波乱万丈の人生なのに、映画の出来栄えはアッサリ系だったのが残念。

カールⅢ世