「ものすごーく期待して観に行ったのですが・・・短すぎます。」ボブ・マーリー ONE LOVE けいちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
ものすごーく期待して観に行ったのですが・・・短すぎます。
本作の存在を知って、予告編、看板を見るたびに胸は高まるばかり・・・僕が好きになった80年代後半は既にボブが亡くなった後なので、元気に動いているボブに早く会いたい、と待ちきれず、封切り当日の夜、仕事を終えてすぐに観に行きました。
予告編が終わり、レグエのビートが聞こえてくると、そこはもうジャマイカ、心臓は高鳴ります。ちょっと実物よりかわいい顔でドレッドヘアのボブ・マーリー登場です。リタもイメージに近く良い感じです。よーしどんどん、ライブの再現をしてくれるはず・・・と思いきや、僕の予想よりもずいぶんと少なめです。アルバムEXODUSが売れたのはわかるけど。natural mystic作成時のスタジオ再現もわかるけど。ラスタファリ思想もわかるけど。繰り返される炎に包まれるイメージ映像はわかるようなわからないような、だけど。うーん。
ヨーロッパツアーも駆け足ではなく、できれば、伝説の75年ロンドンライブを再現してほしかった。そして、ロンドンライブのせめて後半の3曲、No woman no cry、I shot the sheriff、Get up,Stand upをライブ再現として聞きたかった(もちろん別な場面では歌っていますが)。おそらくロンドンライブが再現されていれば、強いカタルシスを得たと思いますが、それがなかったのは残念でなりません。
さらにジャマイカの対立する党首をボブのライブに登壇させて、ボブがJammingを歌いながら、二人を握手させる場面も再現してほしかった(実映像は最後少し流れますが、それはないだろう、という感じです)。アフリカツアーもぜひ再現してほしかった。そしてもうひとつの彼の主張であるアフリカ団結を歌った名盤中の名盤「Survival」に収められている、So much trouble in the WorldやSurvivalをライブ再現で観たかった(余談ですがこのアルバム「Survival」を聞くと不思議とやる気がでます。僕は大学生当時勉強するときには最初はいつもこのアルバムを流していました。ぜひお試しください、きっと勉強がはかどります)。
そしてボブの息子も制作に参加しているのだから、ナレーションで死を告げるのではなく、きちんと死の床にあるボブを観せてほしかった。
なので、全然短いです、この映画。あと30分から1時間長くしても良いです。はっきり言うと、尻切れトンボです。もっともっと観せてほしかったのに。
とはいえ、子どもたちの前で(途中からリタも)、アコースティックギター一本で、ボブが「Redemption song」を歌う場面は・・・もう本当に泣けました。
さらに、Three little birdsでも、One loveでも、気がつくとリズムをとってしまっており、歌いそうになるのを必死でこらえるくらい、音楽は良いです。
色々言いたいことは多いのですが、それでも若いみなさんにも観てほしい、ボブ・マーリーを知ってほしいです。そして、So much troubleな世の中だけど、きっといつかはeverything's gonna be all rightなはずだから、We are the survivors(逆境に負けない人) だよ、と思ってほしいです。