サウンド・オブ・フリーダムのレビュー・感想・評価
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アメリカ中心に回る世界の闇を暴く
ルミエール盛岡2で「サウンド・オブ・フリーダム」を見た。及川幸久さんや越境3.0の石田和靖さんのお薦め映画で、中南米から米国に人身売買が行われているという実話ベースの映画。ストーリー仕立てになっていて、ホンジュラスの姉弟がオーディションに参加したところ、連れ去られ、売られてしまったのを、主人公のティム・バラードが業者を逮捕しながら、危険を省みずに助け出すというもの。アメリカが主な顧客で、年間に数百万人もの性奴隷が新しく生まれていて、その大半が子どもだとか。
その事実を元に、何が行われているかを想像するとおぞましい。アメリカの富裕層が高い金を払って買うという需要があるから、貧しい中南米で悪者たちが暗躍する。まるでヒエラルキーのように国の階層が構築されていて、人間を買って変態的な嗜好を満足させようとする豊かな国、貧しく政情が不安定であるが故に、豊かさを求めて悪い奴が暗躍する途上国。犯罪が国境を越えて行われるので、捜査機関は摘発が困難となる。まるで、誰かがそのようなシステムをデザインしているかのようにさえ見えてしまう。
最近思うのだが、個人の人権、自由・嗜好が可能な限り認められると、実は崇高な理想が捨てられて、道徳の退廃、価値観の崩壊が起こり、貧富の格差と相俟って、金を得るために(或いは生きていくため)良心の痛みを感じずに、簡単に超えてはならな一線を越えてしまう人間が増える気がする。最近、日本でも、闇バイト、安易な強盗殺人などが多いのは、こういう風潮が関係しているのでは?
人間は、人と人との関係性、小さな社会で機能しているルール、マナー、倫理や道徳的な習慣、合意に基づいて生きている。しかし、人間関係が希薄になり、流動性が高まり、目の前の人がどこで何をしているかわからなくなれば、ばれなきゃいいと歯止めが利かなくなる。グローバル化が進み、海外からの移民やら犯罪者が入り易くなり、お互いに干渉しない社会になってしまうと、一体どうなってしまうのだろうか。LGBTQのような掛け声の下、人権尊重がクローズアップされすぎると、偏向していく人、悪に手を染める人を更に助長するだけで、この先大丈夫なのかと心配してい
見るべき映画
自由の音
やはり、ひねくれた見方かなぁ
今も世界で百万人単位の被害者を生み、市場規模1500億ドル(22兆円?!)にもなる人身売買組織、特に子供を拉致し性的な奴隷として売り飛ばすクソの様な一味から子供を救い出そうとする事実に基づくお話です。作品のはじめに恐らく実写と思える子供の拉致映像が次々と映されます。街角の子供を有無を言わせず突然かっさらって行くのです。僕も子供の頃には、
「知らんオッチャンについて行ったらあかんで」
と言われましたが、ついて行くも何もない強引さで、ここで取り上げられるのは更に巧妙な手段です。芸能プロダクションを装って「ステージ・デビューしませんか」と多くの子供を集め、親の目をかいくぐって一挙に拉致するのです。小さな子供がこんな理不尽な目に遭うのは本当に耐えられません。
本作では、米国土安全保障省の捜査官が、人身売買ビジネスの巣窟と目されるコロンビアに潜入し、自身の身を危険に晒しても一人の少女を探す姿が描かれます。それは、ヒリヒリする物語なのですが、ひねくれ者の僕はまたまたどうしても気になる点が引っ掛かりました。
たとえば、自分の娘を拉致された男が危険を顧みずに敵地に乗り込んであらゆる手段で戦うというのならばヒーロー物語として理解できます。しかし、多くの拉致被害者の子供らが登場する本作で、公の立場にあるこの捜査官は当該の少女を救う事を明らかに重んじている様に映るのです。いや、子供らを一人でも多く救う事が大切だし、少女を見つけて一安心でもないのではないかなぁ。これもやはりひねくれ過ぎた見方でしょうか。
重く、緊張感あふれる映画
似たような設定の作品と少しの疑問
子どもの売買犯罪に対する救済活動を描いた作品としては、『闇の子どもたち』があり、その作品では、様々な葛藤が入り乱れていたが、本作ではそれは少なかったようである。ただ、露見しないように心配したのが潜入捜査という形態で、現在テレビドラマで放映中の『潜入兄妹』、あるいは映画では『土竜の唄』という感じであろうか。拘留者に対して、一旦許すような口ぶりをして気が緩んだところを逮捕したところはよくわからなかったが、さらに潜入を進めて大掛かりな成果を挙げながらも、当初の目的を果たせなかったので、さらに現地警察でさえ渋る潜入を進めた。ボートで行き来するのは、『地獄の黙示録』あるいは『とうもろこしの島』を思い出した。後者は、逃亡兵を敵から匿う話であった。忍び込みのやり方や、相手が国全体であるのと反政府勢力であるのという違いはあるけれど、『コロニア』の脱出劇も思い出した。
主人公が寡黙だったり、情況説明が乏しかったりしたのは、エンドロールの説明と関係があるのかもしれない。実際の場面の写真をみて、再現性が高いとも思えたが、実際の場面をそこまで撮影できる余裕があったのかどうかにも疑問の余地はある。QRコードで読み取ったサイトの英文にも、理解が容易くない。主人公の真似はそうそうできないけれど、別件での拉致被害者救済への努力として、それくらい払われて良いのかもしれない。
トランプ政権になったからぺドを一掃して欲しい
自身の経験と重なる描写もあり精神的にかなりきつかったけど、観て良かった映画でした。
自分から性を売る10代で溢れる日本だからこそ多くの人に観て欲しい。
日本に生まれただけでどれだけ恵まれているか、どれだけの選択肢があるのか。
買う人間がいるから売ってしまうのであれば買う人間を地球から排除する以外にないのか、無限に増え続けるから結局は今苦しんでいる子供を助けられない葛藤が辛かった。
ティムの奥様や色んな人の支えや想いが重なって1人でも多くの子供が自由になりますように。
つまらなく思えたとしてもこの日常を大切に生きられる事の有り難さをしみじみ感じました。
この映画を観た後に自分には子供がいなくて良かったなと思った。
こんな苦悩耐えられない。
現実に起きていることの重み
誘拐された児童が、性の対象として国外に売られていく。こうした現実の出来事ではあるが、言葉として知っていても、リアリティをもって感じることはなかったからかなりの衝撃だった。公務ではなくプライベートで海外にまで出て子どもを救出しようとするこの刑事も実在している人だってことにも驚く。
本作の大まかな流れは、児童売買に関わる男を逮捕した捜査官・ティムが、徐々に児童誘拐・売買の本丸に迫っていくというもの。そこには大きな意外性があるわけではない。それなりに緊迫感のある場面もあるし、結末にスッキリする部分もあるが、映画のストーリーとしてはそれほど面白いわけではないと思う。でも、これが実際に起こった事件だと思うと別の見え方になる。少し不思議な感覚だった。
ティムの妻と子どもたちの存在はアッサリした扱いだったのは少し意外。養子と思われる子どもたちを育てているのはティムの行動のバックボーンになると思うが、時間の都合で省かれたのかもしれない。それにしても、いくらすごく意味のあることだとしても、夫ティムの行動を無条件で受け入れる妻がすごい。給料なしでどうやって生活できていたのか、少し気になってしまう。
そして最後にとても印象的なのが、映画としては異例ともいえるエンドロールの映像。映画の中でその映画の宣伝を行うなんて聞いたことがない。でもそんな異例のこともすんなり受け入れることができた。この現実を多くの人に知ってもらいたいと思うよな。その根底にある感情はとても共感できるものだった。
児童売買は需要がなくなれば犯罪自体が減るはず。そういう意味でティムが当初行っていた捜査・検挙も意味はある。現場の捜査官のモチベーションがなくやらないことを祈る。
許し難い悪と闘うヒーローたち
実話なのが信じられんほど、恐ろしい話を観た。悪いやつはいつの世でもいるけど、子どもを商売にするのは最も許し難い悪だね。
ティムは確かにヒーローなんだけど、このヒーローが生まれなければならなかった世の中が本当にありえないと思う。同じ地球に住んでるのが怖い。
どこまでが本当の話なのかはわからないけど、ティムは自分も家族がいるのに、自分の全てを投げ出して子ども達を助けることを選んで爆走していくので、それが非現実的に見えちゃうほど熱意と信念が凄かった。彼の家族が心配になってしまったよ。
とにかく知ることに世界を変えるきっかけがあることを信じたい。
沢山の方が観て、こんな怖い事実が無かったことにならないように、これ以上犠牲になる子どもがでない世の中になることを祈ります。
ラストメッセージとリベラルの欺瞞
本日、11月11日は映画評論家の淀川長治さんの命日。
何か映画を観に行きたいなと思って上映している劇場はかなり減っていたけど、本作を観に行きました。
この作品はペイフォワード($15=10人分寄付)でも観ることが出来るので、お金がないからと言う人は公式WEBページからチケットを入手も可能なので、可能であれば是非劇場で観て欲しいと思います。
前情報なく鑑賞前に何となく思っていたのはエプスタイン事件をモデルにした「事実に基づく」作品でしたが、この事件とは別な話でした。
けれど描かれている児童誘拐、人身売買、少年少女たちの性奴隷など目を覆いたくなるような出来事は想像の通りの物語でした。
中南米から子供たちを誘拐して人身売買、買われた先で子供たちは性奴隷として買い主の元で過ごします。
直接の描写こそありませんが、買い主の機嫌を損ねないように子供が怯える様子、いわゆる事後に子どもが浴室で泣く様子は子のいる人には身につまされる想いになるかもしれません。
エンドロールの途中、ティム・バラード役のジム・カヴィーゼルがメッセージとしてこの物語の主人公はあくまでも被害にあった子供たちと語っています。
きっとこの視点で観るのが正しいのでしょう。
これだけ世界的にアメリカを中心に国連などで基本的人権や「世界子ども人権宣言」などが叫ばれている中で、アメリカがその児童売春、人身売買最大の消費地であり、帝国主義の時代以上にこうした状況に置かれている子どもたちがいるというラストメッセージには、カリフォルニア州を中心とするリベラル意識の高い地域と重なり、如何に現在のリベラルが欺瞞であるかを改めて知らされる想いになります。
(2020年に撮影され、公開がここまで引き延ばされた語られない諸事情を含め)
作品の粗を晒せば、実在のティム・バラードはスタッフへのセクハラやらグルーミングやら不同意性交渉やらで散々叩かれていて、映像の中のようなイケメンでもありませんが、そこはご愛嬌。
カメラの性能があがったせいか。映像が鮮明すぎて『ザ・世界仰天ニュース』の再現ドラマのような作りものっぽさ(中盤以降)と、妙にリアリティのある少し埃っぽくて粗い映像(前半)が混在しており、作品にのめり込むようにして観る作品とは少し違うのかなと。
犯罪に直球勝負
本当に恐ろしいことが起きている。身近なところで子どもが拐われている。
アメリカ人の友人と見に行った。子どもを売買する犯罪組織。これはコロンビアが舞台であるが、世界中でこんな事が実際に起きている。
監督と共同脚本は、メキシコ人のアレハンドロ・モンテベルデとあって期待して見た。アメリカ映画であるが、言葉は南米関係ではスペイン語、アメリカでは英語。時々ごっちゃになって出てくる。そこが何故か不穏な雰囲気を漂わせている。「23年全米映画興収トップ10」に堂々のランクインを果たしている。中南米の映画ではこのような犯罪を扱った映画はいくつもあり、よく見ていたのでそれほど驚くことはなかった。
★さまざまな形でこのような犯罪に巻き込まれ、多くの子ども、大人も含めてだが、”奴隷”に等しい生活を強いられている人が増加し、奴隷制度があった時代よりも遥かに多いという。
クライマックスは南米コロンビアの奥地の反政府組織の潜むムラへの侵入。
★映画が終わったあと、主人公役のジム・カフィーゼルからの動画コメントが流れた。今回の映画は製作後、上映へのさまざまな課題・障害があり、それを乗り越え公開まで5年間を要したという。多くの人に見てもらいこのような多くの子どもたちが誘拐され、大人の欲望のために、ひどい生活を負わされている実態を知ってほしい。そして何かできないことはないか。まずは、映画を劇場に見に行ってほしいと。
<公式HPより>
クラウドファンディングでの製作費集めや、公開時、本作の鑑賞者が他の人のためにチケットを購入し寄付するペイ・イット・フォワードに人々が積極的に参加したことも話題を呼んだという。
映画で世界を変えることが出来ると本当に信じた人々が作り上げた作品
売りものじゃない。
これほどリアルな「ホラー」は無い
観る者に、今世界で起き続けている、吐き気を催すほど醜悪な「現実社会」を突き付け、文字通り強烈な吐き気と胸をえぐられるような痛みを感じさせる
映画という虚構を使いながら、現実のドキュメンタリーを嫌というほど見せつける
決して見終わってから笑顔にはなれないリアル「ホラー」
どんなに怖いと言われるホラーやサスペンスでも、この圧倒的現実感の前では所詮は作りものである
誰もが、目を背けてはいけない、誰もが見なければいけない映画
映画全体を検証はした訳ではないが、多分終盤のストーリーは完全なフィクションのような気がするが、それはむしろ有難かった。前半から中盤にかけてのストーリー進行では、あまりにリアルな醜悪さが強すぎて最後まで鑑賞に堪えられないかもしれなかったからだ
小さな子供を自分の性癖の「道具」にできる、我々のまわりにいる「普通の顔」をした異常者は、社会の中では一定以上の資産をもち、地位を持ち、善人の顔をしているだろう
こんなに不幸な子供たちが後を絶たず、毎年増え続け、その子供たちを「消費」していく化け物たちが、これもまた増え続けている現実を突きつけられることに絶望感を感じる
救える子供たちはいったい何人いるというのか・・・
エンドロール後、主人公の俳優さんが語る言葉が胸に刺さる
映画完成から上映までに5年の年月がかかった あらゆる妨害があった所以だろう
それは映画業界の中にも、財界にも、政界にも、この映画に日の目を当てたくないと考える、魑魅魍魎が蠢くからではないだろうか
彼らの言う、ムーブメントが起きることを願う
児童人身売買の闇
この映画は制作から5年の年月を経てようやく全米で公開されたといういわくつきの作品だが、なぜそんなに長い間お蔵入りになっていたのだろうか?
その背景を探ると、2019年にウォルト・ディズニー社がこの映画の配給先であった21世紀FOX社を買収したという事実が浮かび上がる。本作が撮影されたのは6年前の2018年、公開はその翌年の2019年を予定していたが、ディズニーがFOXの映画ライセンスを取得して、映画制作や公開の権限をすべて掌握したことによって、本作の公開を見送ったのだ。小児性愛者による人身売買を扱っているこの映画は、ディズニーにとっておそらくとても都合の悪いものだったのだろう。最終的に、この映画のライセンスはインディーズ系の配給会社の元に移行し、2023年に全米で、その翌年の2024年に日本で公開されることになった。
感想としては、臨場感や緊迫感があり、インディーズ映画とは思えないクオリティが感じられ、子供を主題にした映画としては珍しく父親目線で描かれているところが新鮮だったという点をまず挙げたい。性加害等の直接的な表現は避けられていて、目を背けたくなるシーンはなく、比較的観やすい作品になっていた。
一方、児童人身売買犯罪が発生する根本的な原因を描かれていないところが物足りなかった。囚われている他の子供は救おうとせず、会ったこともない一人の少女にだけ執着している主人公に疑問を持った。自分の子供なら理由もわかるが、仕事を辞めて、家族を残し、任務でもなく他人の子供を一人だけ命がけで助けるというのは常軌を逸した行動であったのではないか?
世界の人身売買市場は1500憶ドル、その対象者は5000万人といわれる。児童人身取引の目的は、強制労働と性的搾取に利用される場合が圧倒的に多い。酷いものになると臓器売買の対象にされるらしい。児童売買春の最大消費国になっているアメリカ、第47代大統領になったトランプならこの闇の部分にメスを入れてくれるはずだ。
【”無垢なる幼き子供達の心と身体を傷つけるな!”今作は子供達が誘拐される時は怒りと哀しみを覚え、捜査官が命懸けで捜索するスリリングなシーンに引き込まれ、ラストは涙するムネアツな社会派映画なのである。】
ー エンドロールで、この作品が実話に基づいて製作された事が分かる。そして、世界に蔓延る児童誘拐事件の増加の実態を知り、主演の捜査官ティムを演じた敬虔なクリスチャンであるジム・カービルが第4の壁を越えて観る側に訴えかけてくる言葉に、琴線を揺さぶられたのである。
今作を鑑賞する前に新聞に掲載された、東南アジアで児童買春をした日本人の中年の男のインタビュー”貧しい村に金を落として、何が悪い。”という開き直ったコメントを読み、”お前は、地獄に堕ちろ!”と思った事も、一因で有ろう。
■但し、評点の4.5は、この映画の内容と社会的意義に共鳴してのモノである事は、敢えて記載する。ー
■米国土安全保障省に勤務するティム捜査官は、アメリカ国内で小児性愛者の逮捕に成果を上げて来た。
だが、誘拐された子供の殆どが、海外に連れ去られているためにもどかしさを感じていた。そして彼は上司を説得し、一週間だけコロンビアに渡り、且つては児童買春の組織側にいた男バンビロ(ビル・キャンプ)達とチームを組み、コロンビアの人身売買業者や、顧客の小児性愛者たちを、ある島におびき寄せ一網打尽にする計画を実行する。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・児童買春の実態がここまで拡大しているとは、恥ずかしながら知らなかった。この映画を観ていると、子供達をおびき寄せ誘拐する組織の手際の良さから、犯罪行為が常習化している事が良く分かる。
・幼い姉弟、ロシオとミゲルが誘拐されるシーンは恐ろしい。美しい女がロシオが太鼓でリズムを刻む中、近付いてきて”オーディションがあるの。パパを説得して。”と言い、ホテルの一室に連れ込む。そこには、夢見る多数の幼子がいるのである。女は子供達の”大人びたポーズ”の写真を撮るのである。
ロシオとミゲルの父が迎えに来た時には、部屋は蛻の殻である。
・怯える子供達が、バンに乗せられる時の恐れと哀しみの顔は、忘れ難い。そして、子供達は愚かしき小児性愛者たちに買われて行くのである。
余りに悲惨であり、可哀想過ぎる。
子を誘拐された男の言葉”娘がいないベッドがある家で、眠れるか?”が哀しく響く。
・バンビロが改心した理由を、酒を呑みながら話すシーンで彼が言った言葉も印象的である。
”出所した後、いつものように酒を呑んでいたら、町に女が立っていた。終わった後に分かったんだ。25歳じゃなかった。14歳だったんだ。俺は銃で頭を撃ち抜こうとしたんだ。何故生きて居るかは、神のみぞ知るだよ。”
■そして、ティム捜査官とバンビロは見事に、コロンビアの人身売買業者や、顧客の小児性愛者たちを、ある島におびき寄せ一網打尽にするのである。
だが、そこには救い出したミゲルの姉、ロシオの姿は無い。彼女はコロンビアの反政府ゲリラの居住地である南部に連れ去られていたのである。
ここからが、凄いのだがティム捜査官は、ナント米国土安全保障省を年金受給10カ月前にして辞め、バンビロと共に国連の医師団を装い、反政府ゲリラが居る集落に乗り込んで行くのである。ゲリラの親玉が言った通り、物凄い肝っ魂であるし、崇高な行為には頭が下がる。
そして、ティム捜査官は銃弾が飛び交う中、無事にロシオを救い出すのである。
<ラストシーンは、心に沁みる。ロシオはミゲルが見守る中、父と抱き合い誘拐される前と同じように太鼓でリズムを刻むのである。正に”サウンド・オブ・フリーダム”である。
そして、この作品ではエンドロール時に拡大の一途を辿る児童買春の実態がテロップで流れ、実際の犯罪者たちが逮捕された時や、子供達が救出された時の写真も映し出される。
今作は、スリリングな展開に引き込まれるアクション映画であるが、私が最も感銘を受けたのは、この作品が児童買春の実態を世に知らしめた事であると思う。
故にレビュータイトルには”社会派映画”と入れたのである。>
<2024年11月3日 刈谷日劇にて鑑賞>
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