劇場公開日 2024年6月28日

「ヒロインのキャラがブレてる?」言えない秘密 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ヒロインのキャラがブレてる?

2024年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

俺にとって映画で一番重要なヒロイン。今作は古川琴音。古川琴音はバイプレイヤーとしては個性的でいい女優だと思う。 でも、ヒロインとしてはちょっとな、と思いつつも予告編はなかなか良いイメージを持てたので観賞。

【物語】
ピアニストを志し、ピアノしか無い人生を歩んで来た湊人(京本大我)は音大に進学し、さらにヨーロッパに留学し順調に歩みを進めていたが、留学先で挫折を味わい帰国。ピアノへの情熱を完全に失くしながらも卒業だけはするつもりで、半ば惰性で音大に通っていた。

ある日大学構内で神秘的なピアノの音色に導かれて旧校舎のとある教室を訪ねるとそこには見知らぬ女性(古川琴音)が。その場は何を話すでもなくそのまま去るが、後日再会し、2人は急速に親しくなって行く。雪乃というその女性と居るとピアノを弾く楽しさ、演奏への情熱が蘇って行く湊人だった。

しかし、湊人が雪乃を掛け替えの無い存在であるとを感じ始めた頃、突然彼女は湊人の前から姿を消してしまう。

【感想】
どこかで観たような、“使い古された感”は否めないものの、ファンタジーとしては悪くない筋書きだと思う。俺は嫌いではない。

が、それは観終わったときに全体を通しての感想。前半から中盤にかけて俺はかなりストレスを感じていた。冒頭湊人と雪乃が出会うところまでは良かった。ヒロイン古川琴音も魅力的に見えた。が、話が進むにつれ何気ない会話の台詞に不自然さを度々感じた。
「ここでそれは言わんだろう、普通」
を何度となく。 もう1つ、もっと不満に感じたのは雪乃のキャラ不安定さだ。最初に登場した時は、つかみどころのない不思議チャン的印象。 湊人は雪乃に振り回されちゃうんだろうなと予感。 個性的女性の役がハマる古川琴音なので、
「これ、いいかも」
と期待も高まった。ところが、2度目、3度目の登場では、
「あれ、普通の女の子じゃん」
そして、不思議チャンとごく普通の女の子の間を行ったり来たり、と感じた。ヒロインの魅力も急減速。

クライマックスを迎えて、全てが明かされると、
「だからなのか」
と多少、納得しかける。でもだよ、何が起きようが人間の性格は変わらないのだから、やはりキャラの一貫性は重要だろう。全体を通して観ると雪乃は最初からどこにでも居るごく普通の音大生であるべきだったと思う。そう見えなかったのは脚本・演出が拙いのか、古川琴音の役の解釈の問題なのか良く分からないが。

俺はこの2つが気になって物語に入り込むことができなかった。中盤まで☆2つだなと思いつつ少々イライラしがら観ていた。終盤の種明かしがちょっとステキだったので、☆1つ回復したが。

まあ、俺が気になったことをあまり気にせず観られれば結構楽しめるかも知れない。

泣き虫オヤジ