「あらかじめ失われた恋人たちを演じきった主役二人が素晴らしいです。」言えない秘密 あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
あらかじめ失われた恋人たちを演じきった主役二人が素晴らしいです。
絶対に結ばれることのない恋人たちの物語である。悲恋の映画では結ばれない理由として色々なものがあるが(例えば難病もの。この映画ではその要素もある)本作では時空が二人を全きに切り離す。ある意味結ばれない理由としては最強かもしれない。だからタイトルは「あらかじめ失われた恋人たち」とした。
そしてこの映画はピアノものでもある。(「のだめカンタービレ」や「羊と鋼の森」のような)ピアノものは普通、どこまでリアリティが出せるかによってクオリティに差が出る。演奏曲の選択や演奏技術など。この映画についてはそのあたりは相当にレベルが低いと言って良い。音大生の日常の描き方については噴飯ものというべきだし(ピアノバトル!)ショパンの曲以外は出てこないしピアノも寄せ集めである。(今日びスタインウェイのない音大などないし、音大生の自宅にアップライトピアノしかないというのも非現実)
ただこの映画がそれでも一定の説得性をもち、観るひとの感情を震わせることができるのはひとえに主役の二人のおかげである。京本大我も、古川琴音も肉体の力がある。ピアニストはまず、体力であり生々しいほど身体性が表に出る人種である。アーティストである京本はもちろんのこと、可愛らしい(というより個性的だと思うが)顔立ちの古川琴音も身体は意外と筋張って力強いのである。
二人が、京本の自宅のカフェでショパンのワルツを連弾する演奏シーンが本当に素晴らしい。もちろん吹き替えだとは思うが、実にしなり、弾む、若々しい演奏である。
この演奏シーンをはじめとして、主役の二人が、上手くはないかもしれないが、力強く、泥臭く、出ずっぱりで演じきり、この映画を支えておりちょっと感動した。
今晩は
ふむふむと、同感して読みました。
確かにピアノ演奏の選曲、良く癒えばみんな知ってるポピュラーな曲。
音大生のコンクールで、あんな難易度の曲は弾きませんね。
琴音さんの指は筋張っていて節が高くて、プロっぽい手でしたね。
吹き替えの人の手なのか、
本人が経験者なのか?迷うところでした。
音大生の事情に詳しいですね。
ピアノの聴き応えがあったのは、「蜂蜜と遠雷」でしたね。