「ホラー版水戸黄門 なのかな?」戦慄怪奇ワールド コワすぎ! 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
ホラー版水戸黄門 なのかな?
配信やDVDで一部好事家に大人気という「コワすぎ」の映画版を観に行きました。過去作品の中で最も面白いと評判らしい「 FILE-04真相!トイレの花⼦さん」を事前に予習した上での本作の鑑賞となりました。
2作品しか観てないので、もしかしたら他にも異なるパターンがあるのかも知れませんが、本作と「トイレの花子さん」を観ると、
①一般人が怨霊らしきものが映った映像を撮影する
②その映像を主人公の工藤の映画製作会社に持ち込む
③工藤たちが現地に行って怨霊の撮影をし、その映像を販売して巨万の富を稼ごうとする
④現地で怨霊に襲われる
⑤時空が歪んでタイムリープしたり瞬間移動したりする
⑥霊能力者などの力を借りて怨霊を退治する(ないし鎮める)
⑦エンディングでまたアクシデントが降りかかる
という流れが確立されているようでした。言ってみればホラー版の水戸黄門みたいなものでしょうか。この辺りのパターン性が人気の源泉なのかなと思ったりもしたところです。
また興味深かったのが、霊能力者が決まって不動明王の真言(「ノウマク サンマンダ バサラダン センダン マカロシャダヤ ソハタヤ ウンタラタ カンマン」)を唱えるということ。この辺のステレオタイプには、結構笑いがこみ上げて来てしまいました。
積極的に評価出来るところとしては、タイムリープや瞬間移動の場面のどんでん返しが、中々見事だったこと。低予算で製作されていると想像されるところですが、それを克服しようという職人的なカメラワークと編集作業には、大いに敬意を表すべきところと感じたところです。
あと、ホラーとしての主題とは全く関係ありませんが、工藤・市川コンビのコント的なやり取りは面白かった。工藤のセクハラ・パワハラに対して、市川がカウンターで制裁するというパターンは実に面白かったです。この辺りのコメディ要素も、人気の秘訣なのかも知れませんね。
最後にストーリーですが、正直「トイレの花子さん」の方が、出来栄えが上だったかなと感じました。特にオチの部分で登場した怪物は、蛇足だったように思えました。