劇場公開日 2023年10月13日

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月のレビュー・感想・評価

全227件中、121~140件目を表示

3.0脚本上で、原作のきーちゃんから洋子に主役をチェンジしたことは、余りうまくいっていません。物語は介護の闇と並ぶ形で洋子の葛藤がクローズアップされていくのでした。

2023年10月25日
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怖い

 長年の辺見庸ファンという石井裕也監督は、2016年の相模原障害者施設殺傷事件を描いた辺見庸の小説「月」の文庫本刊行時に、その文庫版あとがきを書き添えました。
 一方「月」の映画化を模索していた故・河村光庸プロデューサーがその文章を読んで、石井監督に話を持ちかけたのです。
 但し、オファーされたからといって軽く流せるような題材ではありません。石井監督も「覚悟を決めた」と取り組んだのがこの作品です。
 それなりの覚悟を持って撮ったんことでしょう。その思いは感じられる映画ですが、軽快に物語を進める石井監督らしくない、直球勝負の作品でした。
 もとより事件の映画化に物議はつきもの。その描き方に反発する向きも当然あることです。しかし本作が投げかける問いは根源的で、これは映画「ロストケア」同様に、見る側にも覚悟を問われる作品といえるでしょう。

■ストーリー
 深い森の奥にある重度障害者施設 「三日月園」に職を得た元小説家の堂島洋子(宮沢りえ)は、人形アニメを制作する夫の昌平(オダギリショー)とふたりで暮らしていました。おかずを分け合う姿だけで、陽だまりのように温かな関係性が伝わりますが、子どもの不在は夫婦に深い影を落としていたのです。
 職場では、小説家志望で同僚の陽子(二階堂ふみ)や絵の好きな青年・さとくん(磯村勇斗)らと働きながら施設の現実を知っていくのです。
 洋子は働き始めて早々、他の職員による入所者への心ない扱いや暴力を目の当たりにすします。洋子はそれを施設の園長に訴えますが、まったく聞き入れてもらえず、園内の虐待を見ぬふりをするばかりです。洋子は、自分ではどうすることもできずに無力感を募らせるのです。
 職務に熱心だったさとくんは、そのことについて、洋子以上に憤っていたのです。さとくんは正義感や使命感を徐々に増幅させていき、次第に″ムダなものないらない”という思想を育んでいくのです。そして、ついに狂気の行動に走ることになるのです。
彼らのために紙芝居を作って披露したりしている。

■解説
 肢体不自由で口もきけない入所者「きーちゃん」の独白として構成されていた小説を反転し、映画はきーちゃんと同じ生年月日の洋子を主役としました。虚空を見つめ、沈黙の世界で命を繋ぐ寝たきりの入居者きーちゃんは、特に気になる存在です。
 洋子は東日本大震災を題材とした小説で受賞したのですが、その後書けなくなっていました。障害を持った子どもを幼くして亡くし、新たに妊娠が分かっても産むかどうか葛藤するのです。
 夢を持って介護職に飛び込んだ主人公が、現実の悲惨な失態に打ちひしがれる展開は、いかにも石井流です。他にも、小説家志望の陽子は才能のなさを自覚して洋子に嫉妬し、「きれいごとだけ書いている」と毒のある批判を投げつけるのです。また洋子の夫昌平(オダギリショー)はひたすら楽天的だが、人形アニメ作家としては芽が出ません。さとくんにはろう者の恋人がいます。登場人物のそれぞれに厳しい現実と直面せざるを得ない失望感が描かれていきました。

 けれども本作は、施設での虐待の実態やさとくんの犯行も描写して事件を再現はしますが、その異様さを訴えるだけではありません。石井監督は「さとくんをいかに普通の青年にするか」を演じる磯村勇斗に求めました。だからさとくんの狂気は全く前面に出ていません。普通の好青年に見えてしまうくらいなのです。↓

 ただし1ヵ所、そんなさとくんがすごい顔をするシーンがあります。私たちの社会が施設の奥に封印したもの。その究極を目にした瞬間の時のことです。そこから、さとくんは変わっていったのです。きっと私たち観客もそのシーンを目撃すれば、さとくんと同じ顔になっていることでしょう。このシーンを見れば、さとくんをシンプルに憎悪することなどもはやできません!善と悪の二分法的発想を木っ端みじんにする極めて危険な作品だと思います。  ↓
 なので事件を「異常事態」「特殊事例」と片付けようとする常識、良識を問うているのです。「不都合なことは全部隠蔽」「なかったことにしたいんですよね」「無傷で手ぶらで、善の側に立とうとするのはずるい」……。セリフの一つ一つは、観客に向かって突き刺ささります。↓
 高みの見物を決め込んでいた私たちは、欺まんと葛藤の渦に引きずり込まれるのです。見たいものだけを見て、触れたいものだけに触れる現代社会への警鐘とアンチテーゼが充満している作品でした。↓

■感想~やはり石井裕也監督には向いていないジャンルの作品だ↓
 脚本上で、原作のきーちゃんから洋子に主役をチェンジしたことは、余りうまくいっていません。↓
 原作は、きーちゃんの一人語りで進められるのですが、全く話すことができないきーちゃんを、映画の主人公にするのは問題なことは理解できます。それで作品のストーリーテラーとして、洋子という原作にはないキャラクターを登場させたわけです。けれども洋子の本作における存在をなんとか理由づけようとしたため、洋子の抱える葛藤の部分のウェイトが高くなってしまい、後半は事件を通じた介護の闇に迫る本題と洋子の葛藤が並列して描かれてしまうことになったのです。
 本当は、このテーマであれば大量殺人を犯すことになるさとくんを軸に進めるべきところだとは思います。しかしさとくんは、余りに自らの正義感に浸り過ぎていて、人を殺すことに全く迷いもためらいも、葛藤も見せないのです。それをまんまに描いたら、『13日の金曜日』のようなシリアルキラーの作品になってしまったことでしょう。
 とすれば、事件の背後の闇に迫るためにも、映画「ロストケア」同様にさとくんの弁護人を登場させて、弁護人の視点から事件を描いていく展開もあり得たのではないでしょうか。
 ところで、洋子の葛藤は新たに妊娠した子どもを生むかどうかです。それは、再び障害を持つ子が生まれるのではないかとの恐れであり、中絶するかどうかの葛藤です。石井監督は洋子の抱える葛藤と洋子を知的障害者施設の職員にして重度障害者介護の現実を体験させることでリンクさせようとしたのではないかと思います。
 結局その思惑は実らず、物語はどんどん洋子の葛藤の落ち着く先へと進んでいくのです。本来社会的な問題として議論すべき問題描くはずだったのに、洋子と昌平の夫婦間の問題や洋子の再び障害を持つ子が生まれるのではないかとの恐れであり、中絶するかどうかの葛藤いう、いたって個人の判断や価値観に落とし込んでいく展開にはあれれ?と思いました。
 洋子の葛藤が、本来ならば施設やさとくんと私たちの橋渡しとなり、介護の現実に距離を置いてきたわたしたちを、いや応なく直面させることになったことでしょう。そこがうまくつながらないのは、やはり石井監督の脚本の限界なのでしょう。
 結論を言うなら、石井監督が脚本を担当するべきではなかったし、監督も前田哲監督だったら、もっと心に響くヒューマンドラマになっていたと思います。

■最後にひと言
 森羅万象には仏性が宿ります。きーちゃんのような限りない植物人間に近い重度の障害者にも、健常者と同じ仏性が宿り、帰天するときは五体満足な姿で天国に還るのです。
 介護の闇の背景にあるのは、月間手取り17万円しか貰えない低賃金と仏性が宿る人間がただの物に見えてしまう唯物論的な見方でしょう。けれども奇声を発し続ける障害者にも、全く無反応な寝たきりの重度障害者にも、完全無垢な仏性が宿っています。
 もちろん、そういう環境に飛び込んで介護の仕事に向き合った場合、どんなに信仰心の篤いひとでも、毎日尋常ではない環境で仕事をしていたら、さとくんのように気持がおかしくなりがちになってしまうことは否めません。
 だからこそ、そういう悲惨な現場に飲み込まれず、障害者の方々の仏性を礼拝し、穏やかな介護現場を作り出すような小説や映画の出現に期待したいです。
 最近では、アルツハイマー患者の希望を描いた映画『オレンジランプ』や2007年のフランス映画で、脳梗塞で倒れ、身体の自由を奪われてしまったELLEの元編集長ジャン=ドミニク・ボビーの奇跡の自伝ベストセラーを映画化した感動ドラマである映画『潜水服は蝶の夢を見る』という秀作も存在しています。
 障害者の魂と一体となり得たとき、どんな奇跡が起こりえるのか。そんなお話しに触れてみたいものです。

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流山の小地蔵

3.5心って?

2023年10月25日
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泣ける

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アプソ

2.0暗くて何が起きてるのかわかりにくい それも狙いか?

2023年10月25日
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障害者だった子どもを亡くしフリーターの夫と2人で暮らす元作家の堂島洋子は、重度障がい者施設で働きはじめた。そこで彼女は、作家志望の陽子や絵を描くのが好きなさとくんなどの職員や、光を遮断された部屋のベッドに横たわったまま動かない、きーちゃんなどの障害者たちと出会った。また、他の職員による入所者へのひどい扱いや暴力なども見た。自分で言葉も発することの出来ない障害者が生きさせられていることに疑問を持つさとくんは、使命感を増幅させていき、安楽死という言葉を口にするようになった。そして・・・という実際に起きた事件をもとにした話。

2016年7月26日に起きた相模原障害者施設殺傷事件を題材にしたストーリーらしいが、どこまでが事実でどこが脚色なのかわからないのは良いとして、なんか既視感ばかりでほとんど驚きも感動もなく観終わった。
もっとドキドキ、ハラハラするシーンが有るかと期待したが、7年前のこの事件がなかなか衝撃的で、ニュースでも多く取り上げられてたし、その時も安楽死について考えた事もあり、本作から新しい何かを得られた感じがしなかったのだろうと思う。
重度障害者の様子を映像で観る、という機会、特に糞尿を部屋に撒き散らし、自分の体にも塗りたくり、裸でオ○ニーしてる映像は、なるほど、これが現実なのだろう、とは思った。
あの糞尿シーンが理由で全体を暗くしてる演出なのか?とも思ったが、とにかく観難い。
宮沢りえ、オダギリジョー、磯村優斗、二階堂ふみ、など役者に不満は無いが、テーマであるはずの安楽死についての扱いも浅いし、自分には刺さらなかった。

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りあの

5.02回観ました

2023年10月25日
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一度では受け止めきれず、2回見ました。
25歳の娘が障害者であることもあり、
半分は当事者として、
でも問題に根本的に向き合えていないので半分第三者として映画を見ました。

思いがうまくまとまらず、
皆さんがどう感じたかの感想を知りたくてここに辿り着きました。

今も、「東へ西へ」の歌詞の「がんばれ」の意味が、180°真逆だったことに戦慄しています。私たちが問われていること。どちら側なのか紙一重だということ。象徴的だと思います。

皆さん書かれているように、セリフ一つ一つが自分に突きつけられているようで、本当にしんどい映画でしたが、それがこの作品の意図だと思うので、これからも都合の良い自分を感じながらしばらく生きたいと思います。

ある程度ディテールの話になりますが、
2時間に収めるため、視聴者に意図を伝えやすくするために、ある程度誇張された部分はあるだろうなと思いながら拝見していました。

例えば、昌平の同僚や、園の二人組の職員など。
ステレオタイプですが、ある意味「弱いものたちが夕暮れさらに弱いものを叩く」の構図なのかなと思ったり。

また、さとくんの彼女が聴覚障害で、
耳は聞こえなくても相手の気持ちがわかる人として描かれていました。
これは障害者を表現するときにとても重要なファクターで、原作の主題の一つでもあったと思うのですが、
ある機能が劣っているから他も全部できないのではなく、できないことがあるぶん、他が人より鋭敏である、という側面だと思っています。

さとくんの彼女は、さとくんの変化に気づいていた。だから出て行く時にあんなLINEを送った。
そんな鋭敏な彼女ですら、今夜決行すると気付けないくらい、さとくんは「普通」だった、ということを描きたかったのだと。

聞こえていたら止められたのに…。
当事者である彼女本人には、そう感じさせてしまう描き方ではあったかもしれませんが、
普段手話で会話するさとくんが、
あそこだけ言葉のみで宣言したのは、
さとくんが「劣っているところがある分優っているところがある」を理解しているからこその行動であり、とても示唆的だと感じました。

何が優って何が劣っているかをどう判断するのか?誰が判断できるのか?
聞こえているか、見えているか、感じているか、、、他人が判断できるのか?

そして聞こえないからこそ、見えないからこそ、話せないからこそ、内面がどんなに優っているかなんて、誰も判断できないのではないか?

でもそんなの綺麗事です。
私も毎日疲れています。
私が死んだら娘はどうなるんでしょう。
見たくないものに向き合わないと。

追記
原作読みました。必読です。
きいちゃんの内面を誰が判断できるんだ??

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にゃおこ

5.0役者達の覚悟、観る側も覚悟を。

2023年10月24日
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悲しい

難しい

宮沢りえも磯村勇斗(サトくん)も
オダギリジョーも二階堂ふみも
役に入り込んでいた!

サトくんも元々はまともな人で、
施設で働くうちに変わっていく様が
凄かった。

家族にも見放され、施設の人からも
虐待されている人を助けるのだという

サトくんなりの正義感からの犯行。

でも宮沢りえやオダギリジョーが
言うように

理解できない、と思うけど、

あの環境にいたらそこに至る気持ち
がちょっと分かると思ってしまった
自分もいて、、、、

でも殺める以外にやるべき事がある

と色々考えてなかなか答えは出ず、
どっと疲れたけど、

観て良かったです!

オダギリジョーが救いでした〜

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ほんのり

3.5ある施設の事件という事でなく

2023年10月24日
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ぷぷぷ

4.0向き合うということ

2023年10月24日
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北枕寝二

3.0しんどい

2023年10月24日
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みき

5.0月。照らし出されるもの。

2023年10月24日
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こちらのサービスで初めてレビュー機能を使います。

まだ鑑賞されていない方にとって参考となる有益なレビューが書けるかどうか確信もないまま。

ただ、ここまで書いてこなかった人間がこの映画については書かないままではどうにも消化しきれない思いが残ったのだなということが伝わるだけ、このレビューにも意味が生まれるのではと思い投稿させていただきます。

背景にあるだろうモチーフ、想起される事件があっての作品だろうことは知った上で選んだ映画ではありましたが、態度としては、見せていただいているものをなるべくそのまま鑑賞することに最後まで努めたつもりです。



ある人にとっては「考えないこと」「向き合わないこと」にしておかなければ、日々を前向きに歩けないようなことって、確かにあって。

でもまたある人にとってはその「考えようとさえしていない」「向き合おうとさえしていない」態度がどうにも合点がいかなくて。

その双方が時に自分のなかに同時に存在しながら、距離を取ることも許されず、衝突を起こすこと。

これも、確かにあって。

なぜ月を照らさなければいけないのかを、太陽は考えるのか。

太陽に照らされることで初めて照らすことができる月は、なぜ自力でそれをしようとしないのか考えるのか。

あるのかを問われる「心」は、そもそも、あるなしで表現できる対象なのか。

耳が聞こえずに言葉を話せない人間がするハグに込められた心はなにか。

言葉を話す人間が言い放つ、心ない言動にのせられた言葉に、心はあるのか。

この映画を通して事件を想像したり向き合うという表現は、当事者としての経験や実際を知ろうとしてこなかった私には(適切な言葉に至りませんが)あまりに傲慢な気がしています。

まずは映画が示したこと、制作に関わられた俳優の皆さんが表現してくれたことに向き合って、これからの私の日々にどんな変化が生まれてくるのか、内省を大切に生きていこうと思います。

私が、しっかり照らし出される作品であることは間違いないのではと感じました。

多くの方に鑑賞してもらいたい作品だと私は思いましたので⭐️5つ、つけさせていただきました。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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mamoxichie

3.5生きてても意味ないなんて大きなお世話 人を殺す権利は誰にもない

2023年10月23日
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幸せ

原作は2016年の夏に相模原市の知的障碍者施設で起こった大量殺人をモチーフにした辺見庸の小説で、それを石井裕也が映画にしたというのだから観るしかなかった。障碍者と老人の違いはあるが、3月に公開された「ロストケア」とテーマ的には近く、19人を刺殺した「さとくん」を見ながらずっと松山ケンイチを想起していた。要するに「安楽死」の問題なのだが、誰もが「なんで生きているのか」なんて分からないのに、ましてや他人様のことをとやかく言うなんて余計なお世話である。磯村勇斗は嫌いな役者ではないし、今回もどう演じてくれるのか楽しみにしていたが、まあちょっと相当残念だった。彼の力量不足なのかキャラクター設定が定まっていないというか彼自身が「さとくん」をつかみきれていないのであろう、唯一見ごたえのあった宮沢りえとの対決にしても、松山ケンイチと長澤まさみのバトルに遠く及ばない。ボクシングジムで鍛えたり刺青を入れたり金髪に染めたり気持ちは分かるのだがどれも小手先の演出にしか見えず、聾の彼女を抱いて「今日殺してくるよ」と告げるシーンはすごく美味しい場面なのに、ただフラットに演っているだけで真実味が無いのだ。ラスト近くの回転寿司屋でカタカタという音と寿司の皿が流れていくアップが続く場面がなぜか心に残って、やっぱり石井裕也はへんな監督だと最後に確認した。

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たあちゃん

4.0厳しい現実と向き合うことの過酷さ。

2023年10月23日
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りょんりょん

3.5みずからの内に潜む優性思想とどう向き合うか

2023年10月23日
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atsushi

4.0見て見ぬふりをすること

2023年10月23日
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あの事件を題材に石井裕也監督が映画化すると聞いて、本当にできるの?公開できるの?と危惧していたが、ミニシアターながらほぼ満員のお客さんの中で観ることができ、そのことだけで素直に良かった。
実際の障害者も出演しているようだし、ナチスや優生思想という言葉もはっきり使われていて、現在の日本映画ではタブーというか、忌避されてきた部分を真っ当に取り上げている。その点は、放送禁止用語が飛び交う「福田村事件」と同じ。
多分、石井裕也監督でなければ、観なかっただろう。この題材をゴリゴリの社会派作品に仕上げられたら、あまりに観るのが辛い。辺見庸の原作を換骨奪胎したようだが、石井監督ならではの軽みと希望が加えられている。ただ、これだけの題材を扱うにしては軽すぎる、という批判はあるだろう。そもそも現実の事件からまだ7年という生々しい時期に映画化するのはどうなのか、という思いが拭えないところはある。
俳優陣は、出演すること自体に悩んだだろうが、宮沢りえをはじめ、みな力は入っていた。磯村勇斗は、近頃の問題作の常連という感じ。特に良かったのが、オダギリジョー。ちょっと情けなく、危うい感じの役をやらせたら比類がない。
この作品の大きなテーマである「見て見ぬふりをすること」については、自分の考えがまとまらない。そのことを「嘘」だと言い切るのは違うと思うし、「だから自分が何とかする」というのは独りよがりになってしまうのでは、としか言えない。

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山の手ロック

4.0人間の尊厳の意味を問う傑作

2023年10月23日
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試写会で観た「愛にイナズマ」に続き石井裕也監督の作品が続く。対極にある2本だがともに傑作。

一昨年に相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件。入所者19人が殺害され、職員を含む27人が負傷した。

今作はこの事件をモチーフにした辺見庸さんの小説を映画化したもの。

介護に苦しむ人々を救わんとする映画「ロストケア」と類似のテーマ。

呼吸をしていれば、心臓が動いていれば人間として守られなくてはならない、それこそが人権であるという現在の考え方。

そのことによる歪みは余りにも大きい。

人間としての尊厳を守るためにも、新たな加害者を産まないためにも、システムを確立することが望まれる。

救いは宮沢りえさんとオダギリジョーさんの夫婦だった。

ラスト、りえさんの言葉に嗚咽をもらした。
「俺、生きててよかった」と心の中で叫んだ。

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エロくそチキン2

3.5苦しまずに逝ったなら良いのですが

2023年10月23日
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悲しい

怖い

高畑さんが演じていた様な親御さんは実際に居たんでしょう、それを思うと悲しくなります。 大きな事件でしたが、その事件の大きさに対して世間や被害者様の声が少なかったようにも思えた事件です。 厄介払いされた方も居たのでしょう、ただただ苦しまずに逝ってたなら良いと事件当時から思っていました。

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茶々の尻尾

3.5結論から言いますと凄い内容でした。 上映館少ないのも納得です。 一...

2023年10月22日
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結論から言いますと凄い内容でした。
上映館少ないのも納得です。

一言だけ、私の気持ちはズバリさとくん寄りです。

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コチョ

4.0🎵 月は流れて、東へ西へ 天狗舞よりも月桂冠「つき」

2023年10月22日
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悲しい

怖い

難しい

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カールⅢ世

4.0あくまでもこの何の知識も無く、この映画を観た前提として書かせてもら...

2023年10月22日
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あくまでもこの何の知識も無く、この映画を観た前提として書かせてもらう。だいぶ自分自身と向き合わせられた作品であった。かなり難しい問題なので、私的に答えは出せるはずもないテーマだったが、映画の演出のように自分に問われていることから逃げられない空間であり、作品であった。
正直面白いという作品ではないが、忘れられない作品になった事は間違いない。

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おれ

4.5共感

2023年10月22日
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この事件と、秋葉原の歩行者天国のヤツは、ちょっと間違えれば、なにか歯車が違ってたら、犯人は僕だったかもしれない!「僕の中の悪魔よどうか目覚めないでくれ」と強く願いました

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xAYM8Ip23Ra4eeg

3.0ほぼ実話

2023年10月22日
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感想を書くの難しい。
映画を見て考えさせられる…って部分は、事件当時十分考えたので今更感はあります。

やまゆり園事件をベースにしているのは前情報で知っていましたが、
犯人の名前や事件の日付、手紙、刺青、髪の色、、実話に沿い過ぎていて驚きでした。
ありなのか…?誤魔化さない事が誠意なのか…?考え方は人それぞれ、かなり意見が割れると思います。
磯村勇斗はよく役を受けたなぁ…

オダギリジョーの不甲斐ない夫、二階堂ふみと磯村勇斗の不気味な雰囲気…イメージが定着してしまってる感はありますが、ハマり役でした。

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khs69