「障がい施設当事者です。」月 maku1さんの映画レビュー(感想・評価)
障がい施設当事者です。
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十余年になります。である前にいち映画ファンです。まず思ったのは、「詰め込みすぎ」。重い題材が3つ。震災、出産前診断、そして今事件。さらにななめ上いく設定(映像作家の夫と昔名をはせた作家妻、&作家志望の施設職員、ろう者、宗教一家まで)。原作の本がそうなんでしょうが、前知識なしに見始めた時のフィクション感強めのバランスがまず気になった。ラストの「あなたが好きです」これで題材4、家族再生も加わり、焦点がぼやけてる印象。以上がマイナス点かな。
プラス点は犯人が変わりゆく様(多分リアリティがあるんでしょ?)や、彼との交流や妊娠を通して自問自答する主人公、そのロジック、自己矛盾。なにより知的障がい者の実演と厳しい現実、支援困難事例の描写、これは前代未聞で素晴らしいと思った。
以上、総評で星3という印象。バランス的にドキュメンタリー寄りの作品が見たかったが原作を抽出するとこうなったんだろうと推測する。
ちなみにこの事件を通して私が思ったのは、「1、みんな年老いて、生産性が無くなる(ほぼ)。その時植松被告は、自死を選べるのか。私はどうか。2、生産性があること、人、集団を是としているが、それ自体に意味はあるのか?人間社会の存在意義。」等かな。
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