劇場公開日 2023年10月13日

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「重厚」月 みみずさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0重厚

2023年12月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

映画はエンターテイメント。
観終えて暗くなりそうな映画は少なくとも劇場では観賞したくない。
この映画はその類いの映画のはずだが、予告編を観て興味が湧いた。
もうすぐ終わってしまいそうだったので、暗い気持ちになるのを覚悟で観賞。

意外に淡々とした気持ち、充足感すら感じながらエンドロールを眺めた。
批判を覚悟で言えば、さとくんに一定のシンパシーを感じた。
安全な場所にいてあれこれ正論めいたことばかりほざく輩にはうんざりだ。
私自身老境に入り、親の看護、介護や死を目の当たりにして、
生きることを考えれば考えるほどそのためには「死に様」が重要と感じる。
結果はともかく、さとくんのそこに至る過程には思料すべき点が多々あった。
宮沢りえの自問自答にもそれが端的に表現されていた。

但し、芸術性を求める上では仕方がないのかもしれないが、
障害者の描き方は親の介護を経た者としては観ていて辛い。
ここまで描かないとゲージツにはならないのだろうか。
また、3.11に福島にいた身としてはこれと結びつける必然性に疑問を感じた。

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みみず