劇場公開日 2023年10月13日

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「現代に「人間とはなにか?」を問うメッセージ映画」月 ronさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0現代に「人間とはなにか?」を問うメッセージ映画

2023年10月29日
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悲しい

怖い

難しい

相模原やまゆり事件をモチーフに描いている問題作と言う事で観に行った。この事件の詳細は知らなかったが映画を観た後に調べると映画の随所にそのまま使っているんだなぁと改めて事件に興味を持った。
さとくんの主張は一貫している。「意思疎通のできない、生産性のないモノは人間ではない、排除した方が世の中のため」。モデルとなってる植村聖も同じ主張をしていると思われるが後で実在の植村聖の方がより普通の青年だと感じた。パンフレットを読み「共感させないため」にわざとさとくんは闇があるように描いているのだと感じた。
私達は上記さとくんの問に答えなくてはならないが、主人公(宮沢りえ)も明確に答えられないまま映画は終わっている。つまり観客に答えを問うている映画なのだと思った。
特に日本は宗教もない経済資本主義なのでお金の稼げない者、生産性のない者は排除されるような価値観であるのはさとくんに限らず現代に生きる私、皆さんも感じているのではないだろうか。
私は映画を観ている中で「私達が昔、原始時代(経済発展がない)中では、障害者たちはどうような生活だったのか」と想像してみた。たぶん命の危険はあるが現代より自由であったのではないかと想像した。私は「本来、人間に生きる明確な意味はなく、生きているだけで良い」と思っているが、私たちは経済「お金」以外の価値観を見つけないとまた同じような事件は起こるのではないかと感じた作品だった。
最後に宮沢りえさんはじめ役者陣はみんな素晴らしく実力派が揃っていました。事件が起こるまでの時間は長く、人間ドラマが繰り広げられるが飽きさせず見応えもありました。役者陣の力だと感じた。

ron
xAYM8Ip23Ra4eegさんのコメント
2023年11月1日

[「お金」以外の価値観]これ本当に思います、お金の力が強すぎる…

xAYM8Ip23Ra4eeg