「バレエの美しさが光る」ダンサー イン Paris ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
バレエの美しさが光る
冒頭のタイトルバックに流れる音楽がやや不協和音っぽくて、悲劇の展開になるのではないかと心配していたが、映画が始まると、全体的にどことなくコメディっぽい展開で、きっとハッピーエンドになるのではないかと予想がつき、実際その通りであった。ただ、特に嫌味もなく素直に安心して観られた。よくあるモチーフのサクセスストーリーで、どんでん返しもないのだが、個人的にはこの種の映画は好きである。
クラシックバレエとは全く違うジャンルであるが、ダンサーとして再起ができ、希望を見出し、しかも新しい恋人もできたということで、めでたしめでたし、主人公の幸せそうな表情のエンディングではあった。
ただ、果たしてそうだっただろうか?
映画としては、このエンディングでもちろん良いのであるが、なぜか私は懐疑的になってしまった。このコンテンポラリーダンスは決して悪くはないが、個人的には絶賛するほどの感動までには至らなかった。このダンスを見て涙した父親には感動してしまったが。それに比べると、冒頭のクラシックバレエがあまりにも美しすぎたのである。実際にオペラ劇場に行ってバレエを見たとしても、最前列の1番高い席でもダンサーの顔や体はそれほど大きくは見られない。でも映画で見ると大迫力なのである。しかも演技が始まる前の舞台裏も見られたのである。この冒頭のバレエシーンだけでも、この映画を観る価値があると言える。
もし彼女の足が以前のように完全に回復したとしても、あの素晴らしいクラシックバレエに戻る気はなかったのだろうか?
完璧性を求めるクラシックバレエと独創性を求めるコンテンポラリーダンスの違いを楽しむのも面白い映画かもしれない。
主演の女優は、シャルロット・ゲンスブールとジェーン・バーキンを足して2で割ったような顔。コンテンポラリーダンスのコーチはエンゼルスで活躍した長谷川滋利に似ている。
こんばんは♪
たくさん共感ありがとうございます😊おっしゃることよくわかります。ケガの程度がクラシックバレリーナとして再起不能か否かの辺りが描写不足で、なぜ再度バレエに挑戦してみないのかと思いながら観ていました。脚本の都合では?どうしてもコンテンポラリーの方に引っ張りたいストーリー。
私は、バレエもコンテンポラリーにも感動しました。