「バレエのヒロインは悲劇」ダンサー イン Paris さわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
バレエのヒロインは悲劇
「ダンサーinパリ」鑑賞!バレエのドキュメント形式の映画は多くあるけどこれはパリオペラ座のダンサー演じるヒロインが、公演中に恋人の浮気を知り怪我をして踊れなくなり、知人を通じてアーティストが集まるレジデンスで料理の手伝いの仕事をしていたらコンテンポラリーダンスに出会い…という話。実際にパリオペラ座で活躍しているバルボーが主演を務め、コンテは実際のカンパニーの振付師やダンサーが本人役で出演しているという豪華な内容。
まぁ怪我をした傷心のヒロインが別のジャンルに活路を見出すというストーリーは王道ではあるけど、冒頭の15分のバヤデールの舞台シーンは恋人に裏切られた女性の心理とニキヤの感情がリンクして素晴らしいし、もうパリオペのダンサーは同じ人間とは思えないほど宝石のような美しさ!
パリのアパルトマンのバルコニーでストレッチしてるところから見渡すサクレクールなどのパリの街並みは言うまでもなく美しいけど、特筆すべきはアーティストの集まるレジデンスがあるブルターニュの海辺の風景と瀟洒な建物!!こんなとこなら合宿したいと思える映像ばかりでうっとり…
映画としての会話劇もすごくフランスらしいというか、ヒロインの友人カップルのバカップル振りとか、担当の療法士の恋人がヒロインの恋人とできてたと話した時の感情の壊れっぷりや、レジデンスのオーナーの女性、ヒロインのお父さんなど名優たちの光る演技やウイットに富んだ会話が素晴らしく、挫折を乗り越える話しなのにかなり大笑い(笑)
建物や風景は素敵だけど、コンテのカンパニーメンバーの稽古着がかなり思い思いで自由だったり、靴脱いだら靴下が擦り切れてたり、そういう細かい部分はとてもリアリティがあって映画好きとしてはとても評価できるポイントです!
しかし弁護士であるヒロイン父の「体を使う仕事はせいぜい35まで、別の人生をやり直さなくてはいけない、法学部に行けばよかった」のセリフはほんとにズーンときますね…
こういう映画を見るたびに書くことですが、バレエはあらゆる表現芸術の中でも最も現役が短いし、これはアスリートのセカンドキャリアにも通じる問題ですね。
二時間の中に恋や挫折、親子関係などたくさん考えさせられることが詰まっていて、でもやっぱり舞台って素晴らしいし才能のある人は踊り続けてほしいなと思いました。あと、怪我したらリハビリはちゃんとせねばですね…
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