劇場公開日 2024年3月15日

「これは「変な家」ではない。ミステリーでもない。」変な家 どんさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5これは「変な家」ではない。ミステリーでもない。

2024年4月16日
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鑑賞方法:映画館

まずよかった点から。
レイトショーで見たので、被害額が少なくて済んだことです。
そして悪かった点というか、感想です。
既にYoutubeで面白く映像化されているのに、なぜその構成をガラッと変えてしまうのでしょうね。
そのトンデモ設定は何のためですか?ホラー仕立てで、大きな音で、どこかで見たようなクライマックスでいいのですか?それ「変な家」に要りますか?と問いたい内容でした。
このお話はロジックで楽しませる、そして淡々とした進行の中でふと気づいて背筋が凍る、そんなアタマを使って観るミステリーだと思って鑑賞しましたが、途中からただのC級ホラーになり、勝手な世界観とご都合主義のドタバタですべてぶち壊しです。とにかく、後半はうるさくて落ち着いて見られない。ラストも仄めかして終わったつもりかもしれないですが、聞いただけでネタが分かる程度の安い内容でしかないです。
つまりこれは、Youtubeでバズったお話にのっかって看板を使い、要素をつまみ食いしただけの別作品ですね。別に「変な家」として公開する必要がない作品です。
しかも、パンフを見てみると「主人公のコンビが能動的に事件に巻き込まれないと物語が動いていかない」からこういう話にしたとか…原作へのリスペクトのなさに開いた口が塞がりません。
つまり、「こういう構成にしないと面白くできないので、手持ちのテンプレに落とし込みました」ということでしょうか…Youtubeの動画がなぜ支持されたのか、その本質を理解しているようには思えません。
とにかく、どういう解釈をしたらこうなるのか、この作品特有の面白さの部分がほぼ削ぎ落とされています。それでつまらなくなったものに無理やり抑揚を付けて有り体にまとめただけです。
つい最近、そういう勝手な理屈で作品を滅茶苦茶にして、リアルに悲惨な結末を迎えた事例があったばかりではないですか…楽しみにしていただけに、本当に残念です。
百歩譲ってオリジナルのマイナー国産ホラーなら「まーこんなもんか」でしょうが、これを「変な家」だと言われたならば、「それは違う」としか言えない。
それだけですね。

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どん