「原作通りを期待するのはNG……」変な家 みさんの映画レビュー(感想・評価)
原作通りを期待するのはNG……
ガッツリネタバレします。
恐らく私のように"原作の内容から発展した映画"を期待して見に行く方がいらっしゃると思いますが、残念ながらその期待は裏切られるかと。
実際、雨穴さんの動画で出てきた間取りのお話が出るのは冒頭10分から20分程度。その後はオリジナルストーリーって感じです。
まず、冒頭の間取りのお話ですが……
正直なことを言うと、原作の間取りの話はそのまま映画に出している訳ではなく、だいぶ肝心なところを変えてしまっており、もはや雨穴さんの作品をほぼ塗り替えてしまっている状態……
※原作では、あの謎の空間は一家ぐるみのサツ人に使われているのに対し、映画ではサツ人ではなく基地な実家から自分達の子どもを守るための避難場所…とかいう謎設定に変えられてます。
付け足されたオリジナルストーリーですが
一言で申し上げますと、冒頭の間取りのお話で感じられた込み上げる恐怖感を全てかっさらっていくようなホラー話でした。
なんというか、私は「物語が進んでいくうちに色々なことが分かってきて、その都度恐怖度が増していき、最後で一気にゾワッと…」というような展開を期待していましたが…
お化け屋敷のような音と演出でいかにも怖がらせに行ってますよ感が否めない展開になっているため、恐らく物語としてのゾクゾク・ゾワッと感が好きな方にとっては物足りないし、そもそも話もよく分からないしで何なんだろう……と思ってしまうような映画だなと感じてしまいました。
個人的に……
・左手首を捧げるための必要条件設定がガバガバな点
※本当は生まれてから1度も外に出していない・陽の光を浴びせていない10歳の息子が左手首を取らなきゃいけない?という設定だったのに、息子母方の祖母が左手首を取って捧げていたところや、母方の曽祖父が左手首を取って捧げてるなど…
・先程も少し書きましたが、そもそも原作通りの設定では無くなっている点
※原作では、子供が浴室に入っているサツ人対象を○すため・サツ人を完全に遂行させるためのルートとして存在していた謎の空間が
映画では、「息子に左手首を切り取る作業なんてやらせたくない…けどバレたら本家に何されるか…せめて息子だけは守りたい!!」と思った夫婦がいざと言う時に息子を守るためのシェルターとして作った空間とされているなど……
この2点は本当に最悪だなと感じました。
基本的に映画の料金は大人だと1500円から2500円位が相場だと思いますが、正直そのお金は書籍の方にあてた方が良いと思います。
見るならせめて原作を1ミリも見ずに見ていただけるとまだマシなのかもしれません。