ロスト・キング 500年越しの運命のレビュー・感想・評価
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至極の推し活
王の導きは"現実"に存在したのかもしれない
遺骨を発掘できた奇跡的な現実と、
個人より組織が手柄を独占する報われない現実が、
ない交ぜになっていてモヤモヤする進行だった。
でもノンフィクションだから仕方ないという諦めと同時に、つまり遺骨を発見した現実も真実なんだという納得感が良かったです。
現実のフィリッパさんは幻想を見たり話したりしていないでしょうが、それでも何かしらリチャード三世の導きを得て発掘に至ったんだろうなあとしみじみ感じました。
現代まで執念を残した王様が平凡な主婦と特別な繋がりを得て自分発見の手助けをしろと命じる…。なんかイマドキの転生物語みたいですね。
周囲から熱い協力を得てチームワークで…!みたいなノリはないのですが(ほんとリアル)、家族との温かな繋がりがほっこりして泣けました。
お母さん愛されているね…
おばちゃんも嬉しいよ…
わし他人だけど…
どこの世界にも成果横取り野郎はいる
500年にわたり行方不明だった英国王リチャード3世の遺骨発見の立役者となった女性の実話をもとにした作品。
フィリッパ・ラングレーは職場で上司から理不尽な評価を受けていた。ある日、息子の付き添いでシェイクスピア劇リチャード三世、を鑑賞した彼女は、悪名高きリチャード3世も実際は自分と同じように不当に扱われてきたのではないかと思い、書店にあった彼に関する本を全て購入し、彼の研究にのめり込んでいった。1485年に死亡したリチャード3世の遺骨は近くの川に投げ込まれたと考えられてきたが、フィリッパは彼の汚名をそそぐべく遺骨探しを開始した。そして・・・という話。
500年も前の遺骨発見、それもほんのちょっと駐車場を掘っただけで見つかったのが事実なら、相当運も良かったんだろうと思った。
フィリッパは職場で理不尽な人事を受けたが、シェークスピア劇を観たのをきっかけに、リチャード三世の遺骨を探そうとし、お金集めからがんばり、ついに遺骨を発見出来たら、レスター大学に成果を横取りされ、気の毒だなぁ、と思ったし、どこの世界にも横取り野郎はいる、と腹立たしかった。
それでも、ちゃんと見てる人はいて、女王から表彰されたりしたようだから、良かったと思う。
これ意外と最近の出来事で、2012年の事らしい。日本で1485年と言えば、本能寺の変から3年後。織田信長の遺骨が発見されたくらいの衝撃なのだろうか。
織田信長ほど特筆されるほどの人物ではないのかもしれないが、イングランド国王だし、川に投げ捨てられた訳じゃないということまでわかったのだとしたら、イギリス王室としてはものすごく重要な発見で、日本での織田信長以上だったのかもしれない。
こういう史実を知るきっかけとなった本作、知的好奇心からも興味深く面白かった。
変人扱いされてもぶれない強い信念を持つこと
元気でます
歴女の極み!
イギリス映画と実話系の物語って相性がいい。
今回も40代の主婦が、歴史上の人物、リチャード三世の扱いに疑問を持って、
川に捨てられたという言い伝えを否定し、文献を最初から洗いなおして遺骨の発見する。
普通の日本人の知識だと、
リチャード三世ってイギリスの王様だよね という程度の人が多いだろうから、
もうちょっとリチャード三世についての解説があったら良かったな。
500年前の出来事なんて、
専門家は必ずいて研究し尽くされているものだと思うものだけど、
市議会、大学を巻き込み、クラウドファンディングも活用!
凄い行動力です。
やっぱり見つけられたかったという(故人の)想いと、彼女の思い入れが導いたのかな。
歴女もこれに極まれり
ロマンですね~
汚名返上!?リチャードⅢ世
手柄の横取り
脊柱側彎症のリチャード3世白骨発見のニュース写真、うっすらと記憶があった。
これは映画化したくなる気持ち、わかる。
アマチュア歴史家の感情的直感的な発掘作業に懐疑的だった大学当局のわかりやすい変節、が白眉だったのだろうか。見終わってみて、、、。
一発屋に対する学者の嫉妬心みたいなものも、人としては頷ける。彼らの人生は継続的に学問に捧げられているものだから。
しかしながら、言うこと聞かない二人の息子の子育て、元夫との切れないしがらみ、持病などを抱えながらも人一倍仕事頑張る女性の方が運の神様に好かれたのだと思う。こだわるべきところには徹底してこだわり抜き主張できるか、諦めて楽な道を選ぶか、この分かれ道は誰の人生にも普遍的なものだと思う。大抵の人、少なくとも私は後者を選んできた。
ところで、主人公のファッションに注目して見た。公式の場にはほとんど招待されなかったので、終始きれい目色のニット、比較的ワイドパンツ、こなれたロング丈のトレンチコート、ちょっと関西チックな柄のリュック。大人の自由研究にふさわしい、英国カジュアルだ。
書を持って秋のお散歩に出たくなった。
ロマンスではないです
リチャード3世の汚名を返上し
イギリスの王墓に彼を埋葬させるパワーある女性の奮闘記
(・・・というと軽いか?)
実話です
シェイクスピアの劇を観た彼女に、リチャード3世の「幻」が出てくる所が面白い(劇の人の見た目の幻になります)
あまり喋らないですが中々の男前です
(ゲーム・オブ・スローンズの人だからしっくり来る)
まずはリチャードの遺体を探す所から始まり
発掘は実績も何もない彼女が王墓を発掘させる時が一番大変だった
大学の旧体質に辟易し、市議会に弁を振るうパワフルさ
離婚した夫や明るい子ども達が見守るのは救い
再婚すれば良いのにとは思った
手柄を横取りされたり色々ある彼女ですが
一番刺さったのは
「仕事は感情的にならない」これは刺さる
ロマンスではないので苦手な人にも観てもらいたいです
会えたわ…
職場で正しく評価されていないと感じている女性が、思う所あって悪評の多いリチャード3世の遺骨を探し、500年越しの真実を探る物語。
2012年に世界を驚かせたニュースを題材にした作品ですね。
私生活で燻るフィリッパがリチャード3世に思いを馳せるは良いが、その遺骨を探し出すと言い出すとは…辛いですがそりゃあ周りの反応はごもっとも。
そんな雲をつかむような目標に真っ直ぐ挑むフィリッパの姿にはアツくなるし、段々と協力してくれる人が増えるのもグッときますね。
匿名の2000ポンド…なんて粋なことを。
「R」の演出も心憎いですねぇ〜!
また、発掘された頭蓋骨、心なしかフィリッパにお礼を伝えているようにも見えました。
そして、大学のヒールっぷりも見事ですね。何とも憎々しい。
1人の女性が奮闘するヒューマンドラマでありながら、ファンタジックな要素に加えコメディでもあり、家族の物語も。思いの外目頭が熱くなるシーンも多かった。
長過ぎる時を経て新たな評価が生まれ…500年という時に思いを馳せながら、腐らずに自分も頑張って行こうと思わされた。本当に良い作品だった。
R(楽天じゃないよ)
信念を貫く主人公の姿に心揺さぶられる
歴史的大発見!
前評判一切無しで完全『ジャケ買い』ならぬ『ポス鑑(=ポスター鑑賞)』📽
あのポスターの少年は‥‥と思ったらまさかのサリー・ホーキンス‼️男の子だと思い込んでてごめんなさい🙏🙇♀️
シェイクスピアの題材としても有名で、稀代の悪党とされる『リチャード3世』。自分の中では吉田鋼太郎さんが演じてるイメージ(実際に観たことはないからわからないけど💦この間観た『カラマーゾフの兄弟』のイかれた親父でも良いw)そんな悪党が実はそんなに悪い奴ではないんぢゃないか〜という疑問から始まり、半ばリチャードに恋しちゃってるんぢゃないの??ってくらい執着しちゃった主婦がアマチュアながらにめちゃくちゃ調べて真実に突き進んでいく〜という夢とロマン溢れる実話😊
家族愛、歴史愛、愛国心とかさまざまな愛が垣間見え、ほっこりもする。でもそれより世の中に『正当に評価されない』ことは時代を超えて共通なんだなー、と考えさせられる作品。
リチャード3世が最後に放った「(フィリパが)わかってくれたならそれでいい」のやうな台詞。これこそが『王の威厳と貫禄』と感じちゃいました❤ ❤ ❤
フィリッパはとてもチャーミング
時空を超えた推し活に泣いた
学者でも著述家でもない一般庶民の女性が、イギリスでも屈指の暴君とみなされているリチャード三世の名誉回復と遺骨探しに奔走するお話。
旧Twitter、現Xで見たのか、別のSNSだったか…。「推し」との出合いは運命なんかじゃない。人生の分岐や、停滞期に心に刺さったものが「推し」になるのだ…という意見を読んだことがあります。主人公のフィリッパも、ものすごく不幸ではないけど、うまくいかない毎日です。そんなモヤモヤのさなかに、自分に似た境遇のリチャード三世を「発見」し、彼にかかわっていくこととなります。
映画は悪役がいないと盛り上がりません。だからおおげさに脚色したのか事実なのか。「だって、シェイクスピアが悪役として書いたんだもん。だから悪い奴のはずだもん」みたいなノリの歴史学者が出てきました。学者なのにそんな曖昧な根拠でセミナーやっていいの?それ以外にもフィリッパを一般庶民と侮る自治体職員や大学関係者がたくさんいて、この環境でよく心折れずに頑張れたなぁと感銘を受けました。
作中ではリチャード三世の幽霊なのか幻覚なのか判然としない存在が現れます。彼は劇中劇でリチャード三世を演じた役者の顔をしているので、どちらにもとれます。でも私は本当のリチャード三世の幽霊だと思いたいな。
いろいろあって、全てが彼女の希望通りになったわけではないのですが、最期のシーンのフィリッパはとても美しい笑顔でした。「たとえわずかでも理解者がいるなら、それでかまわない」という誇り高いメッセージのように感じました。日夜理不尽と戦っている、市井の人々をたたえる映画のような気がします。
不当な評価で実力を認めてもらえない人間たちへの賛歌
朝ドラ『らんまん』の、主人公・万太郎と田邊教授との確執時代を思い出して重ねて観てしまいました。
本作は、難病に苦しんでいることや、中年女性であること、権威ある大学を出ていないなどというレッテルで、他人から不当な評価をされ、侮辱され続ける主婦が主人公。
彼女が、シェイクスピアの戯曲で「王位を簒奪したヴィラン」というイメージが普及しているリチャード三世に共感し、彼の正当性を取り戻すためにその遺骨を見つけたいと奮闘する姿は、多くの「評価されない人間たち」にも感動と希望を与えるように思いました。
かくいう私も、(自分が評価される云々ではなく)他人を病歴や学歴などによって差別的な先入観で見ていないだろうか?と、ハッとさせられました。
それと、彼女自身にフォーカスされがちですが、彼女のことを支えた元夫の愛情の深さや、女性レスター市議会議員が「女が感情や直感を口にするとなめられる」とアドバイスをするシーンが、涙を誘うポイント。
また、レスター大学やレスター市の役人たちが、計画から発掘まで彼女のことをさんざん馬鹿にしていたくせに、遺骨が見つかったとたん偉業を横取りし、素人である彼女の存在を消そうとした行動が腹立たしい。
権威主義者や、お役人という人間がいかに姑息で醜悪なのかは、古今東西変わらないんだなぁ、とも。
実話ベースと言いながら、実際には14年くらいかかった発掘までの道のりを、2~3年で済ませたように見えるのはなんだったけど(2時間で収めるための演出だから仕方ないが)。
病気で苦しみながらも諦めないエネルギッシュな主人公を、サリー・ホーキンスが熱演していて、物語への没入感を一層高めていました。
かなりの良作なのでおすすめします。
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