「子供は、純真ではない」イノセンツ himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
子供は、純真ではない
北欧発サイコスリラー『イノセンツ』、子供が純真なんて、誰が言ったのだろう。そんな言葉が、聞こえてきそうな作品です。それは、ある意味真実です。あくまで、大人になる手前の存在なのだと。ただ、大人にならずに子供のままだと、それはそれで問題なんですが。
北欧発サイコスリラー
おおよそ、子供が純真だなんて、思わないほうがいい。
赤ちゃんのと時は、別として。
物心ついたあたりから、その本性を表す。
別に子供が、悪魔や怪物であるわけではない。
ただ、彼らは、自分一人では生きて行けないから。
大人にとって都合のいい人間を演じているに過ぎない。
では、その本性とは、ただ未熟な存在というだけなのですが。
未熟さゆえに、その嫉妬心、存在の不確かさから来る攻撃性。
そして、残酷さは特筆すべきものだ。
存在の不確かさの生む残虐性
この映画の大きなテーマ。
子供は、自分の存在が、わからない。
それを確かめるために、他者を傷つけることを平気で、することができる。
それは、弱者に対しであったり、昆虫であったり。
ただ、これが、小動物にまでゆくと、事態は深刻だ。
他者の痛みとはどんなものなのか。
痛みそのもののを、よく理解できていないのでは。
何かを傷つけるというところに、性的サディズムが、加わると。
それが、修正されないままでいると、モンスターが、生まれる。
感受性が強く、特異な力を持つ存在、、、
子供を表現すると、こうとも言えるかもしれない。
全部が、全部そうだとは言えないが。
未熟であるがゆえに、そこに特異な能力が、あるとも言えるのでは。
そんな子供のサイキックな一面を、この映画は、デフォルメさせてみせた。
未熟である存在の子供が、その未熟さを修正されないまま大人になったときは。
そんな、人間の引き起こす事件を、現代人は、嫌というほど見てきているはずだ。
人間とは、じつにわからない存在だ。