「舞台劇のようなポアロ」名探偵ポアロ ベネチアの亡霊 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
舞台劇のようなポアロ
ケネス・ブラナー版ポアロをちゃんと観るのはこれが初。基本的に1話完結型だろうから前作との関連性は薄いだろうと踏まえての事。元々原作未読でテレビドラマ版も観ていないので、ポアロの人物描写や人間関係などの知識ゼロ状態で視聴。
どうやら原作とは舞台や人物設定が変わり、映画版前二作と比較してオカルト要素が高くなっているらしいが、推理物の定番といえる密室型ミステリーとなっている。まるで舞台劇のように登場人物達が代わる代わる喋りまくるのは、やっぱり舞台畑のブラナーの演出だからだろう。
正直言って謎解きへの興味はあんまり沸かず、とにかく会話や世界観を堪能した感じ。それってミステリーの楽しみ方としてどうなんだと言われたら返す言葉がないが、ブラナー演じるポアロのキャラ立ちは嫌いじゃない。
脇を固めるキャストで知っているのはミシェル・ヨーぐらいしかいないな…と思ったらティナ・フェイが出ていた。日本ではあんまり馴染みがないだろうけど、クリスティン・ウィグ(この人も馴染みがないか…)とかと並ぶコメディエンヌで、なかなかオイシイ役どころだった。
にしても9月に劇場公開されたのに、10/31にもうディズニープラスで配信って早すぎないか。タイトルに前二作にはなかった「名探偵ポアロ」が付いている点で、興収面に不安があるシリーズというのは察しが付くが、こんなに公開から配信間隔が短いペースが増えると劇場に足を伸ばす人が減ってしまいそう。まあ、かく言う自分も配信が初見だったので説得力ないけど…
コメントする