「ミステリーとホラーを同時に楽しめる」名探偵ポアロ ベネチアの亡霊 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリーとホラーを同時に楽しめる
ケネス・ブラナー主演のシリーズ第3弾。前2作とはちょっと雰囲気が異なり、ホラー要素強めの作品でしたが、ミステリーとホラーをダブルで味わえて大満足です。
ストーリーは、友人の作家・オリヴァの依頼で、ドレイク夫人の屋敷で開かれる降霊会に参加したポアロが、霊能力者・レイノルズが見せる降霊術、館内で起きる超常現象や殺人事件の謎に挑み、この屋敷で起きた過去の事件の真相も明らかにしていくというもの。
序盤から多数の人物が登場し、いきなり置いていかれるかと思いましたが、会話の内容でうまく人物相関を整理してくれていたので、意外についていけました。そして、この屋敷で過去に起きた事件のあらましが語られ、主要人物が出揃ったところで、降霊会が開かれ、ポアロの推理によってレイノルズのトリックは暴かれます。こうして舞台設定が整ったところで、レイノルズが不審な死を遂げ、いよいよ事件開幕です。序盤のテンポのよさ、おどろおどろしい雰囲気のおかげで、一気に作品世界に引き込まれます。
その後も、薄暗い絵づくりとジャンプスケアによるホラーテイスト全開の展開で、徹底した論理思考のポアロが心理的に徐々に追い詰められていくような描写が、なかなかおもしろかったです。もちろん、そこには明確な理由があるのですが、ネタバレになるので語れません。
そして、いよいよポアロの聴取が始まり、その一言一言が手がかりとなり、事件の真相が明らかにされます。終わってみれば、冒頭から全てが伏線!そしてラストで全てを回収!毎度のことながら、ポアロの名推理には震えます。それを実感させる映像もすばらしかったです。
原作未読のため、どこまでが原作どおりで、どのあたりがアレンジなのかわかりません。キーアイテムの植物とフェリエの死にはご都合主義を感じたものの、脚本としては破綻なくまとまっていたと思います。
今回は上映時間の都合でIMAXで鑑賞したのですが、おかげでベネチアの街並みをしっかり堪能できましたし、音響効果による没入感も得られました。推理ショーを楽しむだけなら、配信を待ってもいいですが、ベネチアの風情とホラーテイストを味わいたいなら劇場鑑賞をお勧めします。
主演はケネス・ブラナーで、すっかりポアロが板についたような安定感があります。脇を固めるのは、ミシェル・ヨー、ティナ・フェイ、カミーユ・コッタン、ケリー・ライリー、カイル・アレン、ジュード・ヒルら。前2作に比べて、大物俳優が減った印象なのは残念です。
おじゃるさん
共感&返信コメントをありがとうございます。
イタリアの旅・・憧れです。
イギリス(ロンドン)には行きましたよ。
(^^ゞ ロンドンといえば、シャーロック・ホームズですが(笑)
おじゃるさん
本日鑑賞できました(≧▽≦)
ミステリー&ホラー仕立てでしたね。
>論理思考のポアロが心理的に徐々に追い詰められていく
同感です。
余談ですが
ベネチア ゴンドラに乗ってみたいです。(^^ゞ
ステキなレビューをありがとうございます。