「アジュール」バジーノイズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
アジュール
ドン引きしないで下さい。
DTM=デスクトップミュージックって何ぞや…?
一人でパソコンで楽曲製作をする事らしい。
あ~、それなら知ってる。
今やデジタルを駆使すれば何でも出来ちゃう時代。映画だって作れちゃう。
そんなDTMを題材にした同名コミックの映画化。
アパートの管理人をしながら、パソコンで楽曲製作に没頭する青年・清澄。
頭の中で溢れる音楽は無限だが、人付き合いが苦手。誰に聞かせる事なく、孤独な日々を送っていた。
ある時上の階に住む女性・潮が声を掛けてくる。失恋したばかりの潮は夜な夜な清澄が奏でる音楽に密かに癒されていた。
潮が清澄の楽曲を動画でSNS上にアップ。それが予想以上の反響を呼び、孤独だった清澄の音楽と人生が大きく動く事に…。
もっと恋愛色が強いのかと思ったら、清澄と彼に関わる者たちの青春群像劇。
清澄の音楽がきっかけで潮との出会い。
良くも悪くも潮の大胆な行動力が扉を開いた。
清澄の音楽に惹かれた新人ミュージシャンをプロデュースする航太郎。
かつて清澄とバンドを組んでいた陸。
陸と再び“アジュール”というバンドを組む。
潮が好きな色。皆青臭いけど、海のように青々しい。
青い物語(アジュール・ストーリー)。
話はありふれているが、楽曲の数々は魅力的で、TVドラマ『silent』が評判を呼んだ風間太樹の演出も瑞々しく。
訳あってバンドを解散した清澄と陸。
再び陸と組んだバンド活動に満ち足りたものを感じ始める。
今は一緒に音楽をやりたい。無表情だった清澄の顔に明るさが…。
突然、潮が姿を消す。
ショックを隠し切れない清澄。彼女の存在が原動力にもなっていた。
著名な音楽プロデューサーに見出だされる。
その下でミュージシャンに提供する楽曲を作る事になるのだが…。
メジャーレーベルやプロデューサーからの誘いは本来なら嬉しいもの。プロへの第一歩。
しかし、それは本当にやりたかった事か…?
確かに好きな楽曲作りに専念出来る。
が、ハードスケジュールで、自分色の音楽が作れない。一人製作部屋に閉じ籠り、以前と同じ。
清澄と彼の音楽が失われていく。
陸と航太郎は潮を探し出す。3人で清澄の音楽を取り戻そうと…。
あの海辺で君の為に奏でた音楽を…。
川西拓実は繊細な演技を披露するが、ほとんど無表情無感情でちと共感しづらく。
それを補って余るくらい、桜田ひよりの魅力超爆発!!
自由奔放で不思議ちゃんな所もあり。彼女のせいでアパートを追い出されたり、思ってもみなかった人生になったり、振り回されもするんだけど、それも本望。
あの海辺での微笑み、魅力、ナチュラルさ、キュートさ、ホットパンツ姿。
桜田ひより史上最強レベル!