「メッセージ」バジーノイズ R41さんの映画レビュー(感想・評価)
メッセージ
なるほど、漫画の実写化ですか~
他人という言葉
主人公が集める自然の音
「頭の中の音を形にできればそれでいい」
他人と関わりたくないから
しばらく前からあるこの現象は、今ではごく普通のことになっているのだろうか?
アーティストたちの思いや希望や夢など、タスク管理会社にとっては「いまだけ」の利益でしかない。
利益が出なくなればポイ。
派遣
それが当たり前になってしまった現状
使える間は鬱になるまで働かせる。
プログラマーなどがいい例だろう。
それが、アーティスト界でも当たり前になっている。
DTM Amazon スマホ
音楽さえ一人で完結する現代
遮断してしまう個人的理由
それでも十分やっていける。
この作品の中には主人公の根本的な人嫌いについては触れられていない。
そこに触れないのが今のマナーだろうか?
さて、
このタイトルの付け方が面白い。
バジー 訳せば「ブンブン」だろうか?
蜂の音
その音をノイズに例えたのは、結局1匹ではノイズで終わるという意味があるのかもしれない。
組織 群れ 1匹蜂などいない
冒頭、潮がフライパンで窓ガラスを破壊するシーン
あまりにも強烈で、ありえなくて、仕事さえ吹っ飛んでしまった。
それが伏線になっていた。
心に作った壁 閉じこもった世界 自分だけで完結したい思い
潮の行為から始まった清澄の新しい世界
ライブの感動と、自分の役割の終焉
「うちの気持ちは誰にも解らん」
そう言ってひねくれた潮にリクは「お前も清澄の気持ちはわからんだろう?」と尋ねる。
Azurのアルバム 清澄のボーカル そして歌詞
初めて知る清澄の気持ち 自分のメンヘラに辟易する潮
清澄の音源に忍び込んでいた潮のダンス
3人で待つ信号 誰もどこに向かっているのかわからない まさに人生
本当の気持ち 本心でいいと思うなら邪魔しない
本当の気持ちこそ人生で最も選択すべきこと
人生において「自分の気分が良いこと」より大切なことは何もない。
この普遍的な発見がこの作品の下地になっている。
だからあえてこの物語に恋愛を差し込まなかったのかもしれない。
あくまで焦点は、清澄にとって「自分の気分が良いこと」だったのだろう。
そこにブレがなく、よかった。
何がいいのか?
何が自分にとって正しいことなのか?
結局それは、他人との比較や言葉、そしてトライ&エラーでしかわからない。
思い込みで閉じこもることは、結局自分を知らないままで終えること。
この気づきこそこの作品の最大のメッセージだと思った。
しばらく見るのを躊躇っていたが見てよかった。
中々素晴らしかった。