「いつの時代の話なんだ」バジーノイズ Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
いつの時代の話なんだ
夜中の三時にチャイムを押されてる時点で「この女と関わったらヤバい」なんだけど、主人公は関わっていくね。
窓ガラスまで割られて。これ閉じ込められていた主人公を強引に引きずり出してくれるっていう比喩なんだろうな。
そこからの話に全くのれないんだけど、これ、音楽を実際に聞かさないといけないっていうハードルが高すぎるんだよね。
主人公は楽曲を公表したら「みんな放っておかないでしょ、これ」と言われるぐらい天才性が高いんだけど、そんな楽曲さ、YOASOBIの《アイドル》レベルのを出してこないと納得感ないんだよ。
それでYOASOBIの《アイドル》レベル出せるんなら、映画なんて作ってないで、その曲で商売したほうがいいっていう難しさね。
さらにね、音楽だけじゃ厳しいから、登場人物たちが「この音楽はすげえ!」って演技をしなきゃいけないのね。この演技がたぶん相当むずかしい。なのでみんな目を閉じてうなづいて「これだ」感出すことにしてるんだけど、なんか音楽分からない人が、とにかく反応はしないといけないから、してみましたみたいになってるんだよね。
そして主人公の才能はビジネスに消費されって、いつの話なんだこれ。
なんか昭和から散々やってるよね、この話。
しかし令和のいまはサブスクがあるから、ビジネスに消費される必要はないのだ。分かっているなら最初からやれ。
ということで、話にのりきれなかったけど、実際に音楽を聞かさなくていいマンガなら「なるほど、そこまですごい才能が、色んなことを引き起こすのか」と楽しく読めそうな感じはしたな。
今の時代、しかも素人のSNSでバズるなんて相当フックが強くないとリアリティないですよね。
せめてメジャーバンドのメンバーである陸が加入してからにすればよかったのに。
『アイドル』ですら、業界の流れやアニメとの親和性という背景が影響してた部分も大きいですし。