「窓ガラス」バジーノイズ カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
窓ガラス
原作未読
ヒロインの名前が素敵だと思ったというその1点のみで鑑賞。
主人公の子がJO1という事で若い女性客が多い中にポツンとおじさんが1人という感じでちょい恥。
清澄、潮、航太郎、岬、沖、AZURなど陸以外wは「海」や「青っぽさ」を想起させる名前が多いが、内容も青臭さ満載の音楽を介した愛と友情の青春ストーリー。
主人公はデスクトップミュージックを趣味とする青年でかつてバンドを組んでいたが、人前で自分の楽曲を披露するのが怖くなり逃げ出した過去があることからか、それ以降バンドを組まないだけでなく団地の管理人やビルの清掃など日常生活までも人と関わる事を避けるという極端に孤独な生活を送っているのだが、そこまでするにはあまりにも説得力が欠ける。
またヒロインの子の関西弁が気になって仕方がなく、わざわざ不自然な関西弁を喋らすのならいっそのこと関西出身という設定はオミットすれば良いのにと思った。
少なくとも本作を観る限り2人が関西出身という設定はどこにも必要がなかったので。
大好きな俳優奥野瑛太さんが出ており嬉しかった。
チャンスはあったがブレイクしきれず尻すぼみ状態のバンドのリーダーのやさぐれ、あきらめ、責任感、惰性などの感情をこれしかないと思われる様なアプローチで表現され本作中で一番痺れたポイント。(歌とタバコは必須ツール!)
まさかの円井わんさんのドラマー役だが、何故かそれっぽさがあってハマってた様に思う。
テイ龍進さんは大物プロデューサー感、アーティスト感があってベストな配役。
大人として、ショービジネスに生きる者として理想を押し通そうとする若者たちに対し、現実的で対極に位置する本作中唯一の「大人」(≒悪役)としての役割をちゃんと全うされ、いぶし銀の格好良さだった。