ザ・クリエイター 創造者のレビュー・感想・評価
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メッセージ強いヒューマニティドラマ
これまでのAI反乱映画とはかなり設定が違っていて、ある意味新鮮だったし、DUNEみたいな王道SFのワクワク感はなく、SFの装いをしつつのヒューマニティドラマだった。
以下ネタバレ含むと
これまでAI反乱映画はあくまでも人間が正義でAIが悪だったのだが、この映画ではAI及びAIとの共存を図ろうとするアジアが正義で、AIを排斥しようとするアメリカを中心とする欧米社会が悪という設定。しかも、あたかもアメリカはスターウーズでいうところの帝国であり、開発した最終兵器ノマドはまるでデススターのよう。これって「ローグワン」監督をあえてこの作品に抜擢した所以なんだろうか
これほどアメリカを「悪の帝国」とする設定が巨額を費やしてハリウッドで製作されたってことに少し衝撃を受けた。これってSFを装ったベトナム戦争への反戦映画やんか
いずれにしても、メッセージはAIと共存する社会を作っていこうと、さらには宗教や人種の枠も越えて共存しようよ、ってことなんでしょ
それにしてもアルフィー君の最後のシーンの笑みが気になったんだけど、これは続編への伏線なんだろうか?
AIの出来が良すぎて人間にしか見えない
飲み食いや睡眠までとってしまうほどのリアルさ。
そんな技術がありながら、大事な役割を担うものは目立つ子供として作ってしまう。
んー、なんだかなぁ。
AI側の視点で描くという発想は良いのに、ちょっと残念。
画像は綺麗でした
予備知識なしで堀越麗禾ちゃん
目当てで吹替、4DXを見たので
風、雨、動き、煙付きだったので
それだけでも、それなりに楽しめましたが
ストーリー的にはこうなるだろうな
通りに進んでいきましたね
ただ、今のディズニーですから
黒人主人公、妻はアジア人、虐殺されるのも
アジア人、命令するのは白人なんかな、、
アメリカ兵がきた、アメリカ兵か?
何故、言わせるのかな
なんだかなぁ、、
A.I.が核兵器で100万人虐殺したで
始まりながら、途中、A.I.に
「我々はそんな事は出来ない、あれは人間のミス」
とさらっと流してます
それじゃあ、アメリカ軍は自分たちのミスを
隠蔽するために大量破壊兵器を作り
他国で暴力行為をしてる、、になりますが
でも、流石に映像はキレイ
ちょくちょく出てくる日本のテレビ画像
テロと呼ばれる基地の柱に核の文字
不思議な映画ですが
A.I.はどこまでも優しく
人間は当たり前のように軍事攻撃できて
人の記憶の奪取、クローンなどに倫理を
感じない恐ろしい存在に感じました
早くに母を亡くした麗禾ちゃんに
あの役をさせるのは見てて辛いけど
見事にこなしてました
主人公は、救われたと思いたい
ジ・アルフィー
通常スクリーンで鑑賞(字幕)。
使い古された感のあるAIと人間の戦争という題材を通し、アメリカ的な理屈によって引き起こされて来た戦争を批判。
殲滅戦はどんな理由であろうと悲惨過ぎる所業です。本作がアメリカでつくられたことが純粋にすごいなと思いました。
戦争の行方を左右する要素が家族愛・親子愛に収斂していく展開、こう云うのに私はすこぶる弱い。否応無しにグッと来てしまいます。心揺さぶられるんです。アルフィーが脱出するシーン、まるでジョシュアとマヤから生まれたみたいに感じました。アルフィーはこれからどう生きていくんだろう。
名作へのオマージュも素晴らしかったです。「ブレードランナー」「ターミネーター」「攻殻機動隊」などを想起させる世界観に、東南アジアの風景が見事に調和していて新鮮でした。
個人的なギャレス・エドワーズ監督の最高傑作は「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」でしたが、そのさらに上を行く完成度の本作が見事に塗り替えてくれました。
_φ(・_・あのラストシーンが撮りたかったんでしょうね、、、。
あのラストシーンを撮りたかったんでしょうね。崩れ落ちる世界で愛し合う2人、、、。
ガラス越しで触れることもできない親子の別れ。そこにたどり着くまでがどうもまどろっこしくわかりづらい。子供の隠された力もどうもよく分からず。
世界感はブレードランナーと比較してしまうんだけど、どうもあの重苦しさを感じられず。それとアニマトリックスの影響も受けているのかなぁ。ラストシーンは昔の宇多田ヒカルのPVを連想してしまった。なんだか影響受けてるんじゃないのかなぁ?結構そっくりなんだが。
ちょっと期待外れだった。
創造者の真意は分からず・・。見所はお金がかかった映像だけ?
映像はそこそこの見所だが、本筋の真意が伝わらない・・。
その映像や造形物も、「ブレード・ランナー」(1982年)や「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」(1995年)からヒント・影響を得ているなと思われる物も多々・・。
壮大なタイトルだが、作品ではエリア的にはかなり狭い範囲での戦闘で進行する。
そしてその創造者の本意も自分的にハッキリ伝わらず、前半は「ローグ・ワン」と同じように捜索・追跡劇にしか見えず、かなり退屈に感じた。
尚、ギャレス・エドワーズ作品は「GODZILLA ゴジラ」(2014年)以降から本作まで4作全て見てるが、全て期待値以下。
まず、"ニルマータ"と呼ばれる、ザ・クリエイター=創造者が、結局人間であり、あらゆる機械を制御出来る、AI少女アルフィーを創造するのだが、それの一番の目的がハッキリ伝わらない。 暴走するAIを阻止したかったのか、あるいは身勝手で強欲な人間をに愛想尽き、そういった人類側を消滅させたかったのか。
結局、米飛行基地である、ノマドとその乗員を消滅させただけ、という中途半端な結末で、その後の人類とAIの関係がどうなるか等の、暗示もない。
ほぼ人間と変わらぬ表情が出来、泣くことも出来るアンドロイドが、真横から見ると筒状の大きな穴が空いている造形も私的には?で、ロボットである事を公表して、さらにその部分は外部衝撃に弱くなるはず・・。
それに、寝てる間に簡単に電源OFFにされてしまう仕様なんてあり得ない。
そもそもAIが人類に反撃したいなら、核爆弾など使わず、あやゆる電化機器やメカを制止するだけで、現在の人間社会は壊滅的な被害を被るはず。
造形物も既視感のある物が多く、振動する山からなにが出てくるのかと期待したシーンは、ほぼ乗り物の様な戦車で、まだスターウォーズの方が、ユニークな造形物が多かった。 車輪の方が前に出た車はブレードランナーまんまだし、後頭部からデータを抜き取るシーンも攻殻機動隊のまんま。(攻殻はプラグだったが)
だから、映像的にも思わず声が出そうになる様なシーンはほぼなかった。
唯一感情移入したのは、ほぼドラム缶に手足が付いたような、自爆ロボが
「今までご一緒でき光栄でした」的な言葉を上官に残し、敵に突っ込んでいくシーン。 機械なのだが、刹那を感じた。
そして多くの方が目を潤ませたであろう、アルフィーとジョシュアの最後。 私も目が潤んだが、子供にあの表情であんな台詞を言わせれば、シンパシーを感じて当然・・。 だがそれが機械なのだから、これでいいのか・・。
そうそうもうひとついいところが♪
挿入曲に DeepPurple 超名曲「Child In Time」が聞こえた時はROCKファンとしては嬉しくなった♪
youtubeで、Deep Purple - Child In Time - Live (1970)で検索すればスゴイライブ映像がみれます♪
主役デビッド・ワシントンも「テネット」のレビューにも記載したが、光っている物が見いだせない。 本作では髪の毛が当初、茶色のややアフロ風から、黒髪になっているのに、マヤに再会シーンではまたアフロ風に戻っているのも意味不明・・。
まあ金が掛かっているシーンがほとんどなので、多少の見応えは感じたが、もし物語はそのままで、低予算で渡辺謙などの出演がなければ、★平均は3前後の凡作になっていたのでは・・・と感じる。
やや期待していたので、ほぼ批判レビューになってしまった。
まあ今後はエドワーズ作品は、ハードルを下げて見る事に・・。
今の時代の内容では無い
正直ガッカリが強め。
今、AIという分野が伸びている中で、宣伝的にもAIを大々的に取り上げている。
が、内容は昔ながらのロボット反逆もの。
ただ違うというところは、人間側に問題があるところか。
新しさは正直無いんだよね。
内容的にも大雑把で、キャラの掘り下げがあまり無い。
AI側も、人間側も魅力的なキャラがいなくて。
終わり方もふんわり終わる。
展開的に、共存しよう!みたいな感じになるかと思いきや、人間側も兵器が壊されただけで、考え方が変わるとか、そんな描写もなく。スッキリしないんだよなー
見所があまり無く、ここまで響かない映画は久しぶりでした。
人間側の女隊長?が唯一面白い立ち回りしてたんだけど、あの終わり方は無くね?w
Dream On
壮大なSFが観れるなーと新作多めの今週でもかなり期待していた1本でした。AIとのバトルはもうマストだなってくらい染み付いてるのはそれほど生活に浸透しているだなと改めて実感しました。
期待していたものとは少し遠く、ローグ・ワンの影響もしっかり作品に出ていてどこかスター・ウォーズ味があり既視感満載。映像のクオリティは最高でしたが、作品としての意外性はあまり感じられませんでした。
ストーリーが壮大そうで薄っぺらいのが惜しいなと思いました。世界観の設定を序盤中盤とササっと説明してくれるので、物語自体は飲み込みやすいんですが、主人公の動機が基本的に奥さんを取り戻す、奥さんへの愛というものばかりなので人間らしさを強めるには十分なんですが、そればっかりなので後半はもういいよとなってしまいました。
アメリカvsニャーアジアという構図でずっと進められるので、差別をしてきた時代を反映しながらの戦闘描写になりますが期待していたほど戦闘シーンが無いので、基本的に逃亡や爆発といった1シーン1シーンデカいものを挟んで閑話休題といった感じばかりなのも冗長に感じてしまいました。
AIを使う場面が色々とズレている気がしなくもないので、監視カメラでの捜索だったり警備の杜撰さだったりとそこにAI投入しないんだとムズムズさせられるシーンがいくつかありました。
監督ならではのAIとの共存を描きたかったと思うので、そのオリジナル性を否定してはダメだと思うんですが、やはりそこはどうも拭えず…。
終盤のミッションを成功させるために突き進む行動力の塊のような突撃っぷりには舌鼓を打ちましたが、自己犠牲で終わってしまうのはどうにも勿体無い気がしました。明るいラストだったのは意外でしたが、この手の作品の主人公の自己犠牲が多いのはなんででしょう。
アジアならではの風景や田園都市の様子、THE・近未来なビジュアルは本当に素晴らしかったです。頭の中で思い描いているものがここまで具現化できるって楽しいだろうなと少年心がくすぐられました。
ロボットの造形は好みなものが多く、マスコット的なロボットが好きなので自爆特攻してたのは可哀想でしたが、丸型ロボットがとても愛らしかったです。世界も世界なら愛されるデザインだったのになぁと思ってしまいました。
AIの後頭部が無く、コードなどで繋がれてる独特なデザインも世界観を強く主張していて良かったなと思いました。
時間帯の都合で吹替版(しっかり本職の方々なので安心)で観たので字幕版がどうかは定かではないんですが、ディズニー作品みたいな適当に翻訳して日本語に置き換えた看板だったり、エンドロールでのキャストをカタカナ表記にする際になぜか和テイストのテキストを用いていたりと余計な事をしていました。そういうのを嫌がる人は多いのになぜやってしまったのか、本当に分かりません。本作にとても失礼だなと思いました。
アルフィーを演じたマデリン・ユナ・ボイルズさんは今作で初めてお目にかかりましたが、無感情と感情をむき出しにするシーンの緩急がとてもお上手で、AIでも悲哀を感じるという表情には驚かされました。ここから様々な作品への出演が増えてくると思いますし、成長してからもどんな風になっていくのか楽しみな天才少女でした。
サクッと見る分には面白く、尺の長さもそこまで感じませんでした。SFにそこまでのめり込んでいるわけではないので、SFを追ってきた歴史によって見方とかが変わるのかなと思いました。
鑑賞日 10/20
鑑賞時間 9:40〜12:05
座席 O-13
【人類とAIは共存出来るのかという喫緊の課題をテーマにし、反AIのアメリカと親AIのアジアが敵対する姿が現代の状況を彷彿とさせる作品。そんな中、敵対する勢力の中で生まれた”絆”を描いた作品でもある。】
■2075年、アメリカ、ロサンゼルスでAIによる核爆発が発生。100万人が死亡し、それ以来アメリカは反AIを掲げて、巨大な飛行体ノマドを使い親AIのアジアの拠点を爆撃する。
一方、アジアの民はAIと共にアメリカにゲリラ戦で反撃する。
◆感想
・物語の構成が、映像を含めてベトナム戦争や、イラク戦争を想起させる。ご存じのようにどちらもアメリカ軍がベトナムの民や、フセイン(この男は仕方がないが・・。)を始めとしたイラクの民を虐殺している。
・今作では、その作品構成が反AIのアメリカと親AIのアジア諸国(中国の存在を曖昧にしている所が、絶妙。)の対立として描かれている。
■ジョシュア(ジョンデヴィッド・ワシントン)は、アジアのある島でマヤ(ジェンマ・チャン)と暮らしているが、彼は実際にはアメリカが送り込んだ特殊部隊要員であった。
だが、マヤのお腹の中には2人の子が宿されていた。
・アメリカ軍が激しい攻撃をしてくる中、マヤが乗った船が巨大な飛行体ノマドにより、攻撃される。
ー 徐々に分かって来るのだが、マヤは”ニルマータ”と呼ばれる特別な能力を持つ人間であり、アジアの民の尊敬を一心に受けていた。ー
・ジョシュアが戦闘の中、見つけた愛らしい女の子のAI。彼女はジョシュアによりアルフィー(マデリン・ユナ・ボイルズ:とても可愛いが目で演技出来る少女。今作のMVPである。)と名付けられ、彼は自身の子を失ったためか、アルフィーを救出するのである。
ー 徐々に分かるアルフィーの出自と他のAIには無い、特殊能力。
彼女は”ニルマータ”であったマヤの父により創造され、マヤのお腹に入れられていたのである。-
・そして、ジョシュアとアルフィーはアメリカ軍の追っ手から逃亡する。
ー このシーンは、迫力が有る。
強大なアメリカの空中浮遊している攻撃船ノマドの中で繰り広げられる激しい戦闘。
ジョシュアとアルフィーは共闘していく中で、強い絆が芽生えて行くのである。
涙が出ます・・。ー
<久しぶりのスケールの大きなSF映画であり、数々登場するSFガジェット(巨大な飛行体ノマドの形状など、ナカナカである。)も魅力的である。
この作品を観ていると、人類とAIとは意思疎通をしっかりと行えば、共存共栄出来るのではないかと思ってしまうのである。
AIが進化すると、一部の人間の仕事が無くなる(事務作業、運転業務etc.)と言われ、実際にアメリカの俳優組合でもストライキが起きたりしている。
だが、私は、人類が何でもAI頼みにせず、自らの理念、意思をキチンと持ってAIと協業、分業する事で、今以上に豊かなる世界が築けるのではないかと思った映画でもあります。>
とてもよかった
まずロサンゼルスに原爆が落ちてグラウンドゼロが存在しているのが『アキラ』のネオトーキョーじゃん、みたいな、わくわくする。完全にAIサイドの表現で、欧米を悪者にしていて、ガザが今そんな感じだけどいいのか。パレスチナはパレスチナでドン引きなところもあるけど、AI側には負の側面がない。みんな善良だ。
当たり前みたいにAIが存在していて、突き抜けたものを感じる。スマホや携帯がなく、公衆電話がある。80年代SFが描いた近未来だ。
一方で逃げている主人公を、敵が苦も無く見つけるとか、敵も味方も前後の考えもなく撃ってくるなど、類型的な雑な展開や表現にちょっと興ざめする。アルフィーとのひそひそ話を解析して「オフじゃないスタンバイだ」と聞いた途端、そう言って安心させて撃ったとは検証せず一発で、罠であると判断するとか、まあ当たっているけど、雑だ。もうちょっと知性を感じさせて欲しいのはSFだからなおのことだ。
自爆ロボットが礼儀正しくて泣ける。
軍事施設のノマドにあんな感じで簡単に民間人が入っていいのか。農場があるのはすごくいい。また、爆発から壊滅に時間が掛かって悲劇的ながらも幸福なラストシーンが展開するのはすごくいい。あそこでは彼女の死の直前の記憶が再現されて「あんた裏切者だったのね」とならなくて本当によかった。
日米安保条約がなくなって日本がアジアに組み込まれてアメリカと敵対している。
ケンさんを観てて、ラストサムライをまた観たくなりました
演者さんが巧みな印象の映画でした。
ジェンマ・チェン目当てで観てきました。
UKドラマで人型ロボットを演じてたときに気になっていた俳優さんです。
ハリウッドでも活躍してますよね。
今回はドレスアップしたりのシーンは観れませんでした。
ただジョシュアの記憶にある彼女の印象的なシーンはとってもきれいです。
カメラが愛する人の目になっていたからでしょうか。
伏線のあった、後から炸裂する兵器で爆殺された大佐の女の人、観ているときに
だれだったか、エンドロールまで思い出せませんでしたが、アリソンジャネイでした。
かっこよかったです。
息子をだまし討ちでころされた恨みを背景に、冷徹に任務に没頭する兵士そのものでした。
アルフィーがとってもかわいかったです。泣き顔がもう、、、こっちまで
涙です。
あと人間じゃありませんけど、G-14&13。
けなげ、の一言です。
「ご一緒できて光栄でした」的なことを大佐に伝えて特攻していくんですけど、
爆弾に手足をつけたようなふざけたデザインフォルムなんですが、その武骨さと
行動に感情移入してしまいました。
映像は最高のクラスではないかと。
とくに特殊効果はILMのボリュームが大きい気が、エンドロールみてておもいました。
ほかの作品だと制作管理的なひとがちらほらなパターンが多いのですが、
今回は登場するセクションやクルーの名前が長い時間うつしだされていたし、アイコンや
ロゴも初めて見るデザインがありました。
かなり力がはいってたのではないでしょうか。
スピルバーグのAI,キャメロンのターミネーター、アバター、ILMのスターウォーズ、
シドミードのデザイン、ベトナム戦争ものを楽しめた方、あと日本がすきな方は必見です!
人間とAIとの共存について、今一つ希望が感じられない
冒頭、いきなり「ニューアジア」の設定や描写に引っ掛かって、物語にすんなりと入り込めない。
AIを受容する国家というのは分かるのだが、そこには農民や警官がいるだけで、政府の指導者や軍隊が出てこないのはどうしてなのか?彼らが、なぜ、核攻撃を受けてもAIを擁護しようとするのかが分からないし、普通の軍隊があれば、対空ミサイルの集中攻撃で「ノマド」を容易に撃墜できるように思えるのである。
監督の日本愛は痛いほど伝わってきて、それはそれで嬉しいのだが、「ニューアジア」には、断片的なアジアのイメージをごった煮的に詰め込んだだけのような印象しかなく、人類とAIが共存する理想郷を具現化できなかったのは残念としか言いようがない。
主人公の行動にしても、妻を捜すために、子供の姿をしたAIを利用していたはずなのに、いつの間にか、祖国を裏切ってまでその子を守るようになる、その理由がよく分からない。
渡辺謙演じるAIから、「核爆発は人間のミスで、AIは人間を攻撃しない」と聞いたからなのかもしれないが、そんなことは、潜入捜査をしていた時に当然聞いていただろうし、「ニューアジア」も同じような主張をしているに違いない。
なぜ、今になって、いきなり主人公が考えを改めたのかが、まったく納得できないのである。
ついでに言えば、AIが寝ることにも、その時、簡単にスイッチを切られてしまうことにも納得ができない。
終盤、「ニューアジア」での最後の戦闘で主人公と子供のAIが西側に回収されてから、「ノマド」に潜入するまでにモタモタと時間がかかり、冗長で間延びした感じになっているのもいただけない。
ロサンゼルスで子供のAIをスタンバイ状態にしたり、月行きの旅客機を乗っ取ったりするシークエンスを省略すれば、もっと、畳み掛けるようにテンポ良くクライマックスに突入できたのではないだろうか?
そして、何よりも残念だったのは、死者の脳をスキャンした記憶をAIに移植するというアイデアが、ラストで十分に活かされなかったということである。
せっかく、こうした仕掛けがあるのなら、主人公とAIの妻が、死ぬ間際に抱き合うためだけに使うのは、あまりにも勿体ないので、やはり、この場合は、主人公と妻と子供の3人全員が助かって、人間とAIが疑似家族を構成しながら幸せに暮らすといった結末にした方が良かったのではないだろうか?
その方が、人間とAIとの共存ということについて、希望が感じられるエンディングになったと思えるのである。
使い古されたAIネタだと思ったら。
「モンスターズ|地球外生命体」、「GODZILLA ゴジラ、「ローグ・ワン|スターウォーズストーリー」のギャレス・エドワーズ監督最新作!
ローグワンは途中降板して(させられて)トニー・ギルロイ監督が手直ししたなんて不名誉な話もありました。
自分の名誉にかけて本作は失敗は許されない!
なのに何でこのネタを選んだんだギャレス!笑
誰もがやめておけと思った人工知能VS人間ネタ
しかし、ギャレスは違った。着眼点が違う。
冒頭から美しい構図と映像、観たこともないガジェットのラッシュにノックアウト!本作の予算は8000万ドルでこの規模にしてはとても少ない!(TENETの約4分の1!)カメラも50万円くらいのヨドバシカメラで買えるレベルのものを使ったシーンもあるということで、極限までコストカットしています。それなのにこの映像が撮れてしまうというのは天才かもしれない。ギャレス・・。
「地獄の黙示録」、「AKIRA」、「攻殻機動隊」など数々のギャレス・エドワーズ監督の"好き"が詰まった作品で、背景と登場人物の構図からノマドという本作オリジナルの宇宙船の出し方からとにかくカッコいい。
ただ、脚本に関しては気になるところが多々ある笑
AIとアメリカ人とアジア人の敵対関係の度合いがすごくふわっとしたまま進むので、サスペンス的な意味合いとは全く関係なく敵味方が分かりにくい。今誰に追いかけられてるの?って少しイライラするところが何度かあった。ラストでも根本的な問題は解決してないし、あの子をどうやって作ったとかあの子の能力どうなってるのかとか、難しいところは脚本でフォローされません笑
ただし、こんなことは非常に些細なディテールで、ギャレス・エドワーズ監督の想像力により作られた数々の架空の風景、架空の乗り物、架空の街、その全てに魅力的に作られているところは評価に値すべき点であると思う。私は凝った脚本の映画が好きだが、過去のレガシーを味がしなくなるまで搾り取っている昨今のSF映画界を思うと、SF映画には本作のようなオリジナリティや想像力というものが改めて必要だと思ったし、子供にこそ観て欲しいと思う作品である。こういった挑戦は全力で応援したいと思った。ギャレス・エドワーズ監督がTHE RIVERのインタビューで答えていたように、2年後の映画館でどんな映画が上映されるかは、今私たちがどういった映画を選びチケットを買うかに委ねられている。
上映形式に関しては、本作は画角が2.76:1なのでIMAX スクリーンだと上下見切れます(いわゆる額縁上映)で少しガッカリなのですが、ローグワンと同じく横長スクリーンは高級感あります。ギャレス・エドワーズ監督のイメージする風景はこの画角がピッタリだと思う。また、音響はIMAX 6-TRACKで録音しているそうなので、IMAXで観ても全く損はないと思います。
追記1:
個人的にはAIが身近になってきた昨今、CHAT GPTのAIの返答も並の人間よりも道徳感のある返答をする時もあり、本作の途中でアジア人が「AIは想像を超える進化をしている!」と言うシーンがありワクワクしていたのだが、このセリフは結局回収されなかったのが残念。個人的には知能指数0のアメリカ軍に対して圧倒的な道徳心とポリコレを見せつけるAIという構図が観たかったかも。
追記2:
レディオヘッドの"Everything In It’s Right Place "の使い方好きです。
FAMILY&LOVE&PEACE
世の中の戦争や迫害などを考えさせてくれる作品でした。
色々突っ込みどころやB級感があるシーンもありましたが、シュールで面白かったです。
ローグワンに続き、やっぱり主人公は自己犠牲愛なんだね。
橋の戦闘シーンの自爆ロボットや、いくら敵でもアメリカ兵1人で突撃は可哀想でした(^_^;)勇敢すぎ。
ロボットはチャッピー思い出しました。
ベトナム戦争のメタファーか。
作品的には「ローグワン」の焼き直し的な印象かな。ノマドはどう見てもデス・スターだしね。ただ、本作はアメリカを徹底的に悪として描いてる点は好感が持てる。
本作はどう見てもベトナム戦争やイラク戦争のメタファー。実際に監督はベトナム戦争を題材にしたSF映画を撮りたいと述べていた。
アメリカの都合で対共のためにベトナムや朝鮮半島を代理戦争の地として利用し彼らの国を焦土にして、あげくの果てには大義もなくイラクに侵攻をかける。あのノマドがどこにでも侵攻してきてミサイル攻撃する姿はまさにアメリカの姿そのものだった。
AIはアメリカにとっての脅威だった共産主義者。そのAIとともに戦う人類は北ベトナムあるいは北朝鮮の人々。だからこそ本作の舞台をベトナムに設定したのだろう。執拗なまでにAIを殲滅しようとするアメリカ人の姿は赤狩りに狂った当時のアメリカ社会を想起させた。
AI基地が村の地下にあるため、兵隊が村人の子供を脅して基地の入り口を吐かせようとするシーンなんか、まんまベトナム戦争。またAI側のアンドロイドがアラブ系の顔だったりするから、これもどうみてもイラク戦争を皮肉っている。自爆テロを連想させるロボットをアメリカ側が使うのはちょっと悪ノリし過ぎだけど。
終盤、シャトルを乗っ取りノマドに向かうシーンは9.11を思い浮かべたけどさすがにそれはないか。まあ、メタファーとしてはちょっとわかりやす過ぎだけどね。
ちなみに昏睡状態のマヤに記憶チップを差し込んでほかのアンドロイドに移すことをなぜ今までしなかったのかは言いっこなし。
ターミネーターをはじめ、AIを描いた作品はどれも怖い話ばかりだが、スピルバーグの「A・I」みたいに人の心を持ったAIや「2001年宇宙の旅」のようにAIが人間並みに進化して精神疾患を患ってしまう話なんか観てると希望も見出せる。人間と同じように進化して心があるのなら、人間とAIは互いに分かり合えるはずだし、愛し合えるはずだろうからと。
AIの存在する未来に希望が持てる作品。
やはり、戦わないと映画にならない?
ローグワンは結末がわかっているだけに、悲劇的だったので、ちょっとスター・ウォーズにしては暗くて苦手でした。クリエイターも、似た世界観あり、この監督の好きな展開なんだろうなと。最後がまだ明るいので、ホットしました。
違うものを脅威と決めつけ抹殺しようとしても、なにも解決しないっていい加減きがつかなきゃね。
しかし、戦うシーンがやはり映画には必要なのかしら。映画のなかで戦うことが消化されて、現実の戦争がなくれば、いいのに。ならば、戦う映画は歓迎。
音楽がさわやかで、映像もきれい。話は複雑でないし、しっかり楽しみました。SFってとこは?! 映画館でみるべし。
AIは、アイとも読む
未来の戦争。空中母艦、アンドロイド、こんな感じになるのでしょうか?VFXすごいですねって、のんきな気分ではいられませんでした。現実、イスラエル・ハマスの戦争が始まりました。ロシア・ウクライナもまだおさまっていないのに。
女性軍曹ハウエルが部下に言います。「ネアンデルタール人は滅びて、なぜ我々が生き残っていると思うか?」。残酷だからだよ。なんかニヤついて言う。戦争が性に合ってる、そんな感じ。それが私たちホモ・サピエンスの特徴だとしたら。
そろそろ自分たちでもうちょっと自覚して、制御しないといけない。
いつまでたっても相変わらず戦争するわ、核兵器やミサイルは落としまくるわ、人を簡単にあやめるわ、どう考えてもおかしい。わざわざ苦しみを増やしています。
シナリオでは、ロスに核兵器を落としたのがAI(ロボット)だと、人間が思い込んだのが戦争のきっかけ。
だけどそれは人間の入力ミスなのに...とロボット側の親分(渡辺謙)はこぼします。ロボは自らの意思で人を殺したりできない。
さらにこの戦争、人間vsロボではありません。
「西側」vs「ロボット&newアジア」という構図。
意味深です。
やはり世界観、宗教を抜きにはできない。
映画のタイトルが気になりました。
創造主とは、一神教では神のこと。
そしてこの映画でもテーマに父性が見え隠れします(スターウォーズ同様)。
パパは命をかけて家族を守る!でなきゃ男である意味はない!くらいのプレッシャー。西洋的。パパ様。
に対して、アジアは母性がテーマ。そして多神。日本は八百万の神、アマテラスは女性神。
母なるものから命は生まれる。
それがAIでも。Mother。
母なるものは、戦いより共存を欲します。
そして、優れた一つになる必要はない。
どの命も、違いはあれど、等しく必要。
人間であるヒロインを、幼い頃愛情深く育ててくれたのは、ロボでした。ヒロインは愛を、ロボットから学びました。
勝つこと、一番のみが生き残るという男性性的世界観もしくは西的世界観とは、違うタイプのエネルギーです。
勝つことや1番になることだけでは、世界は成り立たない。
現実世界も、いまそれで息切れしているように見えます。
「AIが人間の仕事を奪う」などという見出しもよく見かけますが、自分たちで創造しておきながら敵視するという、人間の不可解さ。人間は神になりたがるのに、結局創造主になっても、相変わらず「やるか、やられるか」の対立構造にはめ、戦いを始めてしまう。
けれどいくらホモ・サピエンスが残酷だといっても、勝ち負けだけではとっくに滅びていたはず。生き延びたもう一つの鍵が、愛です。だから愛も人間らしさ。
愛という漢字の読みと、AI=アイという音韻がかさなるのも、不思議な符号ですね。監督も何か気づかれたかな。ところどころに漢字や日本語も登場します。
がいつまでたっても人間は、愛のことを大してわかっていない。
だからわたしも、こうして映画を観に行くのでしょうね。
映画は愛の教科書。
戦争が起きるのは、世界に愛が足りていない証拠。
いまの戦争が早くおさまりますよう、わたしもアジアの片隅から毎日祈っています。
渡辺ロイド謙。
AIvs人の戦争の中、人類滅亡の兵器を開発した「クリエイター」の潜伏先を突き止め暗殺しようとする特殊部隊ジョシュアの話。
何となくストーリーは分かるんだけど何か分からない。てか、話に惹き込まれなくて終始眠かった。映像は迫力あってよかったんだけど…。
ジョシュア役の方は嫌いじゃないけど相性悪いのかな?!(笑)
数年前に公開された「テネット」も合わなかったのよね。
てか、渡辺謙さんより娘の杏ロイドの方が似合ってそうだし観たかった!(ただのワガママ)
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