ザ・クリエイター 創造者のレビュー・感想・評価
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アルフィー可愛いんだけど!
アンドロイドの黙示録
AIと人類の戦争の話しで、またもや『ターミネーター』の焼き直しかと思ったら、AIと人類の共存がテーマで色々と考える所があって面白かったです。劇中に出てくるニューアジアは、AIの寺院があったり、社会貢献でメカ丸出しのロボットへの身体データの寄付が行われていたり、もはや共存でなく対等な相手としてAIと一体化した国家です。 それを危険視したアメリカがニューアジアを攻撃するのは、異なるイデオロギーや人種、宗教の国家を認めない不寛容な現実世界のメタファーのように感じました。攻撃のシーンでは、まさにベトナム戦争やチベット侵攻を連想します。一方で、ニューアジア政府のアメリカへの対応があまり描かれていないのは残念。お話しは中盤で中弛みする所もあるけど、最後の20分の戦闘はギャレス・エドワーズ監督らしい剛腕の演出で大迫力でした。役者では、生身の人間よりもAI側の方がインパクトあり、アルフィー役のマデリン・ユナ・ヴォイルズがすごい存在感でした。同様に渡辺謙も母国語を張り上げながらの熱演でした。
ギャレス・エドワーズ感
SFファンの私としては久々のSF大作だったので、公開して直ぐに見に行きました。観終わっての一口感想で言うと“好き”な作品です。
監督はギャレス・エドワーズということで(もう人の名前が憶えられない歳になり直ぐにネットで検索する癖がついてしまいましたが)この監督作品は「モンスターズ」「ゴジラ」「ローグ・ワン」と殆ど見ていて、どれも好きな作品だったのできっと私との相性は良いのでしょうね。
というか、作品自体がどれも今まで何度も作られてきた既成の題材でありながら評価されているという事自体、非常に優秀な監督であるという事の証しなのでしょう。
本作はオリジナルストーリーですが、大まかなあらすじだけを聞くとありふれた内容で、誰もがこんな作品になるだろうと予想し見る前から興味を失いそうなストーリーラインにも関わらず、見終わって好きと思わせる(しかも私はSF大好き人間である)その手腕は相当のものだと感心しました。
実際にこの作品の物語自体凄くありふれた内容にも関わらず、画面から目が離せなくなりましたから、何か特別な(私を)惹きつける要素があったのでしょうね。その辺りを今回は考えてみたいと思います。
本作も大筋は“人間 対 AI”なので、一般的には人間側を“善”・ AI側を“悪”というパターンで描かれるのがハリウッドフォーマットだと思うのですが、この監督はその一般的パターン(想定)を利用しながらも微妙にずらして見る者を惹きつける特徴があるように感じられました。
本作の場合だと、人間 (善)対 AI(悪)を逆転しているし、人間(アメリカ人) 対AI(アジア人)という構図も重ねたり、人間側の最終兵器もマシンであるという皮肉であったりと、全体的にハリウッド娯楽映画そのものに対しての皮肉を散りばめているのが本作の特徴であって、アメリカ以外の国の人間が見るとかなり納得感の得られる作品になっていました。
更に本作の一番の魅力は映像なのですが、そこには様々なハリウッドSF大作や日本アニメなどのオマージュに溢れていて(特にSFファンには)たまらない作品に仕上がっていました。
SF映画や小説やアニメに毒された人間の思考パターンの裏をかきながらも、しかし人間の普遍性は外さないという特徴の監督だと思いました。そして、国家的イデオロギーに捕らわれず、地球規模の本当の意味でのグローバル感のある作家さんの様な気がします。
そもそも論ですが、人間 対 AIの構図にしたって、人間 (善)対 AI(悪)がある筈もなく、人間自体が善悪両方備えている生き物であり、人間が作る AIに対してその善悪の要素を入れるかどうかは人間の判断次第であるという事になりますからね。そして、SF小説の“ロボット三原則”を基準とするならば、確実にロボット(AI)に対しては(人間の)善の要素のみで作られているので、悪の要素があるのは人間のみという論理が成立します。
しかしながら、今までの古いSF映画・アニメなどは意外とその論理が抜けがちなので(というより無視しているので)、新しい世代の人達がその矛盾を突いた作品作りをしているのが面白いです。
「もうSF映画なんて大量に作られ過ぎているしネタ切れ状態で何を見ても同じだよ」と(SF好きの私でさえ)つい思ってしまう時があるのですが、こういう新しい監督が既存の古いパターンを作り直してくれるので中々止められないのですよね。
スケール感ある超兵器にワクワク✨
見る者の心に問うAIという存在
敵か味方か・・・
2075年、人間を守るために開発されたはずのAIが、ロサンゼルスで核爆発を起こし100万人が一瞬で殺されてしまった。アメリカなど西欧諸国はAI撲滅を目指し、AIとの戦いが激化する中、アジアではAI開発が続けられていた。
元特殊部隊のジョシュアは、キーとなるクリエイターの潜伏先を突き止め、暗殺に向かった。しかしそこにいたのは、超進化型AIの幼い少女アルフィーだった。ジョシュアはアルフィーが作られた経緯を知り、暗殺対象であるはずのアルフィーを守り抜くことを決意した。そのためアメリカから狙われ・・・てな話。
誰が敵か味方かわかりづらい。
AIを排除するのが正しい事なのか、共存が良い事なのか、問う作品なのだろうか?
超進化型AIのアルフィーがその能力を発揮するのが、手を合わせて祈るだけ、というのもインパクトが弱い原因かな?
AIの耳の位置が貫通してる造形も意味がわからず違和感だけだった。
AIとセックスして子供が出来るの?
人間みたいな皮膚を付けたAIと完全にロボット頭したAIの違いは何?
ロボット頭はAIじゃないってことなのか?
将来、こんな事が起こるかもしれないが、もう少しリアリティーのあるSFにしてもらわないと、白けてしまう。面白くなくて途中ウトウトしてしまった。
これは合わなかった。
SFはやっぱり絵だねぇ
幾らかの人が指摘してるように、グラフィックノベル作家のストーレンハーグの影響を予告編で感じ、おまけにローグワンとゴジラのギャレス・エドワーズ監督作となると、観に行くしかあるまいと気合い入れて、未鑑賞だったモンスターズを予習して、IMAXで鑑賞しましたが、とても満足しました。
ライブ感覚で撮影してから、それを丹念にレイアーを重ねてSF絵作りするその工程の中で、
手を抜かない、ただひたすらイメージを重ねていって、細部に神が宿る様に、刀鍛冶の様に、絵を作っていく。
その仕事に、ひたすら感動してしまった。
今の時代にオリジナルSF映画を作る事の困難さは想像に難くない事だし、ましてやILMを使ってこんなインディーズ的な方法で、作り上げてしまうのは、偉業なのではと思いました。
あと、西側の兵隊のマスクは、SW-ep6のレイアの被ってたブーシのマスク?って1人ニヤニヤしてました。
設定がしっかりしてて、もう一度観たい
AIの脅威と見せかけての多様性不寛容への問題提起?
AI徹底排除の西側と民族や言語だけでなくAIをも受け入れているニューアジア。
モノを言わない機械に自分達のミスを押し付け、AI暴走を偽装し排除に動く人間のズルさを西側(アメリカ?)主体で描いた自虐さが面白かった。
タイ、インドネシア、カンボジア、東京などごっちゃの一緒くたのニューアジアだが、それぞれの地域でAIと共存し、袈裟着てチベット密教みたいなのを信仰までしているのもおり、さすがに溶け込み過ぎだろと思いつつも、人間と変わらない生活をしている事のもっとも分かりやすい表現はこれかと感心させられた。
アルフィが観ているテレビに宇津井健のスーパージャイアンツや千葉真一の七色仮面?が流れていたが、ギャレス・エドワーズの日本の特撮愛は尋常じゃなさ過ぎで笑うしかない。
基本無感情なアルフィが時たま露わにする感情があえて鑑賞者とのズレを作っているようにに思えたが、最後に笑ったのを見て、目の前で起こっている小事に目を向けずもっと大きな使命に向かって生きている子なんだと感じたが、それ故ジョシュアとの別れで泣いた事がより際立ち心を打たれた。
新しくも懐かしい世界観
_φ(・_・あのラストシーンが撮りたかったんでしょうね、、、。
あのラストシーンを撮りたかったんでしょうね。崩れ落ちる世界で愛し合う2人、、、。
ガラス越しで触れることもできない親子の別れ。そこにたどり着くまでがどうもまどろっこしくわかりづらい。子供の隠された力もどうもよく分からず。
世界感はブレードランナーと比較してしまうんだけど、どうもあの重苦しさを感じられず。それとアニマトリックスの影響も受けているのかなぁ。ラストシーンは昔の宇多田ヒカルのPVを連想してしまった。なんだか影響受けてるんじゃないのかなぁ?結構そっくりなんだが。
ちょっと期待外れだった。
気の重いテーマを避けた積りが、まんま今の対テロ戦争みたいな世界線でした
過去のベトナム戦争や今現在のパレスチナ紛争と、作品の世界線を取り巻く状況がかなりクロスオーバーしてて、今観るにはチョッと既視感あり過ぎる重たい設定でした💦これなら敢えて敬遠したスコセッシ監督のフラワームーンを観ても良かったかな…
それにしても最新AIと人類が共存して暮らすニューアジア圏の文化や社会や生活環境がほぼローテクでベトコンでガザ封鎖地区みたいのは少しやり過ぎでは無いかと😅これではAI風味なだけの相も変わらぬ貧困と差別と大国の横暴との闘いで、何でAI対人類なのかもよくわからなくなります💦
未来少年コナンのギガントとSWスーパースターデストロイヤーを足して2で割ったようなアメリカ航宙軍軌道兵器の圧倒的な強大さとか、それに対峙するのは最新テクノロジーの塊みたいなAIなのに使ってる武器や戦闘メソッドはやけにローテクでショボ過ぎたりとか、主人公に最初からもう絶対これ死亡フラグ立ってるやんとか、他方で奇妙なまでに荘厳で美しい情景描写、とかね。何とも言えないチグハグさとか何処か「ローグワン」っぽいなぁと思ったら同じ監督さんでしたね😅
第二ベトナム戦争
AI目線の反戦テーマSF。
ローグワンが良すぎたので期待値を上げすぎました。
全く新しいAIものを求めるのであればオススメしませんが、SFの佳作としてならオススメします。
ベトナム戦争×サイバーパンクなビジュアルは中々良かったです。ただし、他のロケーションはブレードランナーの二番煎じといった印象。
肝心のストーリーは、モノローグと回想が多いので非常にテンポが悪く見にくかったです。SFアクションを謳ってる割にはあまりに展開が遅すぎる。
このあたりは作品を見る上で非常にノイズに感じました。
加えてAIのテーマに関しても、さして新しい要素は感じられませんでした。
というかAIモノに見立てたベトナム戦争モノといった印象で、AIに対しての深い言及がなされず。
人種差別やアメリカ批判のメタファーとしてAIを題材にしてるだけに見えてしまいました。
ここが最も残念な点。
現代だからこそ描けるAIの未来像はこの作品には感じられませんでした。
クライマックスもまんまローグワンすぎて、監督の引き出しの少なさを嫌というほど見せつけられた感じがしました。
モブのロボのデザインなんかは良かったので、彼らの活躍をもっと見たかったです。良い要素も沢山あるだけに、なんとも中途半端な作品になってしまったのは残念でなりません。
2度愛することができる
アンチ・アメリカ?
様々な作品が頭をよぎる借り物たちの中に、人々の心を熱くする普遍的な物語を紡ぐギャレスらしさを見出だせるものの(…)
ポスト・ブレードランナーなサイバーパンク&セリフも、ベトナム戦争などに対する白人酋長モノも、子連れ狼から本当の家族になっていく物語も…。けど最後の最後まで(例えば『ローグ・ワン』のような)期待を超える感情のカタルシスが無く終わってしまった感はあった。ラストカットは良かった。
感情面を優先したためか、要所要所の詰めの甘さ・大味感もご愛嬌ながら、それでも上述したように、それも気にならなくなるほどの感情的に満たされる気持ちよさが個人的に希薄だった点は否めないやも。肝心なところで生きてくる前フリや差異を伴う反復も想定の範囲内と言うか。その荘厳さが少し邪魔をすると言うか、したいことはなんとなく分かったけど、最後まで作品のトーンを掴みきれなかった感。
「オフではなくスタンバイ」
黒人ジョシュアとアジア人マヤ。ジョン・デヴィッド・ワシントンは『テネット』と本作で、すっかりSF超大作に欠かせないイメージに。特になんだか室内で銃火器持って走っているイメージ?本作「&」ポジションアリソン・ジャネイは、『アバター』における宿敵スティーヴン・ラング枠。だから、主人公たちは両者から追われる羽目になって逃亡者パターン。
爆弾突進マシン(?)などメカのデザインや細部に宿るアイデアの面白さは流石ギャレス監督だなと思った。それが本作に関しては、"なんちゃってニッポン像(イメージ)"と日本愛。あと、作中で人間以外の動物に助けられて上手くいく、(笑っていいのか分からない?)冗談みたいなシーンが犬と猿で2回あるけど、それもまた本作のテーマに通ずるのだろうなと感じた。
ノマド
"もういや遊牧民"←最後の画面に映るプラカード
勝手に関連作品『ブレードランナー』『アバター』『チャッピー』
P.S. アルフィーはトゲピー?"借り物"という点で言えば、まさかの意識をUSBに入れられるところまで!!
創造者の真意は分からず・・。見所はお金がかかった映像だけ?
映像はそこそこの見所だが、本筋の真意が伝わらない・・。
その映像や造形物も、「ブレード・ランナー」(1982年)や「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」(1995年)からヒント・影響を得ているなと思われる物も多々・・。
壮大なタイトルだが、作品ではエリア的にはかなり狭い範囲での戦闘で進行する。
そしてその創造者の本意も自分的にハッキリ伝わらず、前半は「ローグ・ワン」と同じように捜索・追跡劇にしか見えず、かなり退屈に感じた。
尚、ギャレス・エドワーズ作品は「GODZILLA ゴジラ」(2014年)以降から本作まで4作全て見てるが、全て期待値以下。
まず、"ニルマータ"と呼ばれる、ザ・クリエイター=創造者が、結局人間であり、あらゆる機械を制御出来る、AI少女アルフィーを創造するのだが、それの一番の目的がハッキリ伝わらない。 暴走するAIを阻止したかったのか、あるいは身勝手で強欲な人間をに愛想尽き、そういった人類側を消滅させたかったのか。
結局、米飛行基地である、ノマドとその乗員を消滅させただけ、という中途半端な結末で、その後の人類とAIの関係がどうなるか等の、暗示もない。
ほぼ人間と変わらぬ表情が出来、泣くことも出来るアンドロイドが、真横から見ると筒状の大きな穴が空いている造形も私的には?で、ロボットである事を公表して、さらにその部分は外部衝撃に弱くなるはず・・。
それに、寝てる間に簡単に電源OFFにされてしまう仕様なんてあり得ない。
そもそもAIが人類に反撃したいなら、核爆弾など使わず、あやゆる電化機器やメカを制止するだけで、現在の人間社会は壊滅的な被害を被るはず。
造形物も既視感のある物が多く、振動する山からなにが出てくるのかと期待したシーンは、ほぼ乗り物の様な戦車で、まだスターウォーズの方が、ユニークな造形物が多かった。 車輪の方が前に出た車はブレードランナーまんまだし、後頭部からデータを抜き取るシーンも攻殻機動隊のまんま。(攻殻はプラグだったが)
だから、映像的にも思わず声が出そうになる様なシーンはほぼなかった。
唯一感情移入したのは、ほぼドラム缶に手足が付いたような、自爆ロボが
「今までご一緒でき光栄でした」的な言葉を上官に残し、敵に突っ込んでいくシーン。 機械なのだが、刹那を感じた。
そして多くの方が目を潤ませたであろう、アルフィーとジョシュアの最後。 私も目が潤んだが、子供にあの表情であんな台詞を言わせれば、シンパシーを感じて当然・・。 だがそれが機械なのだから、これでいいのか・・。
そうそうもうひとついいところが♪
挿入曲に DeepPurple 超名曲「Child In Time」が聞こえた時はROCKファンとしては嬉しくなった♪
youtubeで、Deep Purple - Child In Time - Live (1970)で検索すればスゴイライブ映像がみれます♪
主役デビッド・ワシントンも「テネット」のレビューにも記載したが、光っている物が見いだせない。 本作では髪の毛が当初、茶色のややアフロ風から、黒髪になっているのに、マヤに再会シーンではまたアフロ風に戻っているのも意味不明・・。
まあ金が掛かっているシーンがほとんどなので、多少の見応えは感じたが、もし物語はそのままで、低予算で渡辺謙などの出演がなければ、★平均は3前後の凡作になっていたのでは・・・と感じる。
やや期待していたので、ほぼ批判レビューになってしまった。
まあ今後はエドワーズ作品は、ハードルを下げて見る事に・・。
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