「謙さんの一人日本語劇場」ザ・クリエイター 創造者 ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)
謙さんの一人日本語劇場
が、味わい深かった。
近未来、現代より更に発達したAIが突然ロサンゼルスに核爆弾を投下、それによってAI絶対許さんムーブに傾いたアメリカさん。例の如くの極端理論で地球上からAIを駆逐する勢いで巨大な飛行型空母ノマドを完成させ、AIロボットに寛容で共生を目指しているネオアジアの上空を飛び回っては基地を見つけて破壊をしていく。
そんな最強兵器ノマドを破壊するため、AIシステムを産み出した創造者”ニルマータ”が兵器を開発したらしい、との情報を得て創造者ニルマータを探して殺害することを計画する。
そのため、ジョシュアは極秘にネオアジアに潜入し、ニルマータに近いとされる女性AI研究者マヤに接近したものの、二人は恋に落ちマヤは子供を授かる。
ある夜、ジョシュアの住まいにアメリカ軍が襲撃するが…
ジャンルとしてはSFファンタジー謎解きアクションラブストーリー?でも、謎解きっぽい要素は1ミリも騙したろうとか裏をかいてやろうとかそんな小賢しさはございません。
観始めて30分で、多分あの人があれでこの子はこうなんやろなーって見立てをした、まさにその通りの展開が待っています。
ただ、色んな要素が入り乱れてて且つ一本筋が通っているのがジョシュアのマヤに会いたいよ~なので敵になったり味方になったりジョシュアが結構めんどくさい。
任務忘れてそんなにガチ恋したんかいな、とIMFのイーサンが聞いたらブチ切れられそうな話ではある。なんならマヤ見つけられたらあとは知らん!ぐらいの潔さ。ここが鼻につくとストーリーに入りきれないので要注意。ジョシュアは中学生頭です!そこ大事。
あとはこの監督さんアメリカ嫌いなのかなーと思うアメリカのいかんとこ祭り。非寛容、ご都合主義、攻撃的、とにかく攻撃されたら相手の指導者殺してやったーってしたい、などなど。相手が誰やろうが、結局駆逐せんと気が済まないし、その後こっそり領土も持っていきそう。
対して、ネオアジアはなんというかアジアごった煮感が面白い。田舎はベトナムとかミャンマーっぽいし、都会はなんだかよく分からんブレードランナー風。しまいにはチベット風までありの何でもあり。話してる言葉はみんなバラバラだけど、何故か謙さんの日本語がめちゃくちゃクリアーに聞こえてくる。でも日本語喋ってるの謙さんだけで、日本語で話しかけても英語で返事されたり。コミュニケーションできとんのか、って思う。
まあ、いろいろ謎展開はあるし、腑に落ちなかったり辻褄合わんやんとか思う部分もあるけど、それはそれで良いかなと思いつつ、でも結局キーになる最終兵器が思ったより最終兵器にならんくてピンチだらけで拍子抜けしたところが一番なんだかなーポイントだったように思う。
世界観は面白い、まあ、そこがウリの映画。