「デジャヴ的名作」ザ・クリエイター 創造者 ぱおうさんの映画レビュー(感想・評価)
デジャヴ的名作
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感動的なSF大作なのは間違いないのですが、観たことのあるようなシーンや設定が満載で、どう解釈して良いのか分からない面があります。
夏への扉、スターウォーズ、ブレードランナー、アバター、ジオストーム、マトリクス、etc.・・・。
監督がローグワンの人なので、スターウォーズは良いとしても、少しやりすぎの印象も。SFの小ネタが尽きたので、開き直ってオマージュ的に使いまくったのでしょうか?
それはさておき、白人国家は有色人種を滅ぼそうとする悪の権化、というステレオタイプな設定は、インディアン迫害に始まって、黒人を奴隷にし、ベトナム戦争で苦杯を舐めた帝国主義アメリカの自虐史観なのかもしれません。
近年のハリウッド映画は、そういう「リベラル」な政治思想の宣伝媒体と化しているようにも思えて、私は食傷気味です。
本作の、人権思想をロボットまで拡張したメッセージは理解出来ますし、共感しない訳でもないのですが、そういう「西側先進国」的価値観で地球を支配しようとするのも、かえって世界を分断に追い込んでいるように見えて仕方がないのです。
他民族分断国家アメリカの宿痾を、偽善的人権思想を広めて贖罪しようとするのは、プロパガンダぽくて、押し付けがましく感じるのです。
本作は、SFアクション映画としては、133分の長尺を一気に観せてくれる面白さに満ちていて、単なるドンパチではない大作とは言えます。
ただ、真面目な作りだけに、かえって現代のハリウッドの偏向を浮き彫りにしてしまっているように感じられてなりません。
何も考えずに手に汗握って観られたら、かえって高く評価出来たような気がします。
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