「少女が兵器?いや、能力がポンコツだった」ザ・クリエイター 創造者 Oliverさんの映画レビュー(感想・評価)
少女が兵器?いや、能力がポンコツだった
【超進化型のはずなのに少女の能力がしょぼい】
率直な感想は、ストーリーが実に面白い。そしてアルフィーを演じた少女の演技が素晴らしい。
だがしかし全知全能で無敵なことをするんだろうと思ってた少女(アルフィー)の能力が思いの外しょぼかった。
一体何が“兵器“だったのか…??あれでは兵器ではなくただのアシスト係程度では??
黒人の父親(ジョシュア)や村人が襲われてる時もさっさと両手合わせてシュパーン!とやって、
警察ロボットやらミサイルやら自在に操ればいいのにいつまでたっても何もできないといったらなんのって。
村に向かって走る自爆ロボットや白人隊員についた時限爆弾も一旦停止しかできず、能力解けたら再起動する始末。
完全停止もできんのか。(白人隊員においては別に停止させなくていいが。)
ノマドのミサイル停止もそんなに近づかなきゃ操れんのか?!
まるで接続の悪いWi-Fiのようだ。FPS回線ゲームだったら使いものにならんぞ。
もっと派手な演出(AI vs 人間、全能の少女の神的な能力)を期待していたんだが中途半端で拍子抜けしてしまった。
【主人公に全く感情移入ができない(見た目で判断してたらごめんなさい)】
そして主人公がTENETの人だが、TENETの時も思ったがこんな事を言っては何だが黒人だとちょっと感情移入しにくくて作品が頭に入りにくい。
最初は自分勝手な奴だなぁとしか思わなかった。善良な市民がたくさん襲われてるのに自己中な行動ばかりする彼に、お前の妻などぶっちゃけどうでもいいから早く気持ちを切り替えろよ、と。
こういう雰囲気の黒人は戦う兵士や敵側の方が合ってるような。
薄暗いところで必死な形相でアルフィーに詰め寄るシーンは見た目怖すぎてどう見ても犯罪者にしか見えない。
自分が子どもなら連れ去られて殺されるんだろうと思うところだ。よく信用できたものだ。
【アメリカヘイト?いや、アジアヘイトでしょ】
渡辺謙の出演や日本語や日本のロケーションもところどころ登場していたのは嬉しかった。
だがなんか日本人や他のアジア人が発展途上の古い村人みたいなイメージなのはやめてほしかった。戦闘場所が都会で未来的な東京や京都だとさすがに欲しがりすぎか。(一部東京出てたけど)
そしてAIだけを抹殺するならまだしも、アメリカ人がみすぼらしいイメージのアジア人達を村ごと無慈悲にも殺害していく様は、今のイスラエルとガザ地区みたいでいい気持ちはしなかった。
ヨーロッパ人やそういう見た目のAIも含まれてたら果たして同じように殺害していったか…。
現代よりも40年も先の未来の話なのに、なんでニューアジアの人々が狩猟採集時代みたいな時代錯誤な見た目してたのかも謎だった。何がNewなんだよって。アジア差別でバカにするのもほどほどにしてほしい。
ポリコレ意識して無理やり黒人起用はするが未だにアジアへの偏見やアジアンヘイトは変わらないのでは?
【最後が中途半端でスッキリしない】
マヤの記憶チップのようなものがAIに刺したらちゃんとコピーできたシーンを見て、今後の未来、大切な人を亡くした人が同じような事ができたらいいだろうなとも思った。(いや複雑な問題になるか)
作品はノマドの残骸を見てアルフィーや人々が勝利に喜んでいて終わったがそこで終わってはいけない。
アルフィーは電子系操る能力があるのなら、その後ちゃんと全人類にLAの核爆発の真相を伝えたのだろうか?
AIは無害だということ、争いの本質をもっとクリアーにしないと、永遠にAIに対する人の偏見とこの問題は終わらない気がするが。
しょーもない恋愛シーンはいいからもうちょっと詰めた内容で楽しませてほしかったな。