「見所たっぷりで楽しませてくれたのに、終わってみると何かが物足りない」ザ・クリエイター 創造者 Yukさんの映画レビュー(感想・評価)
見所たっぷりで楽しませてくれたのに、終わってみると何かが物足りない
AIと人類は上手く共存出来るのか、それともどこかで制限すべきなのか。タイムリーな社会の葛藤も織り交ぜ、アメリカの戦争を皮肉る試みもなかなか良い。
主人公が、自分の子供を宿した女性の行方を追い求める流れがこの物語の主軸で、ここはもっと強調して人間臭い映画にして欲しかった。ついつい空想テクノロジーを見せびらかし、良くも悪くもアニメっぽいテイストを感じた。狙われる子供を連れての逃避行という展開はかなり使い古された感がある。
デンゼルワシントンの息子はなかなか良いが、64歳になった渡辺謙も頑張っている。日本人の役者が重要な役をしっかり果たして誇らしい。だけどニューアジアで人間と共存している渡辺謙らAI達の描写が、まるで追い詰められた山賊かベトコン...ここはもっとSFらしいアイディアを磨いて欲しかった。
人が亡くなる間際の意識がAIにコピー出来るというアイディアも面白い。本当にあったらおぞましいが。これがラストを飾る重要なシーンに繋がっている。
見所たっぷりで楽しませてくれたのに、何か物足りない気がするのは......おそらく「AIと人類は共存出来るのか、共存すべきか」この問いに対して、肝心な事を何も語らないからだろう。
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