「温故知新」ザ・クリエイター 創造者 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
温故知新
古さと新しさが同居するオリジナルSF作品。
物語として、わかりやすい。
まさに温故知新。
おそらくギャレス監督のこれまで観てきた好きなものや、自身が作り上げてきたものが、すべて取り入れられています。
日本のアニメ・特撮が出て来たり、微妙なフォントの日本語が出たり。
人間らしさって何、みたいなとことか、アメリカの横暴さへの(自虐的な)批判があったり。
『ターミネーター』『ブレードランナー』『地獄の黙示録』『アバター』などからの影響を感じさせてはいました。
しかし、オタクのやりがちな"縮小再生産""劣化コピー""過去作のトレス"に、決してとどまらず。
取り込んで消化した上で、新時代を感じさせる作品を作り上げたことに感動しました。
和食とフレンチの伝統的技法を学んだうえで、ちゃんとした新しい創作料理を食べさせてもらったような感じ。
過去の巨匠にたとえると、キャメロンに近い。
最近の作家だと、日本で言えば庵野秀明や樋口真嗣、海外で言えばJ・J・エイブラムスやギレルモ・デル・トロらと同じ香りがしましたね。
ただ、実際の科学に基づくセンスオブワンダー感が強いうえ、映像による説得力の占める割合が多く、セリフで説明はしないので、科学への素養がない人や、映像からの読解力が弱い人には、面白さが伝わらないリスクも。
過去、日本で多くのSF大作が興行成績でコケた二の轍を踏まないかも、少し心配になりました。
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