怪物の木こりのレビュー・感想・評価
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キカイダー?
良い意味で三池監督らしくない、久しぶりのちゃんとした映画だった。
エラそうに言うことではないけどね。
脳チップというアイデアが肝心。
チップによって人格を変える手術がなされる訳だけど、最初はサイコパスを抑えるのかと思ったら、普通の人をサイコパスを変える方だった。
つまりは良心回路を、プロフェッサー・ギルにとめられて怪人(サイコパス)にさせられたのが、亀梨演ずるアキラということになる。
怪物の木こりはこの怪人を処分するキカイダー(良心回路が壊れている)みたいなものかなあ。
それにしても、真正のサイコパスは染谷将太だ、カメはちょっと感情的すぎるように思う。
時間の関係かサイコパス化した怪人についてほとんど触れない(剣持こと中村獅童くらいかな)
だから、木こりの感情がよく分からない。
血が多く流れるので残酷だけど、肝心なところで穏当。
菜々緒演ずるプロファイラー、渋川清彦演ずる乾刑事。ピースとして絶対的では無いのが残念。
染谷将太のみがハマっていて、他が思いつかないところがよかった。
同時期上映の「首」同様、中村獅童が美味しい役をやっていて、良かったです。
怪物にされた少年達の未来は
娯楽作品としてはとても満足度が高かったです。最後は泣きました!俳優さん達の演技が素晴らしすぎて。
その分、諸悪の根源である夫婦について監督の解釈で掘り下げて欲しいと感じました。夫婦の人間像に深みがあれば少年達の悲哀も深みを増したのでは。
期待していたよりも、真面目でおとなしい
サイコパス対連続殺人鬼という謳い文句から、悪対悪の「倫理」なき戦い、あるいは「毒をもって毒を制す」的な情け無用のバトルを期待したが、思ったほど突き抜けた展開にはならず、やや肩透かしを食う。
むしろ、「怪物の木こり」が悪を退治しているということが早い段階で分かってしまうので、正義の味方として思わず応援したくなってしまった。
事件の構造にしても、連続幼児誘拐事件が発生している最中に、あちこちの養護施設の前に児童が放置されたら、誰だって誘拐された子供だと分かるだろうし、サイコパスを生み出すための「脳チップ」という仕掛けにも、今一つリアリティが感じられなかった。
他の被害者に比べて、亀梨和也演じる弁護士だけが、何度も難を逃れるのも不自然だし、彼がターゲットだと分かっていながら、違法捜査という理由で、なかなか「行確」に踏み切らない警察の対応にもイライラする。
結局、誰が「怪物の木こり」なのかということが物語の焦点になり、いかにも渋川晴彦演じる刑事であるかのようなミスリードがあるのだが、もし彼がそうなら、真っ先に中村獅童演じる殺人事件の容疑者を殺しているはずで、そこから、消去法で「怪物の木こり」の正体が分かってしまうところもいただけない。
ラストは、悪対悪どころか、共に良心を取り戻した者同士の戦いとなり、いったいどちらに肩入れしたらいいのか、気持ちのやり場が分からなくなり戸惑ってしまう。
最終的に、染谷将太演じる正真正銘のサイコパスだけが生き残るというエンディングにも、釈然としない後味の悪さが残った。
けっこうよかった
亀梨和也がかっこよくて憎らしい。悪人なのだけど、児童虐待の被害者でジャニーズの問題と重なって生々しい。中村獅童も同じく被害者で、二人とも脳チップを損壊して、良心が芽生えているのに殺し合ってかわいそう。染谷将太だけは最後までサイコパスの悪人だ。
ただ、脳を奪う必要はない感じがする。社会に迷惑なサイコパスを殺して回るのが目的なら目立たない方がいいのでは。コスプレも出来が良すぎて、楽しそうだし、楽しんでる感じがする。
冒頭のあおり運転を事故らせて首を切るまで眉一つ動かさなくてすごい。しかしマンションに美術品が飾られていて、本当にああいうのが好きなのだろうか。別宅の真っ白いビーチの家はサイコパスっぽい。
キャストは好演も、ミステリ映画ではない
1. キャストは好演
採点は低めだけど、見処が皆無な訳ではない。亀梨和也が体現したサイコパスも、対峙する菜々緒の凛々しさも観て損はない。ただ、吉岡里帆のポテンシャルを知った今となっては、最後のちょい反撃するぐらいじゃ物足りなかった。
🪓
2. ミステリ映画ではない
「このミス」大賞作なので、原作は面白いんだろう。しかし、映像化された本作はミステリ映画ではなかった。ミステリなら、観客に推理(考察)する材料を提示すべき。しかし、脳内チップのそもそもの機能、チップが殴られた程度で壊れる可能性がある事、チップの故障で精神状態がどう変化するのか等のポイントが、犯人や二宮の独白ではじめて明らかになる。つまり、ミステリとしてはヒントが少なすぎる。結局、最初からいかにも怪しげな人物が"木こり"なのも、ガッカリ。冒頭の少年と二宮のカットバックがミスリードではあったが、二宮自身が木こりに襲われてしまうと、彼が犯人(木こり)とは思い難い。
🪓
3. マッドサイエンティスト?な東間翠がなぜ自刃する?
子供を次々誘拐し、脳内にチップを埋め込んだ東間翠は、冒頭で警察に追い詰められ自刃する。この行動の原理がよく分からない。チップの埋め込みが、彼女の実験であるなら、子供達がどう育つか追跡調査する欲求に駆られる筈。複数の子供を術死で死刑になっても、死刑は何年も執行されない事が多い。運良く無期懲役になれば、何らかの形で被験者の動向を知るチャンスがある。東間自身がサイコパスで罪の意識がないのなら、自刃などせず学術的好奇心を優先しそう。自刃での幕開けは、おどろおどろしさこそ醸成するが自分設定に矛盾を感じる。
真のサイコパスは
俳優亀梨を初めて観たが、
何をしていても眉などが気になり、
サイコパスであろうとなかろうと
亀梨は亀梨だなあと思った矢先、
2%くらい阿部サダヲみがあって
これは異常な目の強さからくるのかなと。
中村獅童は『首』に続き、
ダメな役を演じるとめちゃくちゃいい。
終盤に語り始めると普通であったが。
でも渋川清彦対獅童など、わりと夢のブッキング感。
菜々緒も好演。吉岡里帆も悲鳴はよかった。
話そのものはそうですかという感じ。
わりと早いうちから、
ミスリード含め全体の方向性が見えるので、
驚きはなくとも、落としどころ見たさに楽しめた。
ただ、監督が監督ということもあって、
観たかったのはサイコパスのサイコパスたる挙動や
慄然とするような他人への仕打ちだったのだが、
原作ものの限界もあるだろうが想定内のムーブしかなく、
逆にクライマックスで実はいい人ムーブをされても
ちょっと困惑。
そのクライマックスのカットバックは冗長で、
死ぬだの死なないだの言っているところで
あの説明の長さはダレる。
その場のキャラクターたちの意思疎通や相互理解、
観客に対しての種明かしなど、
話の筋を通そうとするとしかたないんだろうけど、
オリジナルでないと生真面目になる、
いいんだけどつまらなくなる
監督のクセが出た感じだった。
個人的な願望だが、
映画には、ヤクザ犬とか前振りなしの爆発とか、
観たことがないものを見せてほしいんですよ。
で、真のサイコパスは誰かと言えばチップのない染谷将太で、
頭のおかしな話をゆっくり淡白に語る姿は
脳をミギーに支配されているのかと思うほどハマっていた。
ネコのシーンは説明しすぎだけど。
木こりのマスクはカッコいい。
絵本ともども売ってくれないかなあ。
テレビCMと印象違う
ラスト緊張の糸が切れましたセカオワの曲も良かったです
怪物は頭のおかしい大人
子供達は被害者、アイツらのせいでこうなったと叫んでいいのに罪を受け止めて淡々と終わる姿に悲しく複雑な気持ちになりました
ストーリーが面白い
安定した面白さです。
強いて言うなら、彰のサイコパス感がそこまで無かったので、序盤でもっとサイコパスぶりがあってもいい気がしました。
最後に彰が映美を抱きしめるシーンで彰がハッとした時に、映美の頭を触ってたので、映美の頭に脳チップの手術跡があったのか!と思ってしまいました。(チョット前の彰と武が揉み合うシーンで映美が壁に頭をぶつけたシーンがあったので、余計にそう思ってしまった)
かなりスリルがあり、見応えがあった
見た感じでは、吉岡里帆さん主演の「見えない目撃者」と同じぐらいのかなりのスリルを感じ大満足だったので、自分の評価基準通り星5にしました。脳内チップ等突っ込みどころはいくらでもあるのですが、気にしないでよいと思います。
以下は個人的解釈で示してみます。
怪物の木こり→脳内チップを埋め込まれ たことによってサイコパスの考えや行動をする者
木こり→脳内チップを埋め込まれたが、一般人と同様の考えや行動をする者、もしくは脳内チップが壊れたことによって一般人と同様の考えや行動をする者
怪物の木こりの絵本では、「モグモグ、ムシャと食べ、新しい友だちを作った。友だちがいなくなったので、他の村に行った」というような内容があり、サイコパスは次々と悪事を働き、際限がないことを示していました。
本質としては、善良な心に戻ったとしても過去に働いた悪事はなかなか消せないものだと痛感する内容でした。
カイブツはつくれる♡
合図もなく一斉に銃を構える警察官、血の噴き出し方など、出だしから演出がわざとらしい。
早速リアリティラインの引き下げを決定。
「脳を奪う」というあらすじとアタマの展開で、ターゲットや動機は早くも察しがつく。
しかし、木こりのミスリードはなかなか上手い。
いや、終盤で乾を浮上させたあたり、上手くはないのか?笑
途中までは杉谷と見せかけての映美だと思ってました。
キャラの背景や関係性、過去の深堀り、殺害シーンなどもないのに(ないから?)、中盤ダレる。
2回目の襲撃などを削って、100分程度でサクっとまとめた方がよかったのでは。
「タケシ」だと思ってたわけでもなかったし、面識ないはずの二宮に何故「犯人が分かった」のか。
…このせいで騙されましたよ。
「東間の家」ですぐ分かるのもおかしい。
当時のデータがあっても現在の所在を調べるのは容易ではないし、全員が東京にいるのもご都合が過ぎる。
演技自体も全員微妙(まさかの獅童が一番よかった)。
だがそれ以上に、難しい台詞を自然に言えない方ばかりで、警察やら医者やらまったく“プロ”に見えなかった。
キャスティングは悪くはないけどハマりきってもおらず、申し訳ないが“第三候補”みたいな印象。
『サイコパスvs殺人鬼』という煽りにしては、意外と地に足のついた展開なのも拍子抜け。
(オチとしては綺麗だと思うけどね)
二宮弁護士は少しくらい仕事するべきだと思います。
感情が芽生えるが…
気になってた映画だったので鑑賞!
二宮彰は有名な弁護士事務所で働く有能な弁護士ですがサイコパス。
ある日駐車場で襲われ頭蓋骨を骨折する重症を負います。
絵本の怪物の格好をした人物に襲われたことで
頭の中にチップが埋められていたことに気づきます。
そして世間では頭部を破壊して脳を盗む連続殺人が起きていました。
警察は調べていくうちに怪物の木こりは児童養護施設の出身者を狙っていることがわかります。
その被害者達は31年前の東間翠の事件で生き残りで脳チップを入れられていました。
なぜこんな事件を起こしたのか…
理由はサイコパスだった息子の治療。
脳チップを入れサイコパスにした子供達のデータを集めていました。
同じサイコパスでお互い利用し合っている関係である杉谷にチップのことを相談します。
杉谷に31年前の事件ことを聞き、脳チップを取り出すことが目的と考えます。
二宮は怪物の木こりから警察に情報が漏れることを防ぐために先に始末しようとします。
ジョギング中に襲われるもなんとか逃げ切ります。
子供が後ろを指さして襲われるところはびっくりでしたね…
前に暮らしていた児童養護施設に行き
当時電話で心理テストのような質問をしてくる人物がいたことを知ります。
夜に怪物の木こりが襲ってきますが正体は真似をした杉谷でした。
二宮が本当にサイコパスではなくなっていることを確認するために襲ったといいます。
斧を手に取っても殺さなかったことにがっかりしました。
刑事でプロファイラーである戸城は、乾が妻を殺害した可能性のある剣持を殴って異動させられたことと31年前の東間事件の生き残りのタケシは剣持武士だったことを知って驚きます。
戸城は二宮の家に行き車にGPSを仕掛けます。
二宮に怪物の木こりと関わっているか聞きますがはぐらかします。
二宮のスマホに怪物の木こりから縛られた婚約者の荷見の写真が送られてきます。
東間の屋敷へ向かい怪物の木こりと戦いますが罠に足を挟まれ動けなくなります。
怪物の木こりはマスクを脱ぐと正体は二宮の予想通りの剣持でした。
剣持は以前に殴られた時にチップが壊れて普通の感情を取り戻していました。
そして妻を殺してしまった罪にさいなまれていました。
自分と同じように脳チップを埋め込まれてサイコパスになった人間達を殺して被害を食い止めようとしていました。
二宮は荷見を盾にしてサイコパスであるような演技をします。
剣持は斧を振り下ろせず乱闘になり動けなくなります。
そして二宮は剣持が子供の頃に助けようとしてくれたことを思い出します。
二宮は荷見を抱えて屋敷を去ります。
戸城達が屋敷に着きますが剣持が自ら放った火で焼け死にました。
二宮は家に帰り荷見を抱きしめますが父親を殺したのが二宮だと知った彼女は刃物を腹部に刺しました。
二宮は荷見を殴り首をしめ「これで正当防衛になる。戸城刑事のところへ行け」と言ってその後に倒れます。
ここで終了!
亀梨さんと染谷さんのサイコパスの演技がすごかったですね!
個人的に二宮と戸城の絡みがもうちょっとみたかったです
あと血がよく出るぐらいでそこまでのグロくはない印象…
剣持が怪物の木こりで昔の事件の生き残りなのはびっくり😳
面白い映画をありがとうございました😊
絵本とのマッチングよかった
モチーフの絵本の物語と主人公たちの立ち位置のリンク、のうのうと生きるでなく、因果が巡るのは好みだった。
サイコパスに関するイメージとか、脳手術とか自分の認識と違うところもあったし、あの医者はどうなのとかあるけど、亀梨さんの芝居も良かったと思う。中村獅童は最初DQNが上手過ぎてそうとは思わなかった。
演者たちは素晴らしい
原作未読なのだが、なんだか分かりにくいストーリー。
そもそも、サイコパス生成のための脳チップが壊れたのにも関わらず、義憤に駆られてやってるのがサイコパス狩りという名の下の残虐な殺戮ってのが意味不明。
シリアルキラーに対極的とも言える木こりという純朴なキャラクターを被せたのは良かったと思う。
亀梨和也の能面のような表情は今作のようなキャラクターにはピッタリはまっていた。
実直なんだけど不器用という乾刑事役に渋川清彦を配したのはナイスキャスティング。
訳ありサイコパス
サイコパスって言っても見た目はそんなに分からなくて、愛情も感じるけど脳チップの影響でおかしい部分もある。だんだんと変化していく様子が理由を知っていると分かるけど、知らないと気付かない。亀梨くんの演技がわざと感がなくてとても良かった。そしてそれが逆に怖い。信じたい。信じられない。生きたい。生きられない。守りたい。守りきれない。それぞれの葛藤が切なくて涙しました。最後は死んじゃうのかなぁ。。生きてて欲しいな😢そして続編あったらまた理解が深まって面白そう😊
三池監督とタランチーノは大の苦手。吉岡里帆さんが出てるから鑑賞。
「吉岡里帆様に殺されるなら本望です」、とか映画の本筋とはあまり(まったく?)関係ない感想からのレビューで後が続かなくなった。最初レビュータイトルにしたけどネタバレになると思ったので本文の冒頭に持ってきたけど続かなくて行き詰まる。
どうしよう?
吉岡里帆が人殺しちゃうんだと思って今回1番驚いた。正当防衛工作も「なるほどなあ」と感心した。
聡い人や、ミステリー好きは吉岡里帆が亀梨クンを刺しても想定内で、正当防衛も含めて「ヤッパシな」と思って驚かなかったかもしれない。だけど僕は「何てこったい、吉岡里帆、亀梨クン刺しちゃうんだ」と思って呆気にとられた。正当防衛も、あっ、そうくるのかと感心することしきりだ。
まあ亀梨和也はイケメンなので殺しても罪にはならないから、吉岡里帆様は気にしなくて全然OKだ。たしか日本の法律ではそうなってるハズだと思う。誰か早くトドメをささんかい。
昔ジャン・ギャバンがアラン・ドロンとの共演のオファーで、「あいつのドテッ腹に銃弾ぶちこむ役なら出てやってもいいゼ」とか言ったとか言わなかったとかいう話を思い出した。大昔だから2人を知る者は今では誰もいない。
亀梨クンが刺されず、あのまま何も無かったかのような顔して生き続けるのもちょっと不気味でいいと思った。一応はイイ人になっちゃったから怖さは半減だけど。
染谷ッチが野放しなのは困ったことだのう。相棒がサイコパスやめっちゃって残念がってたのが笑えた。染谷は天然だから一生サイコパス。エンドロールで中野信子センセがサイコパス監修とか出てた。
血がドバドバ出て脳ミソや内臓がグシャグシャする映画は苦手なので、予告編を最初見たときは見ないことを即決定した。当然三池監督の他作品も基本的にパスだ。だけど予告の最後のほうで吉岡里帆が出てるのが分かったので見ることにした。仕方ないから予告編も本編もドバッとかグシャっていく場面は直前に目をつむってしのぐ。
タランチーノ見ないと映画通にはなれない決まりだから、通目指して最近は見るようにしてるけど、ドバとかグシャは目を背けてるのでタランチーノを見たことにはなってない。タランチーノ作品からドバとグシャを取ったら、それはもはやタランチーノじゃないだろう。最近タランチーノの第1作目の再上映の予告編をやってるがドバドバしてるので目を背けてる。見に行くけど。
プロファイリングの人が菜々緒さんだとエンドロールで知る。僕はメイクや髪型が変わると、よく知ってる役者でもすぐ分からなくなる。伊達メガネもしてたし全然分からなかった。今思い出すと確かに菜々緒さんだったような気もする。
「菜々緒様に殺されても本望です」。ああもう2人で俺を刺してくれ。
偏ったサイコパス像を正したいのかな?
今やテレビやYouTubeでも当たり前のようにサイコという言葉が使われるようになっているのでとてもセンセーショナルなテーマだと思います。もちろん曲解ですが...
まず、医師や弁護士って肩書きに稚拙さを感じました。
身近な優秀な人もサイコパスな可能性があるって言いたいのかもしれませんが、それらの設定は全く活きていません。
弁護士として、手段を選ばない描写があるかと思いきや、全くなし。
それどころかと冒頭で足が着いて、相手を殺し、火消しをしてもらうところから始まります。
ネット上なんかだと、サイコパスを特別視というか英雄視するような人もいるので、
彼らにサイコパスは完全無欠なのではなく、脳の一部が違うだけの人だって言ってるんですかね?
そして、なによりサイコパスが動物を殺すのになんの躊躇いもないってのがあまりに安直といいますか、専門家(菜々緒)もいるのだから、他にこういった一面もあるって言って欲しかったです。
ミステリーという感じでもないですし、サイコパスvs殺人鬼って程でもない気が…
設定のご都合感
吉岡里帆ちゃんが可愛く、重要な役柄は染谷将太と中村獅童なら間違いないなぁ、とは思いつつも。
事件根幹の設定がファンタジーすぎて、ノれませんでした。
脳にチップを埋めて、普通の人間をサイコパスにする実験の被験者?
まだ実用化されてない、どうにか治験が承認された段階の技術だし。
それも身体が不自由な人間が機械と接続して肉体の動きを補助するものであり、そんなロボトミーみたいな技術じゃないし。
石ノ森漫画版『仮面ライダー』で、ショッカーに脳改造された一文字が、本郷と戦って記憶と良心を取り戻し、2号になる話のトレスっぽく。
エンドロールに「サイコパス監修」って役職があったけど、サイコパス設定がご都合すぎて、何が何やら。
三池さんらしく、演出は平板だし。
1,000円「映画の日」に観られてよかった。
深海魚
三池監督が手がけるサイコパスもの、冷酷な弁護士vs殺人鬼、おっとこりゃ〜面白いだろうとセンサーがビンビンに働いて、公開を楽しみにしていました。映画の日のスタートは今作はじまりでした。特典はポスターが貰えました。
原作は未読だったので、予告やあらすじでなんとなくの物語を辿っていきましたが、まさかの展開に心躍りましたし、サスペンス要素も物語にしっかりと活きていたので2時間止まる事なく楽しめました。
目的のためなら手段を選ばない敏腕弁護士が仮面を被った殺人鬼に襲われ、それをきっかけに脳に異変が起きるものの、なんとかして殺人鬼をとっちめようみたいな感じのあらすじです。
今作の1番の特徴で、しっかりと驚かされたのが脳内チップが壊れる事によって、サイコパスとしての感情が薄れていき、今までやってきた悪行の数々を後悔してしまうという、脱サイコパスの物語になっていくのが面白いなと思いました。
サイコパスの子供を持っているから、それを治すのではなく、周りの子供をサイコパスにしてやろうという、えげつない作戦を思いついた夫婦の動きとかをもっと観たかったなぁと思いました。
なんやかんや、純粋に人間とか動物とかを実験の類にしか思っていない杉谷がヤバイやつだなと思いました。既に何人もの人間を手にかけてる事をサラッと話しましたし、実験台として飽きていたはずの猫を持ち帰ってまでいじりたいなどなど、表情や仕草の変化が少ないからこその純朴なサイコパスがそこにいました。1番救いようがないですし、本人もこれでいいと思ってそうなので、彼が出てくるたびウキウキして観ていました。
「スマホって本当に体に悪いんだね!」(物理)は悪趣味極めててキラーフレーズでした。
若干残念だったのは、三池監督の悪趣味さやエグさが抑えめだったかな〜というところです。全体的に出血量はしっかり出ていますし、染谷くんの静かなサイコパスな感じは中々良いんですが、「初恋」で観たクレイジーさがどうにも忘れられず、それを超えるものを期待してしまった自分がいたので、予想通りで止まってしまったなぁという印象です。アクションもちょいちょいはありますが、そこまで多くないですし、既視感のあるものだったので、意外性は無かったかなと思います。
血しぶきブシャーは出すぎだろ笑と思いましたが、そこはなんだかコメディ色の三池監督がひょこっと顔を出したなと思いました。
オチもまぁ想定内な感じなので、やっぱ殺されちゃうよなと腑に落ちてしまいました。
役者陣の演技、それぞれの味が出ていたのは良かったと思うんですが、主戦場がシネコンからミニシアター系、舞台と幅広いのもあってバラバラになっていたかなと思いました。様々な役者を揃えて、一同を介して演技するというものの難しさを今作で改めて感じさせられました。
中村獅童さんはマジで最高でした。サイコと常識人の切り替えの緩急の付け方が絶妙でした。
原作はまた違うラストみたいなので、映画から原作に入る形で読んでみようかなと思います。映画の日、1本目は幸先の良いスタートを切れました。
鑑賞日 12/1
鑑賞時間 9:10〜11:20
座席 H-12
全70件中、41~60件目を表示