「13」復讐の記憶 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
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チラッと他の方のレビューを見た感じ反日と親日の人々が入り混じり、複数の人物に恨みを持っている老人の復讐劇という感じなのかーとい情報片手に鑑賞。このテーマを扱っているのもあって、日本での上映規模はとても小さいですし、宣伝もあまり見なかった印象です。
個人的にはとても楽しめました。スリリングな場面あり、考えさせられる場面あり、ほっこりする場面あり、多少引っかかるところはありつつも、尺の長さは全く感じさせないほどあっという間に最初から最後まで駆け抜けていきました。
新日の韓国人が許せないというよりかは、主人公の家族を殺したもの、もしくはそうなるように手を回したもの、裏切った同胞たちに向けて復讐劇でした。
娘達を嫁に出し、妻も見送り、親として夫としての責任を果たして最後の大仕事へというのがなんとも渋いです。
最年長バイト(80歳)と若いバイトの交流は年齢を超えた友情が強く描かれていてほっこりしました。復讐さえ無ければこの2人は真の意味での親友だったんだろうなと胸がキュッとなります。道中でスーツを買ってあげるシーンなんかとても好きでした。
殺す手段は植民地時代に使用されていた銃というこだわりっぷり。最初の相手にだけですがペットボトルに綿を詰めて音を最小限にして殺すのは練られているなと思いました。2回目以降は不発に終わったので、シンプルにバチコンと撃っていくのはまぁ計画はうまくいかないというのが体現されていました。
両親、姉、兄に携わった人物を狙い撃ち、練りに練った計画を実行していく姿は80代に見えず、執念は年齢をも超えて果たすまで残るもの、そして最終的には何もできなかった弱い自分自身を始末するというラスト、そこに全速力で止めに来るジェイソン、構図的にはよく見る画ですが計画の終着点としてはうまくまとまった終わり方だったなと思いました。
刑務所での再会でフレディは殆ど忘れてしまっていたけれど、2人が抱きしめ合ってフレディが手を回して優しく生きてくださいというセリフは沁みました。ジェイソンの悪い事はしたけど、悪い人じゃないとお互いにかける言葉に人間性が表れているなと思いました。
不満点としては日本人役はなんとかして日本人を配役できなかったのかというのは惜しいところです。もちろん、役者陣は慣れないであろう日本語を頑張って喋ってくれていましたし、自分が韓国語をあそこまで喋れるかといったら間違いなく自信はないので、そこを卑下するわけにはいかんなと思いました。んーでもやはり違和感は…。
主人公たちが都合よくトラブルを回避できてたのもなんだかなぁって感じです。偽造書を作れる知り合いが突然登場したのにもん?ってなりましたし、入り口のチェックの際にそんな少ない調べで本当に大丈夫か?とも思いましたし、なぜそこに警察が来ない?とここのシーンは雑だなと思いました。
警察たちがしっかりともたついていたのが何回もあったり、借金取りが自分もやられたとはいえあそこでアシストするのはちょっと都合が良かったのが気になりました。
エンタメ性十分、韓国映画を多く観ているのもあって入り込みやすく、半世紀以上前とはいえ日韓の関係性について深く考え、少しずつではありますが良くなってる関係性を映画などのエンタメで強まっていけばなといち日本人として強く願います。
鑑賞日 9/11
鑑賞時間 12:35〜14:50
座席 B-4
こんばんは。
復讐の動機や対象に関しては、仰るとおり親日どうこうでなく個人的なものだったと思います。
キム将軍の息子は(足は打ったけど)殺しませんでしたし。
スーツを贈るのはいいシーンなのですが、テーラーで既成を買うのは違和感ありました。
(普通は気にならないでしょうが、自分が仕立て屋勤めなので。笑)