「盥、、書けますか?読めますか?」違国日記 ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
盥、、書けますか?読めますか?
ヤマシタトモコ先生の同名コミックの映画化。
原作既読、ガッキーファンです。
んーーーーーーーーー。。。
原作で描かれる不条理で残酷な世界観を表現できていなかったと思ってしまった。
朝(早瀬憩ちゃん)と槙生(ガッキー)が抱えている両親・姉との確執の他、世代、ジェンダー、セクシャリティ、ルックスからくる苦しみや差別など、原作では丁寧に丁寧に描かれている問題を全てさらっと上辺だけすくった印象。。
(白斑の子も何気にいたね)
今は亡き実里の存在。
槙生と朝は過去に彼女からどんな事を言われ続け心を縛られてきたのか。
槙生と朝の人生を、ある意味支配していた実里。
彼女の死を2人はどう捉えていくのか。
実里から発せられた呪いに近い言葉の数々。肉親からの呪縛。
原作では共感できた部分も本作では端折り過ぎていて心に刺さらなかった。
又、タイトルにもある「日記」が重要なアイテムになるはずが、こちらの扱いも中途半端で残念だった。
槙生が両親を亡くしたばかりの朝に
「日記」をつける事をすすめる。
朝がどうやって両親の死を受け入れていくのか。
思春期の子供にとって親の死とはどういうものなのか、原作では丁寧に丁寧に描かれていた。
そして実里が朝に遺した「日記」
映画では高校卒業のタイミング
(原作ではハタチになった時)に渡そうと書いていたもの。
原作では「日記」を通して朝と実里の心の中を知る事ができ涙したのに、本作でのあの扱いでは重要度が低く感じ悔やまれる。
実里がどんな人物だったのかも、想像力だけでは補えない情報量の少なさだった。
原作が素晴らしいもので、読むほどに考えさせられる作品だった為、辛口評価になってしまったが、原作未読だったとしても、作品として私にはあまり刺さらなかったと思いまつ(°▽°)
(そして、作品は監督のもの。原作と比べても意味のない事はわかっているんですけどね。。)
醍醐(夏帆ちゃん)笹町(瀬戸君)
塔野弁護士(染谷君)えみりなど、
2人を取り巻く人物達は優しく魅力的に描かれていて原作同様に素敵でした。
(原作では更に魅力的です♪)
小説家の槙生らしい言葉選びも良かったですね。
「あなたを愛せるかどうかはわからない。でも私は決してあなたを踏みにじらない」
対象的な2人が共同生活を通して距離が近づいていき、関係性に変化が起こる過程が見所です。
ちょっと詰め込みすぎて、深掘り出来ていない全体像でしたが、わかり合えなくても、寄り添えること、かけがえのない存在になれることは上手く示していました。
それぞれの立場に安易に共感しない所に好感が持てる。
そんな槙生と朝を通して優しい気持ちになれたことは事実。
スウェットすっぴん汚部屋住みガッキー、
「正欲」に続き、ぶっきらガッキーは見所♡
朝役の憩ちゃん。可愛いのに時々オカリナに見えて焦った('◉⌓◉’)
コメントありがとうございました。
レビュー拝読して印象が蘇ったのですが、死んじゃった人って生者を一方的に支配(だって反論できないですから)して、無敵なんですよね。
共感ありがとうございます。
“想像力では補えない情報量の少なさ”、全体的にそう感じられました。原作未読だったので自分には高評価だったのかもしれません。この監督さんの作品は嘘つきなんちゃら位しか観ていないのですが、全体的にぼんやりしたイメージが今作には合っていた様な気がしました。
コメント失礼します
自分は原作未読、ガッキー好き
なるほど〜原作の良さは描ききれなかったのですね
鑑賞し何となく感じました
色々と詰め込みすぎて深堀りしてないところが自分も物足りなかったし、『日記』の存在弱くない?とも思ってたので……
でも登場人物は魅力的というかハマってる感があってそこは好きでした
こんばんは
原作の良さや丁寧さを出しきれてないのですか?
亡くなった実里さんが槙生だけでなく朝も支配している描写、
そして「日記」の持つ意味と重さも、もっと描かれてる・・・
少し近づけた気がしました。
ガッキーの演じる女性像。
共感しました。