「子供の頃を思い出す」ブギーマン Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
子供の頃を思い出す
2005年に同タイトルの作品があるが、特段リメイクという訳では無いそうだ。「ZOOM 見えない参加者」のロブ・サベッジ監督だが、変わり種を多く生み出す過去作とは打って変わって王道ホラーで攻めてきた様である。
母親を失って悲しみに暮れる残された家族が、怪物と対峙するのと同時に次へと進んでいく構成はいかにもスティーヴン・キングの物語そのものである。ブギーマンの正体等は深掘りしないが、子供の頃に漠然とした恐怖―例えばドアの隙間から誰かが見ている感覚、あのなんとも言えない光る目が2つ自分を睨みつけている様に感じるあの感覚を思い出させてくれる様な演出が中々怖くて好きだ。
また、暗闇と対照的に光を放つアイテムを使って陰影を付け、より暗い部分に怖さを増強させる技も披露してくれる。末っ子が持ってる光るボールはいかにも何か出てくるフラグが立っており、怖さを通り越して笑えてくる位だ。恐怖演出にオリジナリティは感じられないが、「怖さ」で言えば次第点だろう。
前半はじわじわ攻めてくる陰湿な怖さで畳み掛けて来るが、後半はお互いで物理攻撃を繰り出す肉弾戦へと発展する。そのギャップに驚かされながら、王道かつ安定の作りでそれなりに楽しめる作品だ。
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