「分からず屋な者への子供達の反抗」ペルリンプスと秘密の森 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
分からず屋な者への子供達の反抗
敵対する国同士のエージェントが、巨人によって脅かされる魔法の森で出会い、森を守るとされる「ペルリンプス」を見つけるべく協力するが…という、ストーリーこそアドベンチャー要素が高いが、その裏には我々の現実世界で起こる緊張と摩擦、対立といったメタファーを見る事ができる。ネタバレになるような事は書かないが、あえて1つ言えば、「分からず屋な者達」への子供の反抗だ。
とにかく色彩表現が鮮やかでキレイな上に、終盤のスローモーションを使った演出に息を呑んだ。イキイキとしたキャラクターの動きも楽しいし、ラストに登場するあるキャラが可愛いこと可愛いこと。劇伴もどれも耳馴染みが良くて素晴らしく、サントラが欲しいぐらい。
ペルリンプスの正体が何かは観て確かめてほしい…と言いたいとこだが、観る人によっていかにようにも解釈ができよう。一応劇伴で暗示はされているが、あくまでもそれは暗示に過ぎず。でもそれもまた正解なのだ。
記者会見で監督が「友情」というフレーズをしきりに連呼していたのが印象的だった。
今年観た映画の中でもベスト級の1本。
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ひろちゃんのカレシさんのコメント
2023年12月5日
こんにちは。
御指摘の通り、多様な解釈を許容しそうな優れた作品だと感じました。
友情というのが、人と人、国と国、人と自然、人とテクノロジー等様々なものの間に成立しうると信じたくなりました。