「人種問題と年の差婚」不安は魂を食いつくす エロくそチキン2さんの映画レビュー(感想・評価)
人種問題と年の差婚
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選から2本目。
う〜〜〜ん、これは傑作‼︎
ドイツ、ミュンヘン。掃除婦として働く初老の未亡人エミは近所の酒場で出会った移民労働者の青年アリと恋に落ち結婚した。
序盤のあり得ない急展開に呆然とした。
移民を差別し、移民と結婚したエミをバッシングするドイツ人たち。ドイツ人に虐げられドイツ人を嫌悪する移民たち。確固として存在する人種問題。
そして、こわれもののようなエミとアリの関係。
60代の歳を取り過ぎているエミと30代で壮健なアリとの行為が想像できなかった。アリは結婚後も必要以上に豊満な肉体をもつ酒場の女と関係を続けた。
残酷なキャスティングだった。
凄いキャスティングだった。
真実の愛だと信じようとしたが確信が持てなかった。打算だったのではないかと最後まで疑った。
恋に猛進する老女エミを演じたブリギッテ・ミラ。
微妙な容姿を含め完璧にハマっていた。
名演だった。てか、ある意味グロテスクな怪演だった。
アリを演じたのはファスビンダーの愛人だったというエル・へディ・ベン・サレム。彼の逞しく美しい肉体、そして酒場の女を演じた後にフレディ・マーキュリーの恋人となるバーバラ・ヴァレンティンの熟れ過ぎてはみ出した肉体が見る目を曇らせた。
エミにとっては手で触れるアリの肉体が真実そのものだったのだろうが。
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