「年の差婚と人種差別」不安は魂を食いつくす 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
年の差婚と人種差別
ファスビンダーの作品は知的で陰鬱なイメージが少々、ようは小難しい感覚で身構えながら観た結果は何だか拍子抜けしてしまうほどに和やかな気持ちにさせられる意外性にビックリ仰天!?
特に終盤での病院の場面、まるで昭和の日本にあったようなTVドラマやアニメみたいな感動する場面にこれみよがしで流れる古臭い音楽がホンワカした気分に、微妙に笑わせられてしまう。
微動だにしない登場人物を長回し、しつこい程のロングショット、アキ・カウリスマキの映画を思い出してしまう映像のLookや話運び、ちょっと違うが『ハロルドとモード 少年は虹を渡る』も何となく、耐えられないほどのストレスが好物のクスクスを作ってあげてさえいれば、そんな問題ではないのか!?
閉鎖的な時代背景か、それともそんな御国柄、70年代に描かれた物語は2020年代の今も変わらない、差別があるか無いか、人間ってそれだけの生き物かも。。。
家を出たまま、職場に押し掛ける、最初は同僚たちと嘲笑う、でも表情は曇り始め、心がキリキリしてしまう場面でもあり、二人には応援の眼差ししかない。
......アキ・カウリスマキにとって自分の映像スタイルは本作から多大な影響を受けていた、ファスビンダー監督作の中で最も重要な作品であると、物凄く納得できてしまうカウリスマキの言葉に気持ちがスッキリとさせられた。
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