劇場公開日 2023年9月29日

「耳の聞こえない女、大阪で見つかりました。」BAD LANDS バッド・ランズ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5耳の聞こえない女、大阪で見つかりました。

2023年10月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ひと癖ふた癖どころじゃない連中ばかり。信がおけるのかおけぬのか。身内だからと安心していいのか、むしろ全くの他人こそ大事を託せる奴もいて。そしてこのロケ地、大阪の天王寺新世界界隈とか、30年後には跡形もなくなっているんだろうな、そんな未来の想像がノスタルジーのような感慨を呼ぶ。なんか、ストーリーどうこうというよりも、映画の中の映像から、いろいろな感情が湧いてくる。それは原田監督の腕だな。作品は重厚感があるし。宇崎竜童の存在感がここまで映えるのもまたいいよ。刑事役の吉原光夫もこの手の映画にもってこいだわ。どちら側(単純に善悪といってもいいが)もいける役者だ。
と言いつつ、原作は黒川博行か。大阪のアンダーグランド描かせたらうまいなあ。香港映画のようなディストピア感もあるし、最後にかるいカタルシスを味わえる。
キャストについて一考。安藤サクラ、演技は誰しも認めるところ。たしかにうまいんだけど、性奴隷とされるほどの色気はどうなのかという点に曇がある。松本若菜とかだと生々しすぎるか。

栗太郎