春画先生のレビュー・感想・評価
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春画には日本人のDNAが凝縮されている?
春画の奥深さを味わって、教養を深めたところで、ドS女優競演のクライマックス。これは、予想をはるかに上回る面白さ。
内野聖陽がまじめな顔で春画の素晴らしさを語っているだけで、おかしみが伝わってくる。それに輪をかけて弓子が春画の魅力に取り憑かれて、春画の新たな発見をしていく様は、自分が体験しているようでもある。
円山応挙が和紙の白さだけで雪を表現する技法を春画先生が弓子に解説する。なるほどすごいと唸っていると、今度は、歌麿が春画で同じことをしているではないですか。
歌麿と北斎の違いは、致して描いたか、致さずに描いたか。この説明には、目からウロコ。
明治新政府によって封じ込められてしまった、性へのおおらかさというか、楽しむことへの屈託のなさ。日常に芸術が同居している豊かさ。
そんな日本人のDNAがたんと詰まっている春画を学んで行きたい。いや、楽しみのが先でございます。
愛すべき変態達の饗宴
コメディーではなかった。でもおもしろかった!
まさかの安達祐実劇場
もっと春画の世界を楽しみたかった
題材から、エロティックな話と見せかけて、実は真面目な話なのかもしれないと思ったが、やっぱりエロティックな話だった。
春画の解説を通して、文明開化以前の日本の性風俗は、今よりもずっとおおらかで開放的だったと説く春画先生によって、周囲の者の理性のタガが外れていくという設定は面白い。
その流れで、春画先生とその弟子の若い女性、編集者、そして先生の亡き妻の姉が織りなす、ちょっとアブノーマルな人間模様も楽しめる。
ただし、最初の頃こそ、春画を中心に物語が進んでいくが、徐々に春画が脇に追いやられて、最後は、(希少な春画の入手という目的はあるものの)春画とは関係のない三角関係と特殊な性癖の話になってしまうことには違和感を覚える。
特に、行為の最中の声を聴いたり、SMにふけったりといった性癖に、春画が何の影響も及ぼしていないことには、物足りなさを感じざるを得ない。
せっかく春画を取り上げるのであれば、もっと登場人物のキャラクターに絡めたり、人間関係に反映させてもよかったのではないだろうか?
先生による春画の講釈も、質・量共に満足のいく内容ではなく、弟子と共に、もっと多くの春画を鑑賞し、楽しみ方を学び、その奥深さを体感したかったと思ってしまった。
あそこを隠すと見えてくるものがある。
なるほど。でもそこまでだった。
もっと春画の魅力に引き込まれるような知的でお洒落な内容かと思っていた。自分に教養がないためか、楽しめなかった。
ポスターからは想像できないくらいのセンスのなさ。
テンポも良くないし、音楽も酷い。
弓子が春画に惹かれていく、そして春画先生に惹かれていくところが上手く描かれていないので、すべてに共感できない。行動原理が理解できない。
喫茶店という公共の場で春画を広げて見る。
自分を慕っている女の子を弟子である編集者と寝かせてその声を聞く。
お手伝いさんが辞めたら、もう僕には君しかいないんだと泣きつく。
挙げ句は、欲しい絵のために女を売る。
春画先生がただのクズ。
いっそR18にしてもっとマニアックな内容にした方がよかったのかも。
公開初日、数多の話題作が公開される中でこの作品を選んで観に行ってよかった。来週か再来週にはもうやってないかもしれないから。
こんな作品で裸体を晒した北香那がただただ気の毒でならない。
一瞬実相寺
沼る人になりたい。
春画先生
観るものを選ぶ作品
春画を詳しくわかるかと期待して鑑賞
初めての挑戦を評価したい
監督のコメントによると、無修正の春画を商業映画で扱うことにチャレンジする、というコンセプトが先にあった作品であるとのこと。
本編を観ると、「官能」と「芸術」と「娯楽」の要素を持つ春画の世界を投影する作品を目指し、ある偏愛の形を軸に全体を明るくまとめようとコメディテイストに仕上げたのだと感じた。
ストーリーは、地位のある男性と芯は強いが彼には従順な年下女性が、支援者にけしかけられながら二人の世界に沼っていく、官能小説のような物語。序盤は比較的コメディテイストが薄いのでつい真面目に見入ってしまうが、全編を通せば人間ドラマとしても恋愛ものとしてもファンタジー性が強く、真剣に観るより肩の力を抜いて観るのが正しい楽しみ方なのだろう。
女優陣や自然の風景を美しく撮ろうという熱意が伝わってくる映像は、非常に見応えがあった。
ストーリーや表現の端々に、商業映画として成立させるためのラインを見極めようとする手探り感や、映画の作風を妖艶な官能の世界に振るか文化や芸術の世界に振るかを迷ったような雰囲気も伝わってきた。世界観でも主張でもない現実が透けて見えたのは少々残念だったが、邦画界初の挑戦ともなれば仕方ないのだろう。
そうした挑戦的な作品が堂々と複数の一般試写会を開催していることもまたプロモーションの分野における挑戦であり、自分は歴史に立ち会ったのだと解釈した。
今作で無修正の春画を扱う最初の作品としての前例ができたので、いつの日か、より振り切って練り上げた没入感の強い作品が生まれることを期待する。
現世で「同志」を見つけられたヒトは幸いだ…
まず最初に断っておくと、本作は「コメディ」ではない。一風変わった「恋愛」作品ではあるけど。予告編から勝手に思い描いていたストーリーは、良い意味で見事に裏切られる(笑)。そんな裏をかかれる愉しみ?も秘めた作品だ。
老舗喫茶店でバイトしながら無為な日々をやり過ごしている弓子さん。彼女は、店内でテーブルに春画をこれ見よがしに広げる春画先生から、春画をもっと見たくないかと声をかけられ、興味を覚える。
ほどなく彼女は、谷崎潤一郎の短編にでも出てきそうな古風な先生宅を訪問。そこで春画の読み解き方をレクチャーされるうち、春画に、そして妙にストイックな先生に惹かれていく。
そんなある日、先生はいきなり弓子さんに、亡き妻のドレスを着用し(ヒッチコックの『めまい』のよう)、内々な春画の会合への同行を求める。これを機に二人のキョリはぐんと縮まるが、先生はヘンテコな性癖も顕わにしてきて…。
その後、キューブリック監督の『アイズ ワイド シャット』『シャイニング』やポール・トーマス・アンダーソン監督の『ファントム・スレッド』のような、全く予想外の展開があって、、、などと書くと相当ヤバい作品じゃないのかと誤解されそうだが、そんなことはない。むしろ、隠し味として『彼岸花』『秋日和』などの小津テイストがはらりとまぶされ、「おおらかで明るい」一品に仕上がっている。そこが、映画前半で熱く語られる「春画の魅力」とも一脈相通ずる本作の、類いまれな持ち味になっているのだ。
江戸時代の自由闊達な春画にドハマりしながら「亡き妻に操を立てる」という現代の呪縛からは逃れられない春画先生。
対する弓子さんの方はおのずと生命力をほとばしらせ、その場のノリに身を投げ出すかと思えば、70年代邦画の絵沢萠子のごとく、ひたむきに走って走って走り抜ける。
このふたりが互いを「同志」と認め合い、「人を好きになることの痛み」に悶々としながら共に歩を進めていく姿を、私は羨望と嫉妬が入り混じった眼差しで、そぉっと覗き見たのだった。
追記:
“覗き見た”本作ではあったが、鮮やかな青のブーメランパンツ一丁でぷるぷるさせながら歩く柄本佑のことだけは、唯一ガン見してしまった。小津監督作『彼岸花』の朱色のやかんに匹敵するディープインパクトだ(笑)。
春画とは…
まさしく””偏愛コメディ””
春画を教える人、学ぶ人の正統派芸術映画…かと思いきや、全然違った。
もうぶっ飛んでた。
登場人物みんな愛おしく思えてくるくらいの変人っぷりで『偏愛コメディ』ってキャッチフレーズが本当にぴったりしっくりくる映画でした。
変態純愛ラブストーリー‼️
今日の試写会は『春画先生』イベント付き試写会。
ポスタービジュアルだけ見て「春画」を扱ったちょっとエロティックな恋愛映画かなぁ(?)と思って見に行ったら、
とんでもない‼️
これは「変態純愛ラブストーリー」‼️でした(笑)
作品を重ねる毎に、どんどん変わった役が回ってくるようになってきた内野聖陽。本作ではついに行くところまで行っちゃったな、って感じ。
春画先生(内野聖陽)に恋心を抱く弓子(北香那)に襲いかかる試練の数々!
笑っていいのか?怒っていいのか?呆れていいのか?
塩田監督は新しいジャンル作っちゃったね!
弓子さん役の北香那さんが良い! 体当たりの熱演である以上に、前半のわかりやすい恋する乙女と終盤見せる振り切れた演技との振り幅の大きさが素晴らしい。!
もちろん、主演「内野聖陽」の怪演は必見! 内野聖陽は、どうやら春画先生のキャラクターは塩田監督に寄せてるらしい(笑)。
ラストシーンまで最高におもしろい! ただし、人は選ぶ!(笑)
#春画先生 #春画先生試写会 #春画先生観たよ
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