春画先生のレビュー・感想・評価
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単にヘタクソな映画。
いやー、これは「ポリティカル・コレクトネス」がどうちゃらとか金輪際関係ないですね。ただ単にヘタクソな映画。俳優もそうだけど、それ以上に監督が映画というものを舐めきっている。編集も画角も照明もゴミ溜めになっている。こういう無教養で不器用な年寄りに映画なんか作らせちゃいかんのだ。あまりにヘタすぎて「映画」に到達していないので、性愛がどうのフロイトがどうのとか、まったく笑止千万。老害監督はこれがエロくて笑えるつもりなのだろうし、いまだに前世紀を生きている老害観客はそれを喜ぶだろうけど、まあ老人同士で好きにやっててとしか言いようがないです。
禁欲が意味を持つ/アンチPC
2023年。塩田明彦監督。春画研究者(春画先生)と離婚歴のあるアルバイト女性の愛の行方。男に翻弄される女性が主人公だからというわけでもないだろうが、とにかく春画先生が現代社会での許容範囲を大きく超えて自己中だし、他の男どもが(女も)平気でセクハラを繰り返すので、これで恋愛映画が成り立つのだろうかとひやひやしっぱなしだった。しかし、逆に考えると、昨今の恋愛映画がいかにPC(ポリティカル・コレクトネス)に縛られた狭い領域に収まっているのかを考えさせられた。そういう意味では大胆なアンチPC映画だった。あっぱれ。(感情移入できずに批判する人が多発しそうだが)
春画が題材だけに、近代以前の日本のおおらかな性の世界を描くのかと思いきや、それも描いてはいるものの、メインストーリーは、春画先生の禁欲(喪からの回復)をいかに克服するのかということ。「おおらかな性」は「禁欲」が意味を成すための背景に過ぎないのだ。ところで、離婚歴のあるアルバイト女性が働く喫茶店名「フロイデ」はドイツ語で「喜び」「歓喜」だが、日本語ではフロイトと通称されるあの精神分析の創始者のドイツ語名にeがついただけでもある。この映画の内容自体、第三者を巻き込んだ倒錯的な性行為とか、いわゆるSMを通じた快楽とか、フロイトの性理論の範囲内にあるともいえる。そして、フロイト理論が19世紀的な家父長的で禁欲的な性意識を前提としてたことはよく知られている。そう考えると、PC的にあまりに問題があるのは、フロイト的な前提があるからだといえるのかもしれない。
女性の裸体を隠微な欲望や権力的な陰影のまったくない、あっけらかんとした文脈で描く無頓着さがある一方で、男性優位の性的秩序に従順な女性たちがいずれも小柄でかわいらしい似たタイプであるという特定の女性像への固執もみられる。とにかくいろんなものがごちゃごちゃと放り込まれていて、くらくらする映画だった。
何が正しいのか、何が悪なのか、何が聖なるもので、何が愚劣なものなのか。
R15+指定。史上初、無修正の浮世絵春画上映。そう聞くとどこか猥雑な印象を持ちかねるが、鑑賞後の気分はとても気分がいい。自分の美意識に、卑下ることなく、日和ることなく、純真さを持って芸術に触れようとしている愛すべき人たちがこの映画にはいるからだ。
とにかく、北香那の表情がいい。この役はこの子こそ似合う。まぐわう男女を目の前にして、紅く火照った顔をする北香那。しかしそれは画が発する直接的なエロスに興奮しているのではなく、男の視線や女の仕草に隠された感情を感じ取って悶えている。その高揚した気分が見事にこちらに伝わってくるんだよな。この映画的に言うと「心のリミッター」を外した時がいいのだ。これがフェロモン駄々洩れの女優が演じてしまうとエロ映画になってしまうのだけれども、まだ幼さが残る肢体であり、走り方に鈍さもある彼女が演じるからこその味がある。しかも、時たま凛とした色気を見せる。
内野演じる芳賀の言葉も含蓄がある。「セックスは一種の運動」とか「痛みこそが生きているという感覚を呼び覚ます」とか、ちょっと世ズレた感覚があってこそ春画をしっかりと芸術として味わえるんだろうなあ。あの崇高なるマゾヒスティックな美意識が成せるものだ。その気分は、尊敬ではなくてややバカバカしさも含まれるのだけれども。多分僕はこの先、堅いかつおぶしを見るだけで、さらにはシャカッシャカッと削る映像か動作を見れば尚更、この映画を思い出してしまうかもしれない。
先が読めないとは、この映画のことかと
よくミステリーで先が読めないとか宣伝しますが、この映画の方が当てはまるんじゃないですかね。どういう終わり方になるんだろうか? ずっと考えてました。
映画は大満足でした。
なんか、ジェンダーを声高に叫ぶような著述家、作家、活動家の特に女性には受けが悪そうな内容ですが、あくまでも、難しく考えないエンタメとして楽しめばいいんだと思います。
塩田監督は初期の作品と、前作「さよならくちびる」が大好きでやはりオリジナルを撮ってこそなんだと思います。独創性というか、こんなストーリーは中々思いつきません。
映画を観ると勉強になります。セキレイのこと、四十八手のこと、ホタルのこと、応挙の白のこと、そもそも春画のこと、いい歳して目からウロコの新知識がたくさんでした。
北香那さん、わたしがテレビを観ないせいかもしれませんが、名前も顔も、今回まで存在を知りませんでした。なんか常盤貴子さんの若い時みたいかなとか考えてましたが、しっかりとした役作りと演技でした。セリフも良かったです。
こんな若くて可愛い女優さん、まさか露出ありなのか?展開的にはありそうだな、R15は春画モロダシのためなのかな? などと下品なことを考えながら観てました。ネタバレは止めます。
なんか映画らしい映画でした。塩田監督、素晴らしいです。最後に、柄本さん痩せてるわ。
終始意味が分からない(笑)
偏愛やー。
題材が斬新
今後の参考にさせていただきます♪
コメディとは思いませんでした(笑)。
これは私にとって文学、芸術と思いました。
春画はこのように鑑賞するものなのですね。
無知の知です。ありがとうございます。
十代であった頃から興味深かった春画ですからとても感動しました。真面目に。
北香那さん、彼女の演技は初めて観ましたがファンになりそうです。
特に後半のほうSMシーンでの台詞回しが圧巻。
今後の参考にさせていただきます。
(どうでもいい話→)……私自身、一時期特殊なバイトをしたことがありまして…その記憶が彷彿と〜(笑)。
某図書館で改めて春画の鑑賞会(風)を個人的にしようと思いました。芸術の秋です。
途中から、笑うしかなくなったよ
「きのう何食べた?」のケンジ役でそれまでは硬派な役柄が多かった内野聖陽さん、本作ではどのような変身を遂げるのかワクワクして出掛けました。
最初の方は春画が広まった当時の開放的な性に関する文化を取り戻すための啓蒙か?それとも美術として捉えた鑑賞の仕方を発見するための布教なのか?なんて色々考えながらも随所でぷぷぷと吹きながら観ることができたのです。
それが、安達祐実さんが登場してからというもの、急に倒錯した性の世界に転じたようで、笑えはするけれど「こりゃ、何を見せられてるんだ?」と脳内疑問符だらけになりました(右手人差し指を自分の黄門様に刺しながら上に乗っかられたら、色んな所痛いだろうなぁとか、大きなお世話感も抱いちゃいながら😂)。
でもたまにはこんな作品で、爆笑じゃないけどくすっと笑える作品も1年に1回くらいは良いではないの!なんて自分に言い聞かせた次第です。
しかし、北香那さんの眼力はとても強くて印象的でした、今後も楽しみですね。
発情を促す映画です。たーまーりーまーせーん。(^Q^)/゚
ようこそ、変態の世界へ。
春画というちょっとディープな世界を覗き見る気持ちから、
めくるめく変態?の世界への誘いへ。
百人百様の趣味性癖
初めて一人部屋で春画を見た彼女の反応が可愛らしかった
一人だから遠慮なくジロジロ見つつも、
見てしまった事に恥じらいながらもベッドへダイブ!
きっと自分も同じような行動取りそうだな。
春画が入口になって、春画先生への愛に目覚め、
覚醒?してしまう彼女の変化が面白かった。
やっぱり女は強い
変態ゆえの純愛、堪能させていただきました。
ラブストーリー
文化勲章返上せよ💢
タイトル(笑)
文化勲章(紫綬褒章)をつい最近もらったばかりの内野聖陽。
喫茶店で春画を堂々とウエイトレスに見せびらかし、喰いついて来た女子大生アルバイトを自宅に誘う春画先生。勲章貰っている内野聖陽、余裕が感じらました。説得力ありました。
◯◯先生って呼ばれるお方はどことなく滑稽で、親しみやすい感じを受けるので、女子大生もつい油断しちゃうのか?
誇張された巨大な局部についつい目がいっちゃいますが、四角い文鎮で隠して、ひとつの浮世絵としてじっくり観察するという楽しみ方を指南する。インチキ臭くて笑っちゃう。
新人女優の北香那を相手になかなか面白い役だったけど、後半はちょっとベタな倒錯ストーリーになってしまって残念。
はじめて無修正春画が映画にというフレコミでしたが、次から次へと大洪水の如く見せられるわけでもなく、いまのご時世からするとそんなに大してエロくもないので、ついついタイトルに騙されたなぁと反省。
北香那の直接のお相手が柄本佑っていうところもイマイチ。
文化勲章もらっちゃうと直接カラめないのか。だったら、文化勲章返上しなさいよ。
北香那が可愛くてエロかった
男女のセックスシーンを描いた春画の研究者である、春画先生こと芳賀一郎は、妻に先立たれて以来、女性に触れる事なく世捨て人のように春画の研究に没頭する日々を過ごしていた。そんな一郎から春画鑑賞を学ぶ事になった春野弓子は、春画の奥深い魅力にのめり込んでいくと同時に、一郎に恋するようになっていった。やがて、一郎が執筆している「春画大全」の完成を急がせている編集者・辻村や、亡き妻の双子の姉・一葉が登場し、一郎に愛されてる弓子は嫉妬され・・・てな話。
弓子が一郎に惚れ、そのために体を投げ出す、なんてストーリーがイマイチよくわからなかった。
弓子役の北香那が可愛くて、エロくて、良かった。
柄本佑の自然な演技は流石だし、安達祐実もなんか吹っ切れた女王様的な演技が良かった。
無修正の浮世絵春画を映画館の大スクリーンで観れるとは・・・ちょっと驚きだった。
飲み込みにくい怪作
つまらなかったか? 嫌いか? と訊かれればノーと答える。でも、不満点も山ほどあるし、物語の着地も予定調和すぎてつまらない。このモチーフならもっと描くべき絵があるはず。
脚本は少し雑で観客の想像力に甘え、先を急ぎすぎている。演出や絵作りも丁寧だが、作り物感が強めで綺麗すぎる。
メインキャストの演技は素晴らしい(とりわけ安達祐実さんの女優としての凄みを再認識した)が、役者魂を見せるべきクライマックスが映像として表現されていない。
テーマを考えればもう少しエグ味が欲しい。
春画という題材が途中から単なる小道具になってしまってることも惜しいし、全体的にどこか噛み合ってないミスマッチだらけの作品でした。
逆にだからこそ嫌いになれず、心に残り続けるのではないか、という稀有な映画体験でした。
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