劇場公開日 2023年10月13日

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「愛と性(癖)の物語」春画先生 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0愛と性(癖)の物語

2025年2月27日
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鑑賞方法:VOD

今の生活に満足していないとき熱中できるものを求めたり、劇的な変化をもたらせてくれる何かを待ち望むことがある。
多くの人はそれなりに若い時すでに熱中できるものを見つけるものだ。いわゆる趣味である。もしくは恋人などだ。

北香耶演じる主人公弓子は、ただ待っていた。自分を変えてくれるかもしれない何かを。
そして出会った。春画である。
春画の向こうには内野聖陽演じる芳賀先生がいる。もしかしたら最初から春画の虜となっている芳賀に惹かれたのかもしれない。
春画に夢中な芳賀を自分の虜にしたかったのかもしれない。
それは弓子自身も分かってはいない。物語が始まった時点では。

春画から振り向かせ、死別した妻からも振り向かせ、行き着いた先でやっと気付く。弓子の本当の望みを。
それは弓子の望みなのか、芳賀の望みなのか、はたまた互いに噛み合った望みなのか、作中の描写だけでは判断出来ないが、少なくとも最初に弓子が求めていた「変化」は2度の大地の揺れによりもたらされた。

観る前はユルい感じのロマンスコメディだと思っていた。雰囲気がそんな感じであったから。
しかし蓋を開けてみると、中々激しい愛と性(癖)の物語でびっくりした。
期待したものとは全然違ったけれど面白く観ることはできた。途中から春画がほとんど関係なくなっていくのは少々残念であるが。

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つとみ