「ローキーな商業コメディ映画。」トルテュ島の遭難者たち comeyさんの映画レビュー(感想・評価)
ローキーな商業コメディ映画。
ローキーなコメディ映画で、それなりに楽しい。でもそれ以上のものではない。が順当な評価の作品。そうと割り切れれば、まあ楽しく過ごせるのでは。
パリの旅行代理店につとめるふざけた男のコンビが、なんのかのとお膳立てをしたツアーの販売に飽きて「無人島で自力で生き抜くロビンソン・クルーソー式ツアー」を売り出すが、バカンス気分でやってきた観光客と現地で大混乱に…という話。
くるりくるりとしりとりのように展開してゆくヘンな物語は「フランス語のせりふ」が重要な鍵になっている(字幕だけだとこの映画のおかしみは3割減くらいになってしまう)。フランス小演劇の伝統は、この監督を考えるには大切なポイント。
プログラムにどこかの評論家?が、さして才能があるとも思えない冒頭の室内シーンをハスミ風(まさに「風」)に描写してみせて何ごとか深刻な含意がありそうなことを書いているが、笑止千万。もしそうならなんで以後そうしたシーンがいっさい撮られないのか。
これは全体が商業コメディ映画にすぎなくて、冒頭シーンは、一部にかつての『カイエ』風の凝ったシーンを頑張って残してみましたという以上のものではないです。
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