キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのレビュー・感想・評価
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予想以上の長さだけど、観てよかった
めちゃ長い映画だけと、凄く興味深かった。
展開が読めなくて終わり方も想像できなかったから、ずっと次どう来るか気になってて、長くは感じるがつまらないとは感じなかった。実際予想外の終わり方で、それもそれでショッキングの結末だと言えるかも。
主人公は自分が操られてることが認識できても結局言われた通りに行動する、いわゆる洗脳状態辺りの描写がとても巧妙で圧倒でした。傍観者だからこそヤバイと分かるが、当事者ならなかなか逃げないよな。
フィクションの部分も沢山あると思うが、これは実話に基づいた話だと考えるとどれほど残酷で恐ろしいのか、想像もできません。捜査官たちが全員揃ったシーンもフィクションだと思うが、マジカッコよかった。何か安心感が一気に湧いてきて、ありがたい。それでも結局権力者は司法の抜け道を知り尽くしてるところがまたリアルで言葉が出ないです。
日本とは全然遠い民族と歴史の話だけど、実際に今でも世界中似てるような出来事、紛争が起こってると思うと、かなり現実的な話とも考えられる。衝撃でした。
中身は何だったの?
こないだ鑑賞してきました🎬
とても恐ろしい事件ですね。
ディカプリオ演じる帰還兵のアーネストは、叔父でオセージヒルズの王と呼ばれるロバート・デ・ニーロ演じるヘイルを頼ってオクラホマへきます。
そこで暗に、オセージ族の女性と結婚を勧められ、徐々にリリー・グラッドストーン演じるモリーと親密になっていくアーネスト。
2人は結婚しますが、前々からオセージ族の財産に目をつけていたヘイルは、アーネストを上手く巻き込みつつ邪魔者を容赦なく排除していき‥。
リリーの親族はどんどん殺されていき、しまいには彼女の持病の糖尿病の薬と偽って、毒を投与させていたヘイル。
もう何でもありですね😥
更にリリーの直談判により、ワシントンから捜査員が派遣されると、身の危険を感じたヘイルは、関係者を口封じに殺されるよう仕向けたり。
アーネスト自身も、明らかに怪しい署名をさせられます。
この時は、流石にヘイルの方が胡散臭くて、アーネストがなぜ応じるのか私には分かりませんでした😥
あそこまで一緒にやってたら、感覚が麻痺するのですかね。
恐ろしいヘイルに従い続けていたアーネストも、留置場でリトル・アナという娘の死を知らされます。
この時のディカプリオの演技は、全身で哀しみを表現していますね。
表情や挙動が、悲壮感にあふれてました。
そしてとうとうヘイルの悪事を証言することになります。
後日、モリーに薬の中身を聞かれたアーネストは「インスリンだよ」と。
モリーは無言で出ていきました‥。
彼女は薬ではないことに気づいたんでしょうね。
アーネストもうすうす気づいてるようなシーンがあったような。
後日談として、アーネストとモリーは離婚したこと、ヘイルは終身刑になるも後年、模範囚として出所したことなどが語られます。
最後はあの人物も登場。
200分超えの非常に長い映画ですが、見応えありましたね😀
序盤に時折モノクロで、実際のオセージ族とおぼしき映像も映りました。
監督の思いが垣間見れますね。
リリー・グラッドストーンの、元気な時と消耗してる時の演じ分けや、どこか浮世離れしてるような印象を感じる表情、見事でした🙂
デ・ニーロ演じるヘイルは冷酷さが、よく出てましたね。
計算高く、金に汚いというレベルを超えてました。
ディカプリオやデ・ニーロも非常に良かったですが、1番はリリー・グラッドストーン演じるモリーですね😁
一見の価値ありです❗
欲深すぎることは罪である
3時間26分。
そんなに長かったのですか。
レオナルド・ディカプリオはもはやレオ様ではない。タイタニックやロミオ&ジュリエットの頃にもてはやされたレオ様ではない。もちろん少年の時から演技力は抜群だったし、お顔が綺麗なだけではない。知的障害者や薬物中毒者の演技などもこなし才能を発揮されていた。
しかし歳を重ねるにつれて童顔が故に役作りに悩んでおられたレオ様ももう、
すっかり熟し、演技力に磨きがかかった名優である。
ジャック・ニコルソンかと思えるほどの風格も出てまいりました。(ちょっと似てきましたよね?)
実話が基になってるとの事だが、ロバート・デ・ニーロ扮するキングがエグすぎた。オーセージ族を友と呼び、信頼を得ていて、オーセージ族の為に色んな便宜をはかるが、全ては石油の発掘により巨万の富を獲たオーセージ族純血の財産を自分に流す為の計画。純血のモーリーに目をつけたキングはレオナルド・ディカプリオ扮する甥のアーネストにモーリーと身を固めるよう示唆する。そこからしてモーリー純血一族の財産を静かに狙っていて恐ろしい。言葉は常に選んではいて、オーセージ族やモーリーやアーネストなど皆の為と言いながら、その純血の財産を狙うべく周りの使い手を上手く使い邪魔者をどんどん消していく。この恐ろしさをさすがのロバート・デ・ニーロは見事に演じていて怖かった。
モーリーを心から愛しているにも拘わらず、そんなキングに何度となく言いくるめられるアーネストは、キングに加担せざるを得なく、どんどんと悪事を重ねてしまう。ある種の洗脳なのかと思うほど、なぜそんなに愛しているのにモーリーにまで手を下してしまうのか。
そしてモーリーも次々と姉妹や母親が亡くなり、モーリー自身も命を狙われている事を薄々と感じながらもアーネストを愛し続ける。
だが、アーネストがモーリーにした注射が何だったのかをモーリーは尋ねたが、本当の事を言わなかったアーネストを許す事が出来なかったのだろう。
何百人というオーセージ族がそうやって白人に殺された事実がある。なんとも恐ろしくも許し難いことだろう。
3時間26分。
そんな時間が経っていたとは思えないほど、のめり込めんで鑑賞する事が出来た作品だった。
3時間以上あるこの作品をざっくり一文で表すなら...?
「犯人、悪役は主役のメンツと最初からわかっててひたすらそれらの悪行が続き、原住民が搾取され文化も資産も乗っ取られる様子を長々と見せられてるのに真相を明かす探偵が出るのがなんと終盤のあたりという、大胆な物語構成なのにメチャクチャ面白いドラマサスペンス」。
どうやったら3時間も飽きさせない展開を作れるんだ...?クライマックスに感情が爆発するようなネタバレ大事件でも起きるわけでもないのにどうやって...?
と思わざるを得ないけど、目を覆いたくなるけど目が離せないヤバい展開がどんどん続くので飽きない。それを演出する俳優陣の演技のすごさにグイグイ引き込まれる。
今作は「ミッドサマー」の、面白いけどじわじわ弱火で炙られ続けるようなイヤ〜〜〜感覚がゆっくり静かにず〜〜〜っと続く没入感のある構成に影響を受けたという事もあってホラー映画なんじゃないか?と錯覚してしまう瞬間が多々ある。でもおもしろい。
また見たいか?と言われたらもうイヤだとハッキリ言える。とても疲れるし心がしんどい。でもおもしろい。
スコセッシ監督作品では多々ある事だけど今作は特にそう感じる。
サスペンス好きならぜひ見てください。しんどくなるけども。
純正資産とハイエナ
100年前インディアンオセージ族がアメリカの州から州に追いやられ、たどり着いたオクラホマ州。
その土地で油田が湧き、オイルマネーで裕福になっていくネイティブアメリカンとそこにハイエナと蝿のように金を蝕んでいく白人との闘い。
アルコールや糖で先住民オセージ族の肉体と精神を壊していく。立ち会わせる医者にも手を回し、自分達だけへ富をぶち込む。しまいには家を爆破、殺戮。彼らは『インディアンの命は犬よりも
軽い』という白人達。アメリカ史に残る闇と罪。
表と裏の顔を使い分けるヘイル役のロバート・デ・ニーロは悪者だったが魅せる演技。
甥っ子アーネスト、ディカプリオは賢くない
小物感を全面に出した熱演は良かった。
最初は警察官役だったらしいが、脚本を読んで
アーネストを懇願したそう。ある意味鼻が利く。
モリー役のリリーグラッドストーンの目は綺麗。
目で演技をする。
美術監督のジャック・フィスクのあの火事の
焼け野原の人々はインパクトがあった。絵画のよう。
アメリカ白人の負の歴史をスコセッシ監督は
伝えたかったのだろう。
お金が悪のか、環境が悪いのか、人間その物が
持っている悪なのか、堕落した人間が流れ着く
場所を描いた作品でした。
アメリカ深部に残る醜悪な記憶
期待と気合いを胸に秘めて鑑賞。
気合いは、、この長尺にはどうしても必要なのだ。
ああ、アメリカ。
この奇妙な超大国の影、影、そして影を描く。スコセッシ監督が、おそらくはライフワークとして世に叩きつけたような、痛烈な大作であった。
白人による、アメリカ・インディアンの迫害は世界の誰もが知るところだが、本作では真綿で首を絞めるような大河的で長期に及ぶオーセージ族への迫害・殺人事件が描かれている。長尺であることにもそんな意味合いを含ませたのではないか、と考えたが推量が過ぎるだろうか。
余談だが、人間の理性から発する差別意識の正体とは一体何なのだろうか。勉強不足を披露してしまうようで恥ずかしいが。集団で連鎖する引き寄せのそれなのか、心の奥底にある嫌悪感なのか。はたまた優越感・優位性を求める裏返しか…。濃淡はあれど世界中、今も、どこにでも蔓延している差別意識。これほど不要な精神性は他に無いと断言したい。
話を戻すと、アメリカの影である。
差別、迫害に利権が絡む、おどろおどろしい程の醜さが全編に描かれている。この3時間から学ぶものは何もないようだ。ただただ、醜いのだ。ただ唯一、人間らしさとして有ったのは主人公アーネストの子への愛情だったろうか。しかしそんな良心は飛礫のように消し飛ぶほどの、柔らかく長大に流れる川のような醜さがこの物語だった。
迫害・差別。
拝金主義。
権力。
原作タイトル『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』これに全てが集約されているようだ。
劇中ではシニカルギャグとして登場したが、デ・ニーロ扮するヘイルが捜査官へ吐き捨てる「エドガー?しらんな」というセリフ。エドガーとはいまや知らぬ人はいない、FBI初代長官のJ.エドガー・フーヴァーの事で、セリフの面白さは当のディカプリオがJ・エドガーを怪演したことで成立しているが、問題はこの事件への捜査を劇場型捜査として当時のフーヴァーがFBIの地位確立に最大限利用したとされることだ。
事実、終幕間際のラジオドラマシーン(これも事実のようだ)では、フーヴァー本人も出演したとのこと。捜査そのものは美徳でありつつ、そこにもまた権力追求の影があったりするわけだ。ただこの事は映画ではあまり触れられなかったようだ。
この映画から何を学べばよいのか。
その答えは終幕も終幕、ラストにやってくる。
誰か教えてほしいのだが、最後の語り部はスコセッシ監督本人だっただろうか。
そうか。本作が見せたかったのはこの「醜さを長時間見る苦痛」そのものなんだ。醜いものを見ることは何と苦痛なことか。それを長時間に渡り味わうことはさらに。
本作は、史実が過去の記憶として未来に埋もれることを拒否し、苦痛を事実として現代の記憶になすりつけた、スコセッシ監督の老婆心なのだ。
そう考えた。
悲しい
ただただ欲望にまみれた人間の悲しい部分を見せつけられる。
すぐカッとなってムキになって、小心者で、思い込みが激しくて、自分一人じゃ何もできなくて。
……という主人公のアーネストはいわゆる見事なまでに「ダメ男」なわけだが、どうにもこうにも軽蔑できない。
何だか自分の隠していたひとつの側面を暴かれているようで、とても嫌いになれず、それがまた無性に悲しくさせられるのだ。
金にだらしなく、自堕落で、それでも家族を愛していたことは本当で。
最後のウソは果たしてウソであったのか、あるいは本当に知らなかったのか。
モリーにどう答えれば、別れの結末を回避できたのか。
答えはない。
きっと、考えても答えが出る類の問いではない。
それでも、問いかけられた観客はきっと考えてしまうのだ。
自分なら、どう答えたろうか、と。
権力者は最後まで権力者であったことも無力感に支配される要因になる。
強者に喰われる側であったアーネストはどのような余生を送ったのか興味は尽きない。
206分の長時間だが、最後まで気が抜けることなく観終わった。
アーネスト役のディカプリオの、流されるまま流された先に何も残らないことに気づく(しかし気づいた時には既に遅い)優柔不断さを極めた葛藤の演技はあまりにも圧巻。
紛いもない傑作。
人間の汚い部分を目一杯見れる面白さ。
おじのキングはとんでもない極悪人。オーセージ族から大金を奪うため、あの手この手で近づいてくる。
ディカプリオ演じるアーネストも、おじに言われて最初は金目当てでモーリーに近づき結婚するが、結局彼女を愛してしまう。
とはいえ、彼女の姉妹を殺したり、モーリーの薬に異物を混ぜたりとめちゃくちゃだ。頭がおかしい。狂ってる。
なのにちゃっかり3人の子どもを作ったり、妻を恋しがったり、極悪人にはなりきれない。末娘が亡くなった時には半狂乱になったりと、人間らしい部分も。人間の持つ感情や欲望、愛や憎しみといったあらゆる感情がアーネストを通して浮き彫りになる。
ディカプリオはそんな複雑な人物像をうまく演じていた。
サスペンスといっても、初めからキングが大元のボスだと分かっているんだけど、細かい部分は後から解き明かされる。残り1時間、連邦捜査官が現れてから面白さに拍車がかかる。
あと、アメリカ先住民ということで、スピリチュアルな描写も印象的だった。死ぬ前にフクロウが見えたり、先祖がお迎えが来たり……。
久々の長編作品に疲れましたが、めちゃくちゃ面白かったです。
とても長い
見ている間はそれほど長さが気にならなくて、それは面白かったからなのだろうけど、それでも長い。半日つぶれてしまう。そして最後まで大丈夫だったけど、トイレのための休憩もない。どんなに長くてもインターミッションがないのは、何か意地でもあるのか意地悪なのか、本当に迷惑だ。2時間半を超える場合はインターミッションを入れる決まりにして欲しい。だったら家で見た方がずっといい。
インディアンで大金持ちがいたとは初めて知った。デ・ニーロが本当に悪者で、ひどいけど嘘がうまくて相手に悪意を抱かせない。感謝したまま殺された人もいただろう。悪者の鏡みたいな人物だ。
ディカプリオがアホの役なのだけど、顔がかっこいいから賢そうに見えてしまう。もっとアホだと思って見ればもっと面白かっただろう。最初に車の運転手をしていただけであとはずっと遊んでいるばかりでせいぜい子どもの面倒をみていたくらいだ。
変に金を持ちすぎるとろくなことがないという話だ。誰も幸せじゃなかった。
長くて誰が誰を殺したのか覚えていられない。
ディカプリオは適役だったか?
これぞ映画の本道『キラーオブザフラワームーン』、マーティン・スコセッシ、ロバート・デニーロ、レオナルド・ディカプリオの真剣勝負。映画はこうでなくちゃって思うのは私だけでしょうか。でも、小手先のごまかしも奇をてらった演出もない、いいですよね。
黄金トリオの作品。
監督マーティン・スコセッシ、出演レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デニーロと聞いて、現在考えうる最高のトリオと言っても過言ではないんですが。
さすが、3時間を超える大作でありながら、まさに正攻法真っ向勝負の作品です。
悪かろうはずがありません。
100年ほど前のアメリカ、オクラホマのお話。
オクラホマに居留させられる、インディアン、オセージ族のお話。
映画をみるまで、お金持ちのインディアンがいたことも、彼らに白人が群がってその利益を横取りしたことも、知りませんでした。
もとはと言えば、インディアンはこの地に追いやられた人々。
しかし、運命は、皮肉なもので、その不毛の地に石油が湧き出し、インディアンは大金持ちに。
こんな歴史があったなんて知りませんでした。
そのオセージ族の利権に群がり、横取り、殺害なんでもありの無法地帯。
白人達のなんと勝手なことよ。
しかし、この出来事から、FBIやおとり捜査、証人の保護制度ができるきっかけになったとは。
100年前の日本はどうだったか。
映画を見ていて、アメリカはなんて野蛮な国だ。
こんな無法なことが、行われていたなんて、呆れたのですが。
いや待てよ、同じ頃日本はどうだったかな。
最近見た、『福田村事件』を思い出しますね。
関東大震災があって、朝鮮人虐殺、無政府主義者大杉栄等の惨殺。
そして、これらを引き起こすデマの流布や拡散に政府や新聞が、関わっていたこと。
その後の軍部の台頭と、大東和戦争へ突き進む狂気の時代。
国民皆揃って、突き進んだこと。
十分日本も暗黒ですね。
だからこそ、一人ひとりが、しっかりと監視をしてないと。
レオナルド・ディカプリオは適役だったか?
主人公は、どこか優柔不断で、人に流されやすくて、どこか人が良さそうでいて残酷な考えも持っていて。
そういう意味では、難しい役かな。
だから、なんとなくディカプリオのベビーフェイスがやたら気になる作品といいますか。
そう、荒くれが闊歩する時代には、なんかお優しい顔つきなんですよね。
後、過剰な演技も気になるところといいますか。
第一次世界大戦に従軍した割には、軽いといいますか。
前線にはいなく、炊事班だったとか。
だから、今回のディカプリオの役作りも、ハマっていると見ることもできるのですが。
スコセッシ、デニーロとくるとどうもその軽さの象徴のベビーフェイスが、やたら気になる作品なんですが。
後は、見た人の個人の感想の問題かな。
とにかく、大御所の作る大作。
そうお目にかかれるものではないですから。
とくとご覧あれ。
余韻が凄まじい
最後のアーネストの「・・・、インシュリン」
という言葉が切なすぎて。
本当に大事にすべきものは何だったのか、
気づいた時には遅すぎて。
人としての欲望も慈愛も悲しみも喜びも、
この映画には全部ある。
観終えたあとの余韻がまた凄まじい。
月下美人
今年観た作品の中でもダントツの長さ、予告込みで3時間半超えのオーバーキル。普段は飲食物を持ち込まないんですが、持久戦に備えようと思ってキャラメルポップコーンを片手にいざ突入。
体感ほど長くは感じませんでしたが、冷静に考えれば映画2本分くらいの長さ、途中途中で長いなーと思う場面があったのが残念でした。
一つ一つの事件を丁寧に描くというよりかはかなり長々と見せつけてくるので、どうしても長さを感じる場面が多かったです。
大金を得たオセージ族に目をつけた白人たちが狙いを定めて、恫喝から果ては殺人まで起こしてしまった実話をベースにしているので大きな盛り上がりというよりかは、おどろおどろしい感じで観る側に恐怖を植え付けていくという構成は見事だと思ったんですが、それにしてもテンポがあまり良くなかったです。自分が100分前後の映画を好んで観まくってるというのもあると思うんですが、謎に詰まるシーンがあるとどうしてももどかしくなってしまいました。
エンドロールはサラッと字幕を出して終わるという演出は、実話ベースの作品だと使われる事が多いですが、このくらいの後味にするのが良いのかなと最近は思い始めました。
役者陣の惹きつける力は抜群で、レオナルド・ディカプリオのダメ男っぷりがもう最高にイライラさせられました。実際にいそうなラインを絶妙に突いてくれていましたし、表での笑顔と裏での真顔という使い分けがエグすぎて震えました。それにしても鈍感なのかバカなのか、とにかく行動が遅いので、監督の計算の内でしょうがイラーっとさせられっぱなしでした笑
ロバート・デ・ニーロの極悪非道なキングも最初から最後まで最高で、こんなに極悪で欲望まみれのオーラを醸し出す人はいないよなと楽しませてもらいました。
リリー・ブラッドストーンのまっすぐな眼差しに心締め付けられっぱなしでした。
殺されるもの、殺す側のもの、それぞれの思考が読めないくらいの演技合戦は本当に最高でした。
映像も100年前の時代という事が分かるのに、実際の場所での撮影も相まってリアルな感じが伝わってきましたし、装飾や衣装もとてもオシャレなものが多く小物好きな自分には違う面での見応えがありました。
直近で「福田村事件」「キリング・オブ・ケネス・チェンバレン」と差別の歴史の実話を描いた作品が出ていましたが、今作はそれらの差別とはまた違う原住民vs外から来たものの構図だったのはまた興味深い作品だったなと思いました。長さだけどうしても気になってしまいましたが、スコセッシ監督の映画への愛はこれでもかと伝わってきました。というかこの長さを撮れるのが凄すぎると改めて思いました。
鑑賞日 10/21
鑑賞時間 9:00〜12:40
座席 R-30
自我の膀胱限界を知る! 3時間半は中々の挑戦を色んな意味で感じるわ。
上映時間:3時間26分(206分)ですよ。
中休憩も一切ありません。よって コンディションフルアップして
ご鑑賞ください。
途中トイレに行くかもと・・・想定してたけど
最後まで集中して鑑賞を終えられました。自分で自分を褒めたいw。
上映が長いんで劇場側も枠を設定するのが結構大変。
興行的にはかなりのギャンブル性をはらんでいると感じます。
内容は、アメリカ原住民のインディアン(その後)。
政府や周囲にのけ者にされて 転々と移住した先がオクラホマ。
移住先から原油が出てきて やがて資産ある金持ちに。
既得権益でお金が入ってくるのだが、当然 白人達(ゴロツキ野郎)に狙われる。
一番悪は 原住民側に立つ優しい白人副保安官と見せかけて
裏では ゴロツキどもに指示して 殺しが行われていた。
まともに 捜査されない原住民達。
誰の目にも 原油の権利を巡って
資産狙いの結婚と 殺人であることは承知の事実。
ア-ネスト(リオ役)の モ-リ-への愛と
ヘイル(デニ-ロ役)との間で揺れる心情展開が
本作の要だろうか。
愛か、血筋か、ってところが 垣間見れます。
妻に最後に問われて、
インシュリンだと思って オレは打っていたんだよって所が
ア-ネスト自身の 妻への残された愛かもしれません。
※僕なら違うやろって気づけと思うけどね。
膀胱が達者な人には チョット長いけどお薦め!
スコセッシらしい作品が堪能できます。
だれない
ジョン・ウィック(3時間)と迷ったが、こっち(3時間半)を見た。
オールした次の日だったから耐えられるか心配だったけど、眠くもならず見ることができた。
社会派ではあるが、定期的に衝撃的なシーンがあり退屈な場面はあまりない。映画館で集中してみるのが正解かも。
1920年代、オクラホマ オセージ郡にいる先住民オセージ族が60人余り殺害された事件が題材である。
レオは家族思いであるが、叔父のデニーロに言われるがまま殺害命令出すし、普通に人殺すし矛盾してる。裏表があるっていうより欲望に抵抗できなかった感が強い。奥さんに投与してるインスリンに混ぜた鎮静剤が毒だってことに気付いていたのかな、、。
罪悪感からか自分に入れたシーンもあったし、最後の奥さんの質問に答えられなかったし、きっと知っていた。
それでも奥さんへの愛は本物だっただろうから複雑。
自分では手を下さないデニーロがいやらしい。
この時代の命は軽いなぁ。家族や友人が徐々に殺される虚しさや、次は自分かもという怖さに耐えられなくなりそう。
オセージ族という存在も、こんな事件があったのも知らなかった。忘れてはならない歴史をこうやって知ることができる映画大好き。
本来ならディカプリオはFBI役のオファーがあったらしい。
だがFBIが主人公だと、当時の白人とオセージ族の関わりが深く描けないという理由で、オセージの旦那役であるアーネストになったらしい。
FBI役にブレイキング・バッドのトッドが出てて嬉しかった。
文句ない大作。
たった400年くらいの歴史しかないUSAだけど、その大地には太古の昔からの石油が眠っていて、(よく言えば)フロンティアスピリッツ溢れる白人たちの開拓のずっと前からネイティブアメリカンたちは歴史を紡いでいた。なんてことは既知のことだったはずだけど、現場で何が起きていたのか教わった。異文化が融合する際の利権目当ての婚姻・財産剥奪・隠蔽。ダーク過ぎる真実。
最後には悪のベールを剥がすFBI連邦捜査局のプロパガンダ演劇みたいな舞台設定。「え、この壮大な映像劇は劇中劇だったの?」という拍子抜けの展開も小気味よかった。最後にモーリーの訃報報道記事を読み上げる役で出てきたスコセッシ監督、感極まって涙ぐんでいたようにも見えたし。
贅沢なキャスティング、空撮よし、接写よし、長回しよし、美術・音楽に(多分)妥協なしで練り上げられた大作。長尺だけど劇場で見ればダレることなく楽しめた。
デカプリオの顔七変化は見ものです。久々にリタイアおじいちゃんじゃなくて終身悪役デニーロも健在でよかった。(ずいぶんシュリンクしてたけど仕方ない。)モーリーの役者さん、モナリザみたいに美しかった。最後の最後、やっぱりクズだった夫を見限って立ち上がったところ、かっこよかった!
彼らがまみれたのは油ではなかった。欲にまみれ、手を血で汚し…
スコセッシの前作『アイリッシュマン』は興奮モノだった。
久々のマフィア物、デ・ニーロと24年ぶりのタッグ、共演にアル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテル…。
製作費2億ドル、上映時間3時間超え…。
キャリアに於いても一本出るか出ないかくらいの超大作。
しかしこのレジェンドは、またしてもKO級の力作を放ったのだから恐れ入る。
1920年代の米オクラホマ州。
先住民・オセージ族が暮らす居留地で油田が発見。彼らは一夜にして裕福な富を得る。
それに目が眩んだのは、欲深い白人たち。やがてオセージ族を…。
これが実際にあった事件だというから衝撃…。
石油利権、人種差別、凄惨な事件…。
人の暗部、知られざるアメリカの歴史の闇に、スコセッシが斬り込む。
まず、この話題。
共演はこれが3度目。レオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロのスコセッシ新旧常連が、スコセッシ作品で初共演!
この2人がスコセッシ作品で共演する日を待っていた。
スコセッシ×デ・ニーロ×レオ…『アイリッシュマン』の時のように、もうこれだけで見たい!
その感想はレビューと共に追々触れるとして、
売れっ子ジェシー・プレモンズを始め、復活ブレンダン・フレイザーやジョン・リスゴーなどちょい役ながら豪華。何より新星リリー・グラッドストーン! オセージ族役の役者たちも含め名アンサンブル。
スコセッシ組のスタッフたちの仕事ぶりもいつもながら。
本作も200分超え。尺の長さについてはすでに色々言われ、確かに長さも感じるが、これだけは言える。
ただ無駄な200分じゃない。その長尺を存分に使った、見応えたっぷりの200分!
またまたまたまたスコセッシが新たなる代表作を発表。
80歳を過ぎても尚、代表作を更新し続けるなんて、もはや別次元か仙人か生き神様の領域。
例のMCU批判発言についてはとりあえず今は置いとこう。レジェンドはレジェンドであり続ける。
『アイリッシュマン』に続き、配信会社提携。
確かに題材からヒットは難しそう。
それでも本作を作りたかったスコセッシの熱意は尊敬もの。
『アイリッシュマン』はあのムードやカッコ良さに痺れたが、本作は題材や話に面白味あり。
原作のベストセラー・ノンフィクションではプレモンズ演じる捜査官の視点で語られるらしいが、映画は大胆脚色。レオ演じる主人公の視点から。
捜査官視点でも事件を追う捜査サスペンスの面白味あったろうが、映画の事件に大きく関わる一人の男の視点にした事によって、そこで何が起きたのか、何故起きてしまったのかを、痛烈に見せる事に成功している。
本当に、何故こんな凄惨で愚かな事件が起きてしまったのか…?
発端…と言うか、オセージ族は何も悪くない。油も神から授かりたもうたもの。
これも偏見かもしれないが、先住民と言うと、荒野でテントに住み、簡単に衣服を纏い、狩猟など昔からの風習や暮らし。
しかし本作では、荒野ではなく一つの町の、立派な屋敷に住み、高級車に乗り、上品な服を着ている。白人の紳士やご婦人と変わりない。
こういう先住民の描かれ方もハリウッド映画で初めてではなかろうか…?
そんな彼らに、白人たちが媚を売る。運転手すらする。
ハリウッド映画に於ける先住民と白人の立場逆転は新鮮だった。
しかし、白人たちがいつまでも先住民たちにおべっか使い続ける訳がない。
石油も富も何もかも、我々のものに…。
白人の誰か一人がそう思い妬んだ時、事件の発端が始まったのかもしれない…。
この町にやって来た主人公の男アーネスト。叔父を頼って。
叔父ウィリアムは町の有力者。“キング”と呼ばれ、町の発展に貢献し、オセージ族とも良好な関係を築いている。
石油採掘の仕事で多くの者が町を訪れ、富を手にし、先住民と白人の理想郷…一見は。
アーネストも叔父の下で働き始める。運転手の仕事。
オセージ族の娘モーリーと出会い、惹かれ合い、やがて結婚。娘も産まれる。
幸せと順風満帆に思えたが、叔父のある仕事に関与した事から…。
オセージ族と良好関係築き、穏やかで懐広いウィリアム。
が、彼の真の顔は…。
オセージ族の富を根こそぎ奪おうとする。
そのやり口は狡猾。
オセージ族に保険を掛け、不審死に見せ掛ける。
白人の男とオセージ族の女性を結婚させら、やはり相手を不審死に見せ掛ける。
それも直接指示ではなく、それとなくそうさせるように。
アーネストもまた。モーリーを少しずつ少しずつ追い詰めていく。
彼女の親姉妹を。謎の連続不審死に疑問を感じ、彼女が雇った探偵を。
手を下す。表向きは妻を愛し、妻を心配する良き夫面して。
いや、アーネストがモーリーを愛しているのは本当だ。
アーネストを愛しているが、叔父には逆らえない。
心身共に弱っていくモーリー。そんな彼女にアーネストは薬や注射を処方。が、それはただの薬や注射ではなかった…。
戦慄したのは、連続殺人の数々が、劇的に起こるべくして起きたのではなく、日常茶飯事のように描かれる事。
ウィリアム配下のこの町の白人にとって、オセージ族を殺すのはいつもの事なのだ。
だからオセージ族がどんなに不審死しても、誰も取り合わない。
州警察も動かない。FBIも動かない。
テイラー・シェリダン監督『ウインド・リバー』でも米辺境地でのネイティブ・アメリカン殺人事件を題材にしていたが、彼らを守る法はないのか…?
同じアメリカという国に住んでいながら、先住民というだけで差別偏見・疎外され、法も適用されない。
なら、アメリカの自由と正義と法は何処に…?
それは言わずもがな。“アメリカ白人”のみに。
オセージ族の数名がワシントンに招かれ、大統領に直接訴えた事から、やっと捜査が入る。
捜査官が調べ始めると、あっという間に事件の全貌や関与者が明らかに。
事件自体は拍子抜けするほど愚かで単純なものなのだ。
しかし、関与した者たちの欲、傲慢、悪事、愚行の数々が情けなく哀しく恐ろしい…。
先述の通り、アーネストがその凡例だ。
妻を愛している。子供たちを愛している。
でも、金や恵まれた今を手離したくない。
叔父を敬愛している。
叔父が怖い。
叔父の言いなりに…。
本人自身にも卑屈な面や闇の部分もあるが、客観的に見れば小悪党。いや、どうしようもないダメなクズ人間。
あの豪華客船の王子様が…。ショックを受けるファンもいるだろうが、寧ろ私は、レオの熱演にはいつもいつも絶対的信頼。風貌も凄みも、ジャック・ニコルソンのような怪優になってきた。
温情深い名士の腹の底は、底無し沼のような大悪党。金や利権、権力への貪欲さは人一倍。
この存在感を前に、レオも萎縮。『ケープ・フィアー』とは別口の、デ・ニーロ最恐も過言ではない。
だって誰しも、善人と思った人物の本性を知ったら…。
当初レオとプレモンズの役は逆だったらしいが、レオの希望で変更。結果的に良かったと思う。レオはクズ男をさすがの巧さで体現し、プレモンズは鋭さと柔らかさを併せ持った捜査官を好演。
特筆すべきは、モーリー役のリリー・グラッドストーン。彼女が真の主役と言ってもいい。
オセージ族として、良き妻として。
身近な者たちが殺され、精神に異常をきたしていく。
体調も悪化。その衰弱ぶりは見てて痛々しいほど。
夫を信じ、愛している。が、その夫は…。
終盤捜査官に保護され、病院にて療養。その時、事件の全貌や関与者の事を聞いた筈だ。
どう思っただろう。夫が関与している。自分の愛する者や親しい者に、夫は手を下したかもしれない…。
それでも彼女は夫を責めたりはしなかった。まだこの時点では夫を信頼していたのかもしれない。
が、夫は性懲りもなく嘘を付く。“インスリン”と。
モーリーが夫に落胆し、見限った瞬間。
私も何か胸の奥に、重いものがドーンと落ちた気がした。
ノンフィクション本となり映画になり、事件の顛末は知られている。
事件の真相は隠し通せるものじゃない。アーネストやウィリアムら関与者は逮捕。
そこでもウィリアムは悪あがきを続ける。弁護士も策略。私は今も尚この町の絶対的権力者だ。
アーネストは自分を裏切ったりしない。
アーネストが本当の事を言えば、無論叔父は罪に問われ、自分も含め手にした全てを失う事になる。
土壇場で証言撤回。やはりこの男は最後の最後まで…。
しかし彼がまた心変わりしたのは、悲しい報せ。どうしようもないクズ人間でも、家族を愛する男だったのだ。
それは嘘偽りない、彼の本心と全てだった。
それに気付くのが遅すぎた。
気付いた時、娘を亡くし、妻からの愛も失われていた…。
20世紀初頭、アメリカで起きた衝撃の事件。
それをある夫婦を軸にした事によって、哀れさ、悲しさ、愚かさを浮き彫りに。
本当に、何故こうなってしまったのか…?
欲に目が眩んだ罪深き者たち…。
ラストシーンがユニーク。
大抵事件のその後を黒画面にテロップで追記するが、“朗読劇”という形で。
モーリーの最期について触れる。それを朗読するのは、スコセッシ!
モーリーや犠牲になったオセージ族への追悼、白人たちが犯した愚罪の謝罪を、映画を通し、代弁も。
二度と、こんな悲劇と愚罪が起こらぬよう…。
スコセッシが問い、訴える。
正直、ちょっと長い…
話が動き始めるのに1時間くらいかかるので、最近のアクション映画を見慣れた感覚では、話が動くまで長いと感じられました。 その後も家族を大切に思いながらも、流されて悪事に手を染める主人公の様子が淡々と描かれます。(本当に全編同じ圧力で、誤解を招くかもしれませんが、最後の最後まで山場が無い。) ラストで愛する妻にまで嘘をついて、捨てられる主人公を下卑た笑いでデュカプリオが演じています。 鑑賞時には、前日から水分を控え体調を整えて臨んで下さい!
大作
長い!
時間見た時はそう感じました。
実際に見てみると、まぁら長いことは長いんだけど、体感的にはそこまでではなかった。
理由としては、ストーリーが面白くて、役者さんが素晴らしかったからかな。
スリルあるサスペンスというわけでも無く、派手なアクションが、あるわけでもない。
静かに進むヒューマンドラマなんだけど、そのドラマがよくできている。
とにかくレオ様のダメさが極まってるw
この時代の背景や、人間関係を考えると気持ちはわかるんだけど、とにかくダメな方に進んでいく。
最後に一つ決断するけど、時すでに遅し。
そして、最後の最後でダメな部分を見せて終わるという。
何もスッキリしないし解決もしない。
それでも見た後に面白かったと思えるのは脚本が良いからなんだろうなぁ。
とにかくモリーが可哀想でした。
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